みなさん、こんにちは!
タカハシ(@ntakahashi0505)です。
「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」は、ノンプログラマーがプログラミングをはじめとするITスキルを学び合うコミュニティです。
先日の定例会のテーマは「コミュニティづくり」。
2017/12の開始から約4年、順調にメンバー数も増加し、このたび160名を突破。かつ、継続的に熱量のある活動ができています。
どのようにして安心安全な場をつくり、継続的に活動し、成長するコミュニティを運営しているのか、「祝160名突破!安心安全で熱量の高いコミュニティをつくる秘訣」というタイトルでお伝えしました。
このシリーズでは、数回の記事にわけてそのレポートをしていきますよ。
まず、初回の今回ですが、「組織に『重ねて』学習するコミュニティをつくる意義とは?」というパートをお送りします。
ちなみに当日の様子は以下、Togetterのツイートまとめもご覧くださいませ。
では、行ってみましょう!
学習するコミュニティづくりの意義
「コミュニティづくり」。
読者のみなさんは、自分には関係ないかな~などと思われているかも知れませんが、ちょっとまってください。
今、ビジネスにおいてコミュニティは人を育て、組織を強くする上で、重要な武器になるかも知れません。
以下で、説明をしていきましょう。
組織には学習が必要である
みなさんの組織は「学習する組織」でしょうか?
学習する組織というのは、以下のような組織のことです。
メンバーの学習を促進し、継続的に変革し続ける組織
メンバーが学習するというだけではなく、組織が継続的に変革するという点がポイントです。
「変革」というワードでいうと、最近ブームとなっている「DX」に共通しますね。
以下の書籍、その名も「学習する組織」の中で、学習する組織とは何か、またそのつくり方について紹介されています。
本書は、なぜ組織が「学習する組織」になる必要があるか、以下のように述べています。
- 不確実性が高く、変化の予測の難しい社会が到来している
- 変化を予測できないのであれば、変化にいかに俊敏に適応できるかを磨くしかない
つまり、変化に対応するため組織を柔軟に変革しつづける必要があり、そのためには継続的な学びが必要ということになります。
私の観測範囲では、これができている組織は多くないように見えますが、いかがでしょうか。
みなさんの組織は「学習する組織」でしょうか?
組織を変容するのは難しい
さて、残念ながら所属する組織が「学習する組織」でなかった場合、どのように学習する組織に変容していきばいいでしょうか。
たとえば、あるチームを「学習する組織」にしようとしたときを想像してみましょう。
- やらされ感を強く感じてしまい、学習に身が入らない
- やる気がある人とない人がいて、やる気がない人に引っ張られて形骸化する
- 業務と学習を天秤にかけ、業務が優先されてしまい、学習が後回しになる
- 自らが未熟だと思われたくないメンバーが頑なに防衛的な行動をとる
このようなことが想像されます。
なぜうまくいかないかというと、これまでチームの営みは「学習をしない状態」でバランスが取れており、多少の力を加えたとしても、元に戻る力が働くからです。
そのバランスを崩せるポイント(レバレッジポイント)を見つけて対策をする必要があります。
しかし、そのためには組織のルール、しくみ、慣習や、個々の行動、考え方などを変える必要があり、かなりの労力と時間を要します。
これが、組織の変革を難しくしている理由です。
別の学習する組織としてコミュニティをつくる
そこで、視点を変える必要が出てきます。
既存の「公式の」組織を変容するのが難しいのであれば、「非公式の」新たな組織をいちからつくるというのはどうでしょうか?
その役割を果たすのが、コミュニティです。
以下「コミュニティ・オブ・プラクティス」という書籍では、既存の公式の階層型組織に重ねるように、学習する組織として非公式のコミュニティをつくるという手法をすすめています。
つまり、以下のような組織図になります。
これにより、以下のようなメリットを得ることができ、学習する組織の構築の現実味がぐっと高まります。
- 組織構造・しくみ・ルールを変更する必要がない
- いちから小さくはじめ、目的に沿った学習する組織を形成できる
- やる気のある(ビジョンとエネルギーのある)メンバーだけで構成することができる
コミュニティといっても、ノンプロ研のように月額課金制のビジネスとして成立するような方向性でなくてもよくて、実は、ちまたには多くのコミュニティが存在しています。
たとえば、みなさんの所属する組織には、以下のような活動があるのではないでしょうか。
- 社内勉強会
- サークル
- クラブ
- 部活
何かの目的があって、人が集まり合って活動をしているのであれば、それはコミュニティです。
これらのコミュニティを知識を想像し保管する場として活用しよう、そしてそれを組織の競争優位性につなげよう、というのが本書の提案するところであり、これは多くの日本組織にとって現実味があるものと思います。
まとめ
以上、組織に『重ねて』学習するコミュニティをつくる意義とは?についてお伝えしました。
学習する組織である理由はわかるものの、その道のりは困難です。
そのひとつの解として、コミュニティがあります。
本シリーズを通して、そのヒントをお渡しできればと思いますので、ぜひお付き合いください。
次回は、ノンプロ研の歩みについて振り返っていきたいと思います。
どうぞお楽しみに!