残業規制をキッカケに組織のマインドを変えるチャンスとするためのベストシナリオ

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photo credit: Gabriel Kronisch Time And Tide via photopin (license)

みなさん、こんにちは!
タカハシ(@ntakahashi0505)です。

政府が残業の上限を事実上なくせる通称「36(サブロク)協定」を罰則の検討も含めて見直す方針を発表してからしばらく経ちました。また、電通を舞台として起きてしまった過労による自殺という悲しい事件も受けて、長時間労働に関しての関心がさらに高まってきていると言えます。

実際に残業規制がどのような方法で、どこまでなされるのか、そして実際どこまで実効性が担保できるかについてはまだ明らかにはなっていません。

様々な意見の中では

  • 罰則を設けても監督しきれないのではないか
  • せいぜい過労死レベルの80時間までの制限
  • 不法なサービス残業うやみなし残業がより横行する
  • 労働力確保のための人件費が膨張し中小企業が苦しむ
  • 残業代がないと生活が苦しくなる

というネガティブな意見も多くありますが、私は個人的には残業規制が企業・従業員双方にとってチャンスに成り得ると考えています。

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政府が労働基準法の「36協定」の運用を見直し、残業規制を強化すると発表しました。期待と不安が入り混じる「残業規制」ですが、これが有効な一手となり得るためのポイントについて考えてみたいと思います。

今回は、具体的にいくつかの企業が既に実施している内容も踏まえて、残業規制をチャンスに変えていくベストシナリオを作ってみました。

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会議の数が激減する

まず、企業としてはこれまで残業によって賄っていた仕事をなんとかしなければいけません。

企業として、まず真っ先に考えるべきは、収益性に影響を及ぼさないように捨てられる時間を発見して捨てることになるでしょう。

そこで、目を付けやすいのが「会議」です。

会議は参加者全員の時間を拘束して行われます。10人参加で2時間の会議が毎週行われているのであれば、毎月で80時間を費やすことになります。0.5人月に該当します。

それだけではなく、会議のための資料の作成そして印刷にかかる時間も存在しますし、会議の時間に席を立つために進めていた仕事を中断しなくてはなりませんので、その中断前後に発生するスキマ時間も発生します。

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進捗報告はチャットワークをはじめとしたチャットやグループウェアで代替ができますし、数字周りのレポートはテンプレが固定されているのであれば自動生成&自動送信が可能です。

おそらく残業規制をチャンスに変えるチームのスケジュールからは「定例会議」は姿を消すことになるでしょう。

副業を解禁またはむしろ奨励する

残業規制の悩みの一つとして深刻なのは、従業員が受け取る報酬が減ってしまうことです。

今、悲しいことに残業代込みで生活を組み立てている方も増えてしまっています。残業代がないと、生活できなくなってしまいます。ですから、バッサリと残業規制をかけることがためらわれてしまうことがあるでしょう。

それを解決する方法としては、副業解禁があります。

未だに多くの企業では副業を禁止していますが、許容するまたはむしろ奨励する企業も増えてきています。企業にとっては、とくに人材活用という面でのメリットが多いということが知られるようになってきているのです。

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従業員には空いた時間で自分で稼いでもらいつつ、企業としては浮いた残業代を「原資」として新たな報酬制度や教育制度に充てることもできます。

隠れた「エース」が登場

これまでは労働時間もある程度もしくはけっこうな程度の評価対象となっていたかも知れませんが、残業規制により、その評価は横一線に揃えられます。

そこで新たに注目される評価項目は「生産性」となります。

Excelのショートカットキーや関数の使い方、PowerPointでの資料作り、VBA、EvernoteやDropboxなどのクラウドツール、そういったITを使いこなせることや、時間やタスクの管理術などが注目を集め始めます。

実はそのようなスキルを持っている隠されたエースは、残業規制前に定時で帰っていた熱中するほどの趣味を持っている社員だったり、子持ちの主婦だったりします。

彼らは定時で帰らないと好きなことができない、または家庭が成り立たないという事情があったので、仕事を速く終わらせるための独自のノウハウを築き上げ、スキルを磨いてきていたのです。

残業をすることで溢れた仕事をこなしていたスタッフたちは、いざ残業が禁止になったところで、彼らの能力のすばらしさに気づきます。こんな量の仕事を、これまでずっと定時までに終わらせていたのか、と。

これでようやく生産性を高めるスキルが市民権を得ることとなります。

働き方カイゼンコンテストまたは勉強会

営業ノウハウや、マーケティング手法、バックオフィスの知識などと異なり、「働き方」に関するノウハウは、社長から末端の社員に至るまですべてのスタッフに有用なものとなります。

最初は隠れたエースたちのノウハウを共有するために始めたプレゼンが、いずれ「コンテスト形式」で四半期などのスパンで行われるようになります。

各チームが生産性を上げるために行ってきた取り組みとその効果を発表するのです。当然、良い成果を上げたチームが評価をされます。

または、有志によって週1回などのペースで勉強会が開かれるかも知れません。会社としては、このような取り組みを奨励し、業務時間内での実施を許容することが求められます。

いずれにしても、発表をするためには、取り組みの効果を定量的に測定して記録する必要がありますので、各チームの働き方カイゼンの取り組みについてのPDCAの質を高める効果があります。

また、プレゼンテーションのスキルも高まることに加えて、何よりアウトプットをすることで「自分事」とさせる効果があります。

このチャンスを機に組織と個人のマインドを変える

いかがだったでしょうか。

残業規制について、どう対応をするのか?

これは会社から一方的に、一つ二つの制度を導入するだけでは、全くうまくいきません。一方で、規制だけして個々の裁量に任せる、これでもうまくいきません。無論、ごまかしはNGです。

ポイントは全員が自分事とすること、そして改善をし続けるです。

そうすることで全員が「良い仕事とは?」ということを、常に考え続けるようになります。つまり、マインドが変わるのです。

これまでは「変わりたくない」と思っていたのが、「変わらざるを得ない」をキッカケに「変わっていきたい」になるチャンスです。

実際の残業規制の内容は明らかではありませんし、施行にはまだ時間を要するとは思いますが、先んじて取り組みを開始してみてはいかがでしょうか。