『人を動かす』が100年近くも読みつがれている名著たる所以は?

# **『人を動かす』が100年近くも読みつがれている名著たる所以は?**デール・カーネギーの名著『人を動かす』ですが、みなさん読まれましたか?僕はなんと20年ぶりに読み返しました。本書の紹介とともに、なぜ時代を超えて読み継がれているのか考えてみました。## **20年ぶりの再会、そして読書会へ**僕は普段、技術書以外の本を2回読むことはほとんどしないのですが、今回の『人を動かす』は例外。実は、本書を初めて読んだのは約20年前。父から託された、昭和55年発行の初版でした。当時、ミュージシャンを諦めてサラリーマンになったばかりの30代だった僕は、「自分次第で人を動かすことができるのか!」と衝撃を受け、一気に世界が開けたような感覚を覚えました。おそらく、人をどうこうしようなんて無理だと思っていたのでしょう。しかし、本書は人を動かすことはできる、そしてその方法はあると、ハッキリと断言しています。さて、そんな『人を動かす』ですが、再び読むことになったのは、コミュニティ「ノンプロ研」の読書会がきっかけです。課題本を何にするかを話し合っていたときに、「20年ぶりに読み返したらどう感じるのだろうか」「しかもみんなで意見交換しながら読んだらどうなるのだろうか」そのようなワクワクから『人を動かす』を提案しました。## **デール・カーネギーと『人を動かす』**著者のデール・カーネギーは、1912年から副業で「話し方講座の講師」を始めました。その中で、受講生に必要なのは話術だけでなく「対人関係の技術」だと気づき、授業のための素材を収集・研究し始めます。15年間かけて蓄積した教材と講義の記録をまとめ、改良を加えて出版したのが『人を動かす』です。1936年に出版された本書は、日本国内で500万部、世界で1500万部以上も売れている、まさに名著中の名著です。## **『人を動かす』の構成**今回の読書会で用いたのは改訂文庫版です。その主な構成は以下のようになっています。### **PART1 人を動かす三原則**「PART1 人を動かす三原則」では、「盗人にも五分の理を認める」「重要感をもたせる」「人の立場に身を置く」という、本書に通底する3つの原則が紹介されています。### **PART2 人に好かれる六原則**「PART2 人に好かれる六原則」では、「誠実な関心を寄せる」「名前を覚える」「聞き手にまわる」などなど、人と仲良くするための方法が書かれています。### **PART3 人を説得する十二原則**「PART3 人を説得する十二原則」は「議論を避ける」「誤りを指摘しない」「”イエス”と答えられる問題を選ぶ」「しゃべらせる」など、人を説得する方法が紹介されています。職場でDXを進めたいとか、営業で商品を提案したいとか、そういったビジネスシーンで使えるシチュエーションがたくさんありそうです。### **PART4 人を変える九原則**「PART4 人を変える九原則」は、「まずほめる」「命令をしない」「わずかなことでもほめる」など、人に変わってほしいときにやれる方法です。チームのメンバーや家族などに根気よく実践したいところです。### **改訂文庫版にはないパート**実は、父からもらった本には、さらに- 第五部 奇跡的効果をおさめる手紙- 第六部 家庭を幸福にする法七- 付録:家庭の幸福測定法も収録されていました。これらは、改訂文庫版には収録されていませんので、これらも読んでみたい方は完全版などを手にとってみてください。## **20年ぶりに読んでみて**本書が一貫して伝えていることは「人を動かしたいのであれば、自分が動こう」というものです。相手の自己重要感を損なわないように、むしろ満たすように、と説いています。具体的には、褒めたり、相手に関心を示したり、聞き手にまわったりといった数々の手法があります。しかし、20年ぶりに『人を動かす』を読んでみたところ、それだけでは足りないことがあると気づかされました。たとえば、以下のように書かれています。> 他人に示す関心は、人間関係の他の原則と同様に、必ず心底からのものでなければならない> 重ねて言う。本書の原則は、それが心の底から出る場合に限って効果を上げる。気づきましたでしょうか?何かというと、人を動かしたいのであれば、自分の行動だけではなく、自分の心も動かさなければならないということです。つまり、心から褒める、心から関心を示す、心から関心を持って聞く、このようにする必要があるということです。読書会でみんなで議論している時も、この「心から」の部分が、本当にできるのか?と疑問に思うことが何度もありました。たとえば、褒めたいという気持ちがないところ、心から褒めたいと思えば、心から褒められるようになるのか?または、関心がないのに、心から関心を持とうとすれば、心から関心を持てるようになるのか?ということです。正直、できないときばかりに思います。しかし、本書は、それをできる前提で、読者にそれを求めてきます。わかってるけど、難しい。でも、みんなやりたいと思っているし、それをやろうとしている。『人を動かす』は、単なるテクニック本ではなく、困難な人間関係の本質、それと向き合うための本なのだということなんですね。だからこそ、100年近くも読みつがれているのでしょうし、父も僕にこの本を託してくれたのだと思います。## **まとめ**ということで、『人を動かす』を紹介させていただきました。いつも手元に置いておき、ときどき気を引き締めてもらおうと思いました。

みなさん、こんにちは! タカハシ(@ntakahashi0505)です。

デール・カーネギーの名著『人を動かす』ですが、みなさん読まれましたか?

僕はなんと20年ぶりに読み返しました。

本書の紹介とともに、なぜ時代を超えて読み継がれているのか考えてみました。

ということで、今回は「『人を動かす』が100年近くも読みつがれている名著たる所以は?」です。

では、行ってみましょう!

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20年ぶりの再会、そして読書会へ

僕は普段、技術書以外の本を2回読むことはほとんどしないのですが、今回の『人を動かす』は例外です。

実は、本書を初めて読んだのは約20年前。父から託された、昭和55年発行の初版でした。

当時、ミュージシャンを諦めてサラリーマンになったばかりの30代だった僕は、「自分次第で人を動かすことができるのか!」と衝撃を受け、一気に世界が開けたような感覚を覚えました。

おそらく、人をどうこうしようなんて無理だと思っていたのでしょう。

しかし、本書は人を動かすことはできる、そしてその方法はあると、ハッキリと断言しています。

さて、そんな『人を動かす』ですが、再び読むことになったのは、コミュニティ「ノンプロ研」の読書会がきっかけです。

課題本を何にするかを話し合っていたときに、「20年ぶりに読み返したらどう感じるのだろうか」「しかもみんなで意見交換しながら読んだらどうなるのだろうか」そのようなワクワクから『人を動かす』を提案しました。

デール・カーネギーと『人を動かす』

著者のデール・カーネギーは、1912年から副業で「話し方講座の講師」を始めました。

その中で、受講生に必要なのは話術だけでなく「対人関係の技術」だと気づき、授業のための素材を収集・研究し始めます。

15年間かけて蓄積した教材と講義の記録をまとめ、改良を加えて出版したのが『人を動かす』です。

1936年に出版された本書は、日本国内で500万部、世界で1500万部以上も売れている、まさに名著中の名著です。

『人を動かす』の構成

今回の読書会で用いたのは改訂文庫版です。その主な構成は以下のようになっています。

PART1 人を動かす三原則

PART1 人を動かす三原則」では、「盗人にも五分の理を認める」「重要感をもたせる」「人の立場に身を置く」という、本書に通底する3つの原則が紹介されています。

PART2 人に好かれる六原則

PART2 人に好かれる六原則」では、「誠実な関心を寄せる」「名前を覚える」「聞き手にまわる」などなど、人と仲良くするための方法が書かれています。

PART3 人を説得する十二原則

PART3 人を説得する十二原則」は「議論を避ける」「誤りを指摘しない」「”イエス”と答えられる問題を選ぶ」「しゃべらせる」など、人を説得する方法が紹介されています。

職場でDXを進めたいとか、営業で商品を提案したいとか、そういったビジネスシーンで使えるシチュエーションがたくさんありそうです。

PART4 人を変える九原則

PART4 人を変える九原則」は、「まずほめる」「命令をしない」「わずかなことでもほめる」など、人に変わってほしいときにやれる方法です。

チームのメンバーや家族などに根気よく実践したいところです。

改訂文庫版にはないパート

実は、父からもらった本には、さらに

  • 第五部 奇跡的効果をおさめる手紙
  • 第六部 家庭を幸福にする法七
  • 付録:家庭の幸福測定法

も収録されていました。これらは、改訂文庫版には収録されていませんので、これらも読んでみたい方は完全版などを手にとってみてください。

20年ぶりに読んでみて

本書が一貫して伝えていることは「人を動かしたいのであれば、自分が動こう」というものです。

相手の自己重要感を損なわないように、むしろ満たすように、と説いています。具体的には、褒めたり、相手に関心を示したり、聞き手にまわったりといった数々の手法があります。

しかし、20年ぶりに『人を動かす』を読んでみたところ、それだけでは足りないことがあると気づかされました。

たとえば、以下のように書かれています。

他人に示す関心は、人間関係の他の原則と同様に、必ず心底からのものでなければならない

重ねて言う。本書の原則は、それが心の底から出る場合に限って効果を上げる。

気づきましたでしょうか?

何かというと、人を動かしたいのであれば、自分の行動だけではなく、自分の心も動かさなければならないということです。

つまり、心から褒める、心から関心を示す、心から関心を持って聞く、このようにする必要があるということです。

読書会でみんなで議論している時も、この「心から」の部分が、本当にできるのか?と疑問に思うことが何度もありました。

たとえば、褒めたいという気持ちがないところ、心から褒めたいと思えば、心から褒められるようになるのか?

または、関心がないのに、心から関心を持とうとすれば、心から関心を持てるようになるのか?

ということです。正直、できないときばかりのように思います。

しかし、本書は、それをできる前提で、読者にそれを求めてきます。

わかってるけど、難しい。でも、みんなやりたいと思っているし、それをやろうとしている。

『人を動かす』は、単なるテクニック本ではなく、困難な人間関係の本質、それと向き合うための本なのだということなんですね。

だからこそ、100年近くも読みつがれているのでしょうし、父も僕にこの本を託してくれたのだと思います。

まとめ

以上、「『人を動かす』が100年近くも読みつがれている名著たる所以は?」についてお伝えしました。

いつも手元に置いておき、ときどき気を引き締めてもらおうと思いました。

引き続き、みなさんがいきいきと学び・働くためのヒントをお届けしていきます。次回をお楽しみに!

この話を耳から聴きたい方はこちらからどうぞ!

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