企業変革のジレンマ③~自発性はどのようにして生まれるのか

企業変革のジレンマ③~自発性はどのようにして生まれるのか

みなさん、こんにちは! タカハシ(@ntakahashi0505)です。

チームで仕事をする上で、自発性を求められることよくありますよね。

どうすればメンバーの自発性が引き出されるのか?

自発性は個人の特性と捉えられがちですが、実はそうとも限らないという興味深い話を書籍『企業変革のジレンマ』を参考書として考えてみたいと思います。

ということで、今回は「企業変革のジレンマ③~自発性はどのようにして生まれるのか」についてお伝えします。

なお、前回は本書の重要なキーワード「構造的無能化」について紹介しているので、そちらもご覧いただければと思います。

では、行ってみましょう!

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 「変わらない」壁を乗り越えるための自発性

自発性については、『企業変革のジレンマ』の7章「変わらない壁を乗り越える」で取り上げられています。

たとえば、DXなど組織の変革はトップダウンで「いいからやれ」と推進され、現場としてはいやいややらされて進んでいく…ということはないとも言えませんが、これは理想とは言えません。

理想的な状況とは、メンバーが「この変革は自分たちが携わっているのだ」「組織の状態は自分たちがつくったのだ」と感じながら進むこと。関わっているメンバーそれぞれが考え、お互いにコンセンサスを取りながら、行動するという状態です。

貢献している実感や手応えがある状態が望ましいと言えます。

そこには自発性が求められます

皆さんの組織では、メンバーの自発性は育まれているでしょうか?もしそうでないなら、どうやって自発性を育てられるでしょうか?

協応行為によって自発性は生まれる

自発性は、個々のメンバーに備わっている特性というように思われがちですが、実はそうとも限りません。

社会心理学者ケネス・ガーゲンが述べている、以下の事柄からその点を考えていきましょう。

協応行為によって意味が生み出され、私たち自身もその意味を通じて自分たちが何者であるかを理解する

何が言いたいかというと、誰かがした行動の意味は、その人個人だけでは確定しないということなんですね。

では、いつどうやって確定するかというと、協応行為、すなわち、その行動に対する他者の応答があってはじめて決まるということなんです。

この事実から、ひとつ思い出したことがあります。

以前、Podcastプロデューサーの野村高文さんがトークでは話し手と聞き手、どちらが重要かという話をされていました。

それでいうと、圧倒的に「聞き手」なんだそうです。

なぜなら、話し手の価値は、どう聞き手が反応するかによって決まるからです。たしかに、自分が話をしているときにリアクションほしいですよね。

これは会社の中でも当てはまります。

例えば、「よかれと思ってやったこと」に対して「ありがとう!すごいね!」といった反応が返ってくる場合と、「そんなのやって当然」と流されたり、無視されたり、挙句の果てに「余計なことすんな」と舌打ちされたりする場合と比べてみてください。

自発性という観点で比べてみましょう。

前者のほうが、それ以降も「よかれと思ってやりたい」と思いますよね。

良い反応ばかりの会社と、良くない反応ばかりの会社。自発性が育まれるのはどちらかは明らかです。

自発性を生む最初の一歩:ストーリーテリング

もうひとつ興味深い話があったので紹介します。

では、自発性を生み出す最初の一歩、どういったことが考えられるでしょうか。

本書では、そのひとつとして「ストーリーテリング」、つまり身近な物語を語ることが紹介されていました。

自ら語りかけることなので、「え?応答じゃないじゃん」と思ってしまいますが、実は、「最初の応答」として位置づけることができるそうです。

なぜなら、ストーリーテリングでは聞き手の視点に立って物語を捉え直すプロセスが必要だからです。

全社朝礼で社長の話を聞くという場面を思い浮かべましょう。

社長がしたい話を一方的にするのと、社員のニーズや知りたいと思っていることを汲んで話をするのと、どちらが良い応答の連鎖の一歩目にふさわしいでしょうか。

危機感を煽るのは悪手

DXやリスキリングの文脈では、危機感を煽るという手法がよくとられますが、これは自発性を育むうえではよくないとされています。

「最初の応答」という視点で俯瞰すると、そこには「問題をわかっている私」と「わかっていないメンバー」という構図を生んでしまっています。それでは、自発性どころか反発心が生まれてしまうかもしれません。

多くのメディアが、そういう口調で語りがちですが、そのために読者がしらけている可能性があると感じました。ここは、僕自身も発信者として本当に気をつけなければと思いました。

まとめ

以上、「企業変革のジレンマ③~自発性はどのようにして生まれるのか」についてお伝えしました。

結論、自発性とは対話的なプロセスから生まれる協働的な現象です。まずは、あなたから良い応答を心がけていきましょう。

引き続き、みなさんがいきいきと学び・働くためのヒントをお届けしていきます。次回をお楽しみに!

この話を耳から聴きたい方はこちらからどうぞ!

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