010 Google Cloudでデジタル変革を成功させるためにすべき3つのこと
みなさん、こんにちは!
タカハシ(@ntakahashi0505)です。
今年の「Google Cloud Next 2019」に参加レポートをシリーズでまとめております。
前回の記事はこちら。
G Suiteの最新のプロダクトアップデートについてまとめました。
今回は、話はかわって「開発」についてです。
G Suite+GAS、GCPの開発を得意とされていて、「アジャイル開発」を強く推し進める株式会社永和システムマネジメントさん。
「We Love GAS」のキャッチフレーズでも有名ですね。
なぜ、アジャイル開発を強く推し進めているのか、「Google Cloudででデジタル変革を成功させるためにすべき3つのこと」からお伝えします。
ちなみに、ノンプログラマー向けのGoogle Cloud Next 2019 ツイートもまとめておりますので、合わせてご覧くださいませ。
では、行ってみましょう!
アジャイル開発とは何か
従来のウォーターフォール開発の問題点
皆さんが経営者だとして、何か必要なITシステムを作ろうと思ったとき、どのようなアクションをとられますか?
多くの場合は、外部の開発会社に要件を伝えて、見積をしてもらって、稟議を通して、開発してもらって、目的のITシステムを納品をしてもらう…こんな流れをとることと思います。
このような開発の進め方を「ウォーターフォール開発」といいます。
株式会社永和システムマネジメントの代表取締役社長平鍋健児さんは、この従来から進められてきた開発の進め方に、いくつかの問題点があると指摘されます。
つまりこうです。
- 固めている間にニーズが変わってしまう
- 多重下請けによる壮大な伝言ゲーム
変化の速い今の時代。全部決めてから、開発をするという流れでは、その最中にニーズが変わってしまい、対応ができなくなるというリスクがあります。
アジャイル開発とその進め方
もう一つ、受注した開発会社が、開発リソースを確保できない場合、さらに下請けに投げてしまうという業界的な構造問題もあります。
結果的に、コミュニケーションコストが増える上で、正確にそのコミュニケーションがなされないという問題が出てきます。
そこで生まれた、開発の進め方でが「アジャイル開発」です。
デジタル大辞林によると、「アジャイル」というのは以下のような意味があります。
アジャイル(agile) [名・形動]俊敏であるさま。機敏な。敏捷な。
まず、エンジニアと顧客で数人による共同開発チームを作ります。
その上で、小さい開発範囲、短い開発期間に区切って、その範囲についてリリースを行い、それをもって次のアクションを共同開発チームで決めて進めていくという手法です。
アジャイル開発のメリットはベンダー側には大きくありそうですが、顧客側でいうと全体の成果物が見えづらい、予算感もつかみづらい…とデメリットも目立ちそうです。
とはいえ、平鍋さんによると、アジャイル開発とその価値が受け入れられ、今や永和システムマネジメントさんの半分くらいになってきている…とのこと。
その理由は何でしょうか?
そのヒントは、「発注・受託」から、一緒に手を動かしながら考える「共創・共育」へとシフトすることにあるそうです。
アジャイル開発の価値とは?
後半は、同じく永和システムマネジメントのディレクター岡島幸男さんにバトンタッチして、アジャイル開発がどう進められるか、またその価値について説明いただきました。
永和システムマネジメントさんの本社は福井にありますが、そこにアジャイル開発拠点「アジャイルスタジオ福井」があります。
そこでは、同じディスプレイを見ながら開発をする「モブプログラミング」や「振り返り(レトロスペクティブ)」を行いますが、それをお客様と一緒にやるという仕組みです。
これを「仕事を丸投げしない」「同じ釜の飯を食う」と、このような表現をされていらっしゃいましたが、まさにそれです!
一緒にチームとして、頻繁にコミュニケーションをとることで、共通理解を深め、創発性を刺激する…そこに、アジャイル開発の価値があります。
プラス、顧客としてはプログラミングスキルを磨き、開発の内製化のきっかけ作りにもなるという価値を見逃してはいけません。
G Suite+GASからはじめる共育
そのようなアジャイル開発の取り組みから、顧客はエンジニアをメンターとして、プログラミングスキルを磨く機会にも恵まれます。
その際に、初期段階としてよく使われ、かつ習得しやすいのがG Suite+GASの組み合わせです。
では、そこからどのように技術を習得し、磨いていくのでしょうか?
以下の図が「技術転換の事例」として紹介されていました。
つまり、最初はGAS+G Suiteをメインとしてプラスαの技術を学び、その後、その追加開発や、GCPやVue.jsなど関連技術へと幅を広げていくのです。
このような流れは、私自身がノンプログラマー向けにおすすめしている・またはしたいと考えている流れでもあるので、もうすごく嬉しかったです(語彙
顧客が技術を持ってしまって良いのか問題
セッションでは、質疑応答の時間もありました。
そこで、興味深い質問がありました。
Q.受託開発なくなっちゃうじゃん?
Q.受託開発に比べて、支援型契約は利益が上がるものではないがよいのか?
という質問です。実際そのように思います。
平鍋さん曰く
A. 別にそれで構わない。むしろ、DX投資のほうが伸びているので可能性があると判断している
とのことでした。
弊社も受託開発は減らして、教育(共育といってもいいのかな?)にシフトしつつありますが、同じ思いで活動されている立派な会社さんがあって、嬉しく思いました。
まとめ
以上、「Google Cloudででデジタル変革を成功させるためにすべき3つのこと」のレポートをお伝えしました。
おっしゃる通り、これからの時代は「内製化」がIT活用のカギになると思います。
IT技術者はいよいよ不足しますし、それらの技術者とコミュニケーションができない人材しかいないとコストが倍増していきます。
G SuiteやGASであれば、少し頑張れば身に付きますので、そこをフックにして徐々に内製化ができる体制作っていきたいものですね。
さて、Google Cloud Nextですが、次回また別のセッションからレポートをお送りしますね。
次回はチームの力の価値を上げる方法!
どうぞお楽しみに!