みなさん、こんにちは! タカハシ(@ntakahashi0505)です。
進まないDX、うまくいかない新規事業…なぜ組織は変われないのか?
その問いに光を当て、向かう機会を提供してくれる…『企業変革のジレンマ』はそんな書籍です。
今回は、本書の全体概要、そして序章からの大事な「前提」をお伝えします。
ということで、「『企業変革のジレンマ』①~組織になると人は「悪」を生み出す」についてお伝えします。
では、行ってみましょう!
なぜ企業の変革は進まないのか?
『企業変革のジレンマ』の著者は、埼玉大学経済経営系大学院准教授、宇田川元一さん。
経営戦略論・組織論の専門家であり、『他者と働く─「わかりあえなさ」から始める組織論』や『組織が変わる─行き詰まりから一歩抜け出す対話の方法2 on 2』といった書籍でも知られています。
本書のメインの問いはこちら。
「なぜ、あなたの会社の変革は進まないのか?」
僕の主戦場でいうと、DXというキーワードでこの問いと何度も何度も向き合う必要がありました。
とくに中小企業を中心に、DXはまったく進んでいない企業ばかりで、DXはおろかITツールひとつ導入するだけでも一苦労、結局頓挫することも少なくありません。
また、書籍では新規事業開発の事例が多く取り上げられていますが、進まない・報われないの代表格といってもよいのではないでしょうか。
僕もサラリーマン時代に新規事業に携わったことがありますが、なかなか進展がないままお荷物部隊扱いをされてしまったり、ほかの部署から足を引っ張られてしまったり…
このような、新しい動きはともかく難しい印象があります。
なぜ、そこまで会社は変われないのか、それを解き明かし、そして変革できる会社にするための道筋を照らすのが本書の役割です。
『企業変革のジレンマ』の構成
本書『企業変革のジレンマ』の構成を見ていきましょう。
- 序章│企業変革のジレンマにどう挑むか
序章は「まえがき」にあたる部分、本書のテーマと前提、全体の流れについて語ります。
- 第1章│あなたの会社で今、起きていること
- 第2章│ 企業変革に必要な4つのプロセス
1,2章では「変革」の定義、そしてその難しさ、つまり「変革のジレンマ」があることを伝えます。また、変革に必要な4つのプロセスを紹介します。
- 第3章│ 構造的無能化はなぜ起きるのか──組織の機能不全のメカニズムを読み解く
本書の最も重要なパートといっても良いかも知れません。
組織が機能不全を起こしてしまう「構造的無能化」という現象と、どうしてそれが引き起こされるのかというメカニズムについて解説します。
- 第4章│ 企業変革に必要な3つの論点
4章では、企業変革に多義性、複雑性、自発性という3つの論点について取り上げます。また、これら論点に関する問題を乗り越える鍵となる「対話」について解説しています。
- 第5章│ 「わからない」壁を乗り越える──組織の「多義性」を理解する
- 第6章│ 「進まない」壁を乗り越える──組織の「複雑性」に挑む
- 第7章│ 「変わらない」壁を乗り越える──組織の「自発性」を育む
5\~7章では、3つの論点とその問題の乗り越え方について、より深く、紹介しています。
- 第8章│ 企業変革を推進し、支援する
8章は、企業としてどのように変革を推進する機能を用意し、機能させるかについて伝えています。
変革が進まないのは「誰のせいでもない」
さて、序章では、変革を語る上でとても重要な「前提」が取り上げられていますので、その点について見ていきましょう。
DX、新規事業開発など、組織が変わろうとしても変われないとき、経営者がしっかりコミットしてくれないからだとか、あの部署が非協力的だからだとか、あの担当者の能力が足りないからだとか、誰かのせいにしていることはありませんか?
僕も、リスキリングやDXが思うように進まないのを見て、経営者がもっとしっかりしてくれれば…などと思ってしまいます。
しかし、本書は、変革が進まない原因を、誰かのせいという表層的なものに矮小化してしまうことを許しません。
なぜなら、それぞれの立場でみんなが真面目に働いていたとしても、集団として無能になってしまうという複雑な現象、構造的な問題がその原因だからであるとしているからです。
そして、この複雑な現象を「構造的無能化」と名付けています。
つまり、誰かのせいにして終わらせずに、この複雑な問題に向き合うこと、これによってはじめて、企業変革のスタートに立てるということになります。
「自分の会社が変わらなくてイライラ…」そんな方はぜひこの「前提」を思い出してください。
まとめ
以上、「『企業変革のジレンマ』①~組織になると人は「悪」を生み出す」についてお伝えしました。
引き続き、みなさんがいきいきと学び・働くためのヒントをお届けしていきます。次回をお楽しみに!
この話を耳から聴きたい方はこちらからどうぞ!