【エクセルVBA入門】Vlookupメソッドを使ったときに発生するエラーを回避する方法

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photo credit: Keith Allison Yasmany Tomas via photopin (license)

みなさん、こんにちは!
タカハシ(@ntakahashi0505)です。

エクセルVBAでバラバラの経費精算書を一つのデータベースにまとめるマクロの作り方についてお伝えしています。

前回の記事はコチラ。

【エクセルVBA入門】マクロでVLookupメソッドを使ってデータを検索する方法
エクセルVBAを使ってバラバラの経費精算書データを集約するシリーズの7回目です。今回は、業務で有効なテクニックとしてもう一つ、マスタシートからVLookupメソッドでデータを取得してくる方法についてお伝えしていきます。

VLookupメソッドを使って、マスタからデータを抽出する方法についてお伝えしました。

ですが、VLOOKUP関数に慣れている方はこう思うはずです。

「ヒットしなければエラーになってしまうのでは…?」

そうなんです。

ということで、今回はエクセルVBAのVLookupメソッドを使ったときに発生するエラーを回避する方法についてお伝えします。

では、行ってみましょう!

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前回までのおさらい

Sub 経費精算データ取り込み()

Dim fso As FileSystemObject
Set fso = New FileSystemObject

Dim di As Long: di = wsData.Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Row + 1
Dim f As File
For Each f In fso.GetFolder(ThisWorkbook.Path & "\data").Files
    With Workbooks.Open(f.Path)
        With .Worksheets(1)
            
            Dim period As String: period = Left(f.Name, 6)
            Dim month As Date: month = DateSerial(Left(period, 4), Right(period, 2), 1)
                                    
            Dim staffId As Long: staffId = Val(Right(Replace(f.Name, ".xlsx", ""), 4))
            Dim staffName As String: staffName = WorksheetFunction.VLookup(staffId, wsStaff.Range("A:D"), 2, False)
            Dim departmentId As Long: departmentId = WorksheetFunction.VLookup(staffId, wsStaff.Range("A:D"), 3, False)
            Dim departmentName As String: departmentName = WorksheetFunction.VLookup(staffId, wsStaff.Range("A:D"), 4, False)
            
            Dim i As Long: i = 12
            Do While .Cells(i, 1).Value <> ""
                wsData.Cells(di, 1).Value = month '1 対象月
                wsData.Cells(di, 2).Value = .Cells(i, 1).Value '2 日付
                wsData.Cells(di, 3).Value = ""  '3 部署No
                wsData.Cells(di, 4).Value = departmentName '4 部署
                wsData.Cells(di, 5).Value = staffId '5 社員No
                wsData.Cells(di, 6).Value = staffName '6 氏名
                wsData.Cells(di, 7).Value = .Cells(i, 2).Value '7 科目
                wsData.Cells(di, 8).Value = .Cells(i, 5).Value '8 摘要
                wsData.Cells(di, 9).Value = .Cells(i, 6).Value '9 金額
                wsData.Cells(di, 10).Value = .Cells(i, 7).Value '10 備考
                i = i + 1: di = di + 1
            Loop
        End With
        .Close
    End With
Next f

End Sub

15行目でファイル名からスタッフIDを抜き出しています。

また、16~18行目にVLookupメソッドを使って、社員マスタのシートwsStaffからスタッフIDをキーとして社員名、部署ID、部署名を取得しています。

ですが、以下のような場合はVLookupメソッドが成功しません。

  • ファイル名が間違っていてスタッフIDが正しく取得できなかった場合
  • 社員マスタに不備がありスタッフIDがヒットしなかった場合

この場合、どうなっちゃうんでしょうか?

VLookupメソッドを失敗させてみる

試しに、ファイル名を以下のように変更してみました。

ファイル名のスタッフIDを誤ったものにしてみる

本来は4桁ないとダメなんですが、3桁になっちゃってます。

これで実行しますと、以下のように「実行時エラー ‘1004’: WorksheetFunction クラスの VLookup プロパティを取得できません。」というエラーが発生します。

VLookupメソッドで実行時エラーが発生

「デバッグ」ボタンを押してみましょう。

VLookupメソッドでエラーが発生した場所とスタッフIDの値

変数staffIdの内容を見てみると、スタッフIDの値は「0」、マスタに「0」は存在しないので、VLookupメソッドでエラーが発生したということになります。

これを回避する方法についてお伝えしなければなりません。

On Errorステートメント

さて、VBAでは、一般的に実行時エラーの発生はエラーメッセージの表示と、処理の停止を意味します。

しかし、その実行時エラー発生時の処理をコントロールするためのOn Errorステートメントという構文が用意されています。

その使い方は以下の通り、3種類があります。

ステートメント 内容
On Error Goto 行数(またはラベル) エラー発生時に行数で指定した行番号またはラベルに処理を分岐する
On Error Resume Next 以降エラーが発生しても続行し、次のステートメントに処理を移す
On Error Goto 0 以降のエラーハンドラーを無効にする

On Error Resume Nextでエラーを無視する

今回は、そのうちOn Error Resume Nextを使ってみましょう。

エラーが発生しても、それを無視する魔法の言葉です。

On Error Resume Next

この一文を入れた以降は、エラーを無視してエラーが発生した次の行から処理を続行します。

これを先ほどのVLookup命令の前に入れてあげて、実行してみましょう。

すると、プログラムは最後まで実行され、以下のようにデータ収集がされます。

On Error Resume Nextで実行した結果

プログラム自体は中断せずに実行されましたが、本来太郎さんのデータが入るべき箇所に、花子さんのデータが入ってしまいました。

これはこれで問題ですね…

まとめ

エクセルVBAのVLookupメソッドによるエラーを回避する方法についてお伝えしました。

また、実行時エラー発生時の処理をコントロールするOn Errorステートメントについても紹介しました。

ですが、お伝えした通り、これだけでは解決になっていないので、次回に解決をしていきたいと思います。

【エクセルVBA入門】エラーが発生したときに分岐処理を追加する方法
エクセルVBAでバラバラの経費精算書ファイルのデータを収集するマクロの作り方をお伝えしています。今回はエクセルVBAでエラーが発生したときにメッセージを表示する処理を追加する方法をお伝えしていきます。

どうぞお楽しみに!

連載目次:エクセルVBAで経費データをデータベースに集約する

請求書シリーズと逆のパターンですが、バラバラの帳票からデータ一覧つまりデータベースに情報を集めて蓄積していく、というお仕事も多いと思います。ここでは各担当者から提出された経費精算書をデータベースに蓄積するプログラムを目標にして進めていきます。
  1. 【エクセルVBA入門】バラバラの経費精算書をデータにまとめる
  2. 【エクセルVBA入門】Do While~Loop文で条件を満たす間繰り返し
  3. 【エクセルVBA入門】繰り返しを使ってデータの転記をするときの2つのポイント
  4. 【エクセルVBA入門】With文でプログラムをスッキリわかりやすく書く
  5. 【エクセルVBA入門】他のワークブックをWithで開く&保存せずに閉じる
  6. 【エクセルVBA入門】フォルダやファイルを操作するFileSystemオブジェクトとその使い方
  7. 【エクセルVBA入門】For Each~Next文でフォルダ内のブック全てを開く方法
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  10. 【エクセルVBA入門】マクロを作るときに知っておきたいマスタデータのこと
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  12. 【エクセルVBA入門】マクロでVlookupを使ってデータを検索する方法
  13. 【エクセルVBA入門】Vlookupメソッドを使ったときに発生するエラーを回避する方法
  14. 【エクセルVBA入門】エラーが発生したときに分岐処理を追加する方法
  15. 【エクセルVBA入門】オートフィルタや行の非表示で隠れている行を全て表示する
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