
みなさん、こんにちは! タカハシ(@ntakahashi0505)です。
「思考は言葉となり、言葉は行動となり、行動は習慣となり、習慣は人格となり、人格は運命となる。」この有名な言葉の背景を紐解くと、日々の意識が未来を創るという、力強くも普遍的なメッセージが見えてきました。
ということで、今回は「「思考が運命を創る」サッチャーの名言を深掘りして見えた、人生を切り拓くヒント」です。
では、行ってみましょう!
サッチャーの「人生を変える言葉」
皆さんには、「人生を変えた言葉」はありますか?
僕がこのテーマでふと思い浮かんだのが、イギリスの元首相マーガレット・サッチャーが語ったとされる、あまりにも有名なこの名言でした。
思考は言葉となり、言葉は行動となり、行動は習慣となり、習慣は人格となり、人格は運命となる。
僕も大好きな言葉で、Voicyでも何度か紹介したことがあります。
ただ、ふと「この言葉は、サッチャー自身の人生にどう影響を与えたんだろう?」と気になって調べてみたんです。そうしたら、その背景がとても興味深くて。
今日は僕が調べてみて「なるほど!」と思ったことを、皆さんとシェアしたいと思います。
この名言、実はサッチャーのオリジナルではなかった?
驚かれるかもしれませんが、この名言、実はサッチャー氏がゼロから生み出した言葉ではないようなんです。
彼女がスピーチなどで引用する際は、いつも「父親から繰り返し聞かされて育った言葉」として紹介していました。
記録として確認できるものの一つに、1977年のアメリカ・テキサス州の新聞があります。そこではフランク・アウトローという人物の言葉として掲載されており、これが英語圏で広く知られるきっかけになったと言われています。
さらに興味深いのは、もっと古くから、似たような教えが世界中に存在していたことです。
例えば、古代中国の哲学者・老子の思想の中にも、その原型を見ることができます。また、マハトマ・ガンジーやマザー・テレサといった偉人たちの言葉としても伝えられており、時代や文化を超えて受け継がれてきた「人生訓の定番」とも言える考え方だったようです。
「鉄の女」を支えた父の教えと「信条政治」
では、この普遍的な人生訓は、サッチャーという一人の政治家にどのような影響を与えたのでしょうか。
彼女がこの言葉を支えに実践したのが、「信条政治(conviction politics)」と呼ばれる政治スタイルです。
これは、選挙での人気取りや世論に迎合するのではなく、「自分自身の確固たる信念と一貫性をもって政策を行う」という政治手法を指します。
サッチャーが首相に就任した1979年当時のイギリスは、経済が停滞し、社会全体が重苦しい閉塞感に覆われていました。
そんな状況を打破するために、彼女は「国家や社会は、個人の自由な意志に基づいて初めて健全に機能する」という確固たる価値観、つまり「信条」を掲げます。
そして、その信条に基づき、規制緩和や国営企業の民営化、いわゆる「小さな政府」を目指す大改革を次々と断行していきました。
彼女の「社会なんてものはない。あるのは個人と家族だけだ」という発言が有名ですが、これもまさに、国家という大きな主語ではなく、一人ひとりの思考や行動の連鎖こそが社会を形作るのだ、という信念の表れだったのです。
「自分の信念に従って言葉や行動を選ばなければ、自らの運命を他人に委ねることになってしまう」
サッチャーは、この考え方を、経済政策や福祉、そして国家のあり方を議論するための「出発点」として捉えていました。
彼女は妥協を嫌い、常に自らの信念に根差した発言と行動を繰り返しました。
自らを「信念の政治家」と自負し、日々の「考え・言葉・行動」の積み重ねが、自分自身の人格と運命、ひいては国家の運命さえも左右するのだという哲学を、その生涯をかけて貫き通したのです。
“Watch your thoughts” ―「思考に注意しなさい」の本当の意味
この名言には、冒頭で紹介した簡潔な日本語訳のほかに、もう少し丁寧な訳も存在します。こちらもご紹介させてください。
思考には注意しなさい。なぜなら、それは言葉になるから。
言葉には注意しなさい。それは行動となるから。
行動には注意しなさい。それは習慣になるから。
習慣には注意しなさい。それは人格になるから。
人格には注意しなさい。それは運命になるから。
つまり、我々は、我々が考えるものになるということ。
私の父はいつもこのことを言っていた。私は大丈夫です。
いかがでしょうか。だいぶニュアンスが変わって聞こえませんか?
ここで「注意しなさい」と訳されている元の英単語は “Watch” です。「見る」という意味ですが、”Look” や “See” とは違い、「じっと観察する」「見守る」といった継続的なニュアンスを持つ言葉です。
つまり、「自分の思考を、ただ流すのではなく、しっかりと見つめ続けなさい」と呼びかけているわけですね。
そして、もう一つ重要なのが、最初の「思考」にあたる “Thoughts” という単語です。
これは、頭にふと浮かんだ思いつきや一時的な感情だけを指すのではありません。その人の根底にある「価値観」や「信念」、あるいは「根源的な思考の癖や意志」といった、より深く、永続的なものまで含んだ言葉なのだそうです。
つまり、この名言が伝えたいのは、こういうことではないでしょうか。
「あなたが本当に大切にしている価値観や揺るぎない信念(Thoughts)を、常に見失わないようにしなさい。なぜなら、それこそがあなたの言葉となり、行動となり、やがてはあなたの運命そのものを形作っていくのだから」と。
すべての始まりは「信念」にある
こうして深掘りしてみると、この言葉のスタート地点は、やはり「信念」というキーワードに集約されるように感じます。
面白いことに、僕が自己分析ツールの「ストレングスファインダー」を受けたとき、34種類ある資質の中で最も強く出たのが、この「信念」でした。
僕がこの名言に強く惹かれる理由は、こんなところにもあったのかもしれないな、なんて思いました。
今日は、マーガレット・サッチャーの言葉を入り口に、その背景や言葉の意味について深堀ってみました。
あなたの「思考」の源泉にある、価値観や信念は何でしょうか。
たまには少し立ち止まって、自分の”Thoughts”をじっと観察(Watch)してみるのも、新しい未来への第一歩になるかもしれませんね。
まとめ
以上、「「思考が運命を創る」サッチャーの名言を深掘りして見えた、人生を切り拓くヒント」についてお伝えしました。
引き続き、みなさんがいきいきと学び・働くためのヒントをお届けしていきます。次回をお楽しみに!
この話を耳から聴きたい方はこちらからどうぞ!