なぜ直感のほうが上手くいくのか?

なぜ直感のほうが上手くいくのか?

みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。

こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!

今回のテーマは、なぜ直感のほうが上手くいくのか?です。

Voicy - 音声プラットフォーム
Voicyは、厳選されたコンテンツを"ながら聴き"できる音声の総合プラットフォームです。応募通過率5%の審査を経たパーソナリティの声を中心に、メディアによるニュースや企業の人柄までも伝わるオウンドメディアなど、あらゆる音声放送が楽しめます。

なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!

では、よろしくお願いいたします!

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なぜ直感のほうが上手くいくのか? – 「無意識の知性」が決めている

直観の学術的な書籍

今回は、書籍を紹介したいと思います。

書籍のタイトルは「なぜ直感のほうが上手くいくのか? – 「無意識の知性」が決めている」です。

https://amzn.to/3ElcJHr

OODAループでは、「直観を使い暗黙的に意思決定しなさい」「直観を磨く方法は鍛錬にある」とだけあって、「直観って実際何もので、どう身につけて、どう使うの?」ということがはてなマークでした。

「直観」についての書籍を探していたんですが、実務家さん寄りだとなんとでも言えてしまい、若干スピリチュアルよりのものが多かったので、学術的な書籍がないかと探していたところ、こんな本がありますよと教えてもらって購入しました。

著者経歴

著者の方は、ゲルト・ギーゲレンツァーさんです。

ドイツの心理学者、マックス・プランク人間発達研究所の適応行動・認知学センター所長でいらっしゃいます。

著書は他に『リスク・リテラシーが身につく統計的思考法―初歩からベイズ推定まで』といった本も出されています。

こちらの書籍ですが、1点注意がありまして、Amazonだと中古しか売ってなく、Kindle版もないです。各書店で取り寄せ等してもらう必要があります。

前半パート:無意識の知性

構成は、全部で352ページになっています。

前半パート1は、無意識の知性と題されています。

  • 1章 直感という近道
  • 2章 (ときには)少ないに越したことはない
  • 3章 直観はどう働くか?
  • 4章 進化した脳
  • 5章 複雑で不確実な環境に適応する
  • 6章 優れた直観は、なぜ論理にまさるのか

前半のパートでは直感(直観)とは何か、実際に存在するのか、その特性はどんなものか、役に立つのかという所を紹介しています。

直感と直観の違い

この本では、直感と直観を紹介しています。

  1. 直感(gut feeling): 一瞬で意識にのぼる判断

  2. 直観(intuition): 基になっている理由が自分でもよくわからない判断

この本では、両方とも無意識の知性として扱っています。

直感(直観)が生まれるメカニズム

これらの直感(直観)が生まれるメカニズムですが、2つの要素が必要とされています。

  1. 経験則
  2. 進化した知的能力

具体例として、野球選手がどうやってフライをとっているのか?を取り上げます。

野球選手は軌道を計算しているわけではなく、無意識的に経験則を使っています。

ボールに対して一定の注視覚を保ちながら走る速度を調節するという、注視ヒューリスティックという経験則があり、それが物体追跡という能力を用いて実現しています。

直感(直観)は効果的かは状況により変わる

直感(直観)は効果的かどうかは、状況によって変わります。

生まれた直感に頼るかどうかは意識にのぼった段階で選択できるので、どういう状況で直観が有効かどうかを知るのがよいと書いています。

たとえば、速度・精度相反性という性質があります。これは課題を速くこなすほど精度は低下すると言われていますが、これは初心者には当てはまるが、実は熟練者には当てはまらないといわれています。

たとえば、ゴルフのパッティングなど熟練者は余計なことを考えずにやったほうがうまくいきます。

別の例でいうと、情報が多すぎる場合、かつ不確実な未来を予測するときは、直感の方が良いとこの書籍では伝えています。

つまり多数の項目を評価・集計するよりも、いくつかにしぼって評価・集計したほうが正しい選択を行える可能性が高くなるいわれていました。

後半パート:直感を活かす

さて、後半7-11章までがパート2になっています。パート2のタイトルは、直感を活かすです。

  • 7章 知名度の効果と評価
  • 8章 もっともな理由ひとつだけでたくさん
  • 9章 医療では少ないに越したことはない
  • 10章 道徳的な行為と直観
  • 11章 社会本能

たとえば、知名度と再認ヒューリスティック、医療現場で最善選択ヒューリスティックをどう使うか、政治、法律、道徳など社会を例に直感を考えるパートになっています。

辞書式順序決定という意思決定方法

個人的に強く参考になったポイントが2つあります。

1つは、辞書式順序決定という意思決定方法です。

これは最善選択ヒューリスティックのメカニズムを意識的にしたものです。

順番に項目を判断していく素早い意思決定が可能で、医療での事例が挙げられていたが、複雑かつスピードが求められるすべての現場組織で有効に使えそうです。

模倣

もうひとつが、模倣です。

人は一日数十から数百の意思決定をしていますが、すべての意思決定を単独でするのは不自然です。

多くの意思決定は、模倣によって獲得しています。

この模倣が成功する環境の特徴が、3つあげられていました。

  • 安定した環境
  • フィードバックの欠如
  • 過ちが危険な結果に結びつくこと

これ、どこかで見たことがあるなと思ったんですが、変化できない古臭い組織はこれがよく当てはまっているのではないかと思っています。

感想

ということで、「なぜ直感のほうが上手くいくのか?」という書籍のご紹介をしました。

まとめの感想としては、直感(直観)は心理学ではさんざん悪者扱いされがちなヒューリスティックを、人間が無意識でうまく活用しているメカニズムであると説明しています。

使いどころとしては、不確実なときの未来予測など、環境によって論理思考よりも直観に従うほうが有効であり、迅速な意思決定ができるということを示されていました。

この書籍読みやすいかというとそうではなくて、言葉の定義とか要旨が読み取りづらいパートも多かったんですが、いろいろな視点で世の中に切れ込んでいる、通説に大きな一石を投じてる書籍だと感じました。

まとめ

ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「なぜ直感のほうが上手くいくのか?」をお届けしました。

タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。

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では、また。

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