自分のキャリアを人に預けてはいけない
#50 僕が味わった人生最大のピンチの話 に関して、twitter上でJunさんから「 「自分のキャリアを人に預けてはいけない」をVoicyでもう少し詳しく聞きたいです!」という質問をいただいたのでその話をします。
生殺与奪の権を他人に握らせるな
このやりとりで、別のフォロワーさんから、「冨岡義勇じゃないすか!!」というコメントをいただいて、冨岡さん…残念ながら存じ上げないなぁと調べてみたところ、漫画「鬼滅の刃」の登場人物だったそうで、「生殺与奪の権を他人に握らせるな!!」という有名なセリフがあるそうなんですね。
確かに自分のキャリアを人に預けてはいけないと似てると思いましたが、お恥ずかしながら鬼滅の刃を全然見てなくて知らなかったというエピソードがあります。
キャリアとはなにか
話をもとに戻すと、僕の場合、会社員にさえなればなんとかなるみたいなボンヤリしたキャリア選択をしてしまっていたものだから、ものすごい強烈めなブラック企業にうっかり入ってしまいものすごいピンチを味わったという話を第50回でしたんですね。
その経験からの学びとして「自分のキャリアを人に預けてはいけない」ということに気付いたよという話でした。これについてさらに調べたり考えたりしました。
そもそも「キャリア」という言葉は何かということなんですけど、イメージとしては職務経歴書に書くような「経歴」、もしくは出世したとか、目立った経験を積んだ、とかです。
心理学者・組織行動学者ダグラス・ホールという人の定義によると、「一生涯に渡る期間において、仕事に関する経験や活動と結びついている、個人がとる態度や行動の連なり」です。
もうひとつ、日本の厚生労働省の定義では「一般に経歴、経験、発展さらには、関連した職務の連鎖等と表現され、時間的時速性ないし継続性を持った概念」というふうに定義されています。
ことばとしては、連鎖、連なりとあるとおり、「仕事に関する一連の過程・経験」ということがわかります。目立った職務上の実績、結果だけを並べたものではなくて、もっと連続性のあるものだということらしいです。
プロティアン・キャリア
そのダグラス・ホールさんが、「プロティアン・キャリア」というキャリア理論も提唱していて、これが今回のテーマ「自分のキャリアを人に預けてはいけない」と強い関連性があります。
プロティアン・キャリアは日本語では「変幻自在なキャリア」などと訳されていて、最近よく目にするので、字面は見たことがあるという人も多いかもしれません。
しかし、プロティアンってなんだ?という感じです。語源はギリシャ神話の神プロテウスが語源だそうです。火、水、獣、蛇など変幻自在に姿を変える神様です。つまり変幻自在という意味があります。
プロティアン・キャリアはどういった考え方かというと
- プロティアン・キャリアは組織ではなく、個人によって形成されるものである
- プロティアン・キャリアの目標は、昇給や昇進ではなく、個人の心理的成功である
というふうにされているんですね。
従来型でいうと、組織の昇進や昇格をイメージしていましたが、そうではなく、個人の心理的成功を目標としていまです。かつ、組織にデザインされたのではなく、個人が主体的に形成されていくものです。
このプロティアン・キャリアはなんと1976年に提唱されていたものなんです。
ダグラス教授は「自分のキャリアを人に預けてはいけない」とその当時から言っていたんですね。
ようやく、ここ最近になって日本でも注目されるようになってきました。僕が1976年生まれなので45年以上経っています。
その理由はどういったことにあるかというと大きく2つです。
- 終身雇用の終焉
- 人生100年時代の到来
終身雇用の終焉については皆さんもご存知の通り、すでに、日本で言うと、人口ボーナス期が終わり、一律で右肩上がりで成長する時代は終わったわけなんです。
企業組織としては社員に昇格、昇給という従来型の理想のキャリアを歩ませる能力がなくなってしまったんです。終身雇用で定年までそんなキャリアを歩ませることができないんです。
結果的にどうなっているかというと、そこから外れるケースが増えてきているということなんです。
サラリーマン時代でいうと、業績が良かった会社にいたころは、たしかに従来型のキャリアを追っていても良かったのかもしれませんが、そこから転じて、うっかり変な会社に入ると大きなピンチを味わうということがよくあります。僕の例はまさにそうです。
今でいうと、環境によって明暗が分かれていますが、雇用の崩壊によって、暗の環境が増えつつあるのではないかと思うわけなんです。
人生100年時代のキャリア
もうひとつ、人生100年時代でいうと、人々は100歳まで生きるということなので、一般的な企業よりも長生きするようになったわけなんです。
それ以上に、例えば65歳で退職しても、そこから寿命が長くなっていますので、30年も生きなくてはいけない時代になってきています。
定年まで安らかに生きていたとしても、そこから会社組織にずっと依存してきたキャリアから急に放り出されるわけなんです。
結果的に、どう過ごしていいのか、わからなくなるんです。年金もそのまま30年分問題なくもらえるかどうかわからないし、何か働くといっても、それまで会社に依存してきたのでどう手を打ったらいいかわからなくなります。
自分主体でキャリアをデザインしよう
2つの理由から徐々に従来型のキャリアを頼れなくなってきたわけで、それであれば、そもそも会社に依存しすぎずに、自分主体でキャリアをデザインしていこうという考え方が必要になってくるわけです。
それが、「自分のキャリアを人に預けてはいけない」という理由であると思います。
僕の場合は30代後半でひどい目にあって、自分のキャリアを自分で考えて行動して形成せざるを得なかったんです。
その時は大変だったんですけど、それはある意味ラッキーと言えます。
例えば、50・60歳で放り出されたら、なんとかなるかも知れないし、もっと苦労したかも知れないですよね。
いずれにしても、世の流れ的に、従来型のキャリアに一本足打法ではリスクは高まっていく傾向にあるので、今のうち、前向きにできる準備をしておくべきかなと思います。
まとめ
ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「自分のキャリアを人に預けてはいけない」をお届けしました。
タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。
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では、また。