言葉には感情が宿るし目的化の力が働く

言葉には感情が宿るし目的化の力が働く

みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。

こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!

今回のテーマは、言葉には感情が宿るし目的化の力が働くです。

#558 言葉には感情が宿るし目的化の力が働く | タカハシノリアキ「『働く』の価値を上げるスキルアップラジオ」/ Voicy - 音声プラットフォーム
LiveMyLife自分らしく働くための39のヒント→デジタルリスキリング入門――時代を超えて学び続けるための戦略と実践→

なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!

では、よろしくお願いいたします!

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今年の学びをテーマにBTゲスト大会が行われた

先日、12月11日なんですけれども、とあるイベントをオンラインで開催させていただきました。

どういったイベントかというと、僕が主宰をしてますコミュニティ、ノンプロ研のイベントでBTゲスト大会と呼ばれるものです。

BTというのはビアトーク(Beer Talk)と言いまして、お酒を飲みながらプレゼン大会をするというものです。

年末ということもありまして、忘年会を兼ねてこのビアトーク大会、ノンプロ研ではたくさん行われているんですけれども、12月11日のゲスト大会では、その名の通り今年お世話になったゲストの方々をお呼びしてプレゼンをしていただこうといった企画だったんです。

このスキルアップラジオでもおなじみの高橋やすふみさんとか幸川莉子さんとか、豪華ゲストの皆さんお越しいただきまして、「今年の学び」をテーマにお話をいただきました。

キャリアの専門家なのにキャリアという言葉を使わない執筆依頼

ゲストの中には、今年ノンプロ研でもそうですし、このスキルアップラジオでもそうですし、大変お世話になっている株式会社Warisの田中美和さんもいらっしゃったんです。

その皆さんの今年の学びという話で、とても興味深い話がありましたので紹介したいなと思ってます。

美和さんは今年の10月に書籍を出されました。

「自分らしく働くための39のヒント」というもので、今の仕事について不安だなとか、自分の将来見えないな、そんな方のために自分らしい働き方、こうしたらできるようになりますよっていうことを、美和さんならではの優しい口調で背中を押してくれる素敵な書籍なんです。

とてもおすすめなので皆さんぜひ読んでいただきたいなと思うんですけれども、こちらの書籍について出版社さんからあるお願いをされたそうなんですね。

どんなお願いかというと「キャリア」という言葉を使わずに本を書いてほしいというものでした。

美和さんからすると、キャリアというのを専門にされてるわけで、キャリアの本を書くと思っていたので、とても驚かれたそうなんです。

キャリアという言葉に引け目を感じる人が少なくない

ただし、編集さんによると、そのキャリアっていう言葉について、引け目を感じてしまったりとか、抵抗感を感じてしまったりとか、そういった方が少なくない、そういう話だったんです。

確かにキャリアばりばりでつよつよな人だったら、キャリアという言葉に対してポジティブな印象を持ってるかもしれないんですけれども、この本の読者の対象となっていそうな、キャリアに対してむしろ不安を持っているとか、うまくいってないと感じている、こういった人からすると、キャリアという言葉に対して、ネガティブな印象を持ってしまう、それは確かにあるかもしれないなという風に感じたんです。

そもそもキャリアという言葉には、仕事や仕事以外の過去現在未来、この歩みをつなげたものといった意味しかなくて、言葉自体にポジティブとかネガティブとかそういったニュアンスが込められているわけではないです。

ただその言葉には、人それぞれ想起させる印象があって、その印象から次に感情が生まれてしまう、それは自然に湧き出てくるものなので、他者からうまくコントロールできるものではないです。

なので、編集さんとしては、その言葉をなるべく使わないと、そういった方法を取ることによって、引け目とか抵抗感を持つことなく、書籍を手に取ってほしいという風に思われたということなんです。

なるほどなっていう風に思ったんです。

リスキリングという言葉もいろんな印象を与える言葉

僕で言うと、今年は「デジタルリスキリング入門」っていう書籍を書いたんですけども、確かにリスキリングって言葉に関しても、人それぞれ、いろんな印象感情を抱いてしまうっていうのはあるかなと思うんです。

僕なんかで言うと、新しいスキルを獲得していって、自分の可能性を広げていくポジティブな印象を持っているんですけども、人によってはそうではないと、日本語でいうと「学び直し」なんて言い換えられることもあって、例えば今まで積み重ねてきたものが意味がないって言われちゃってる、そんな感じを持ったりとか、もしくはとてもハードルが高くてめんどくさいもの、こういう印象を持ってる方もいるんじゃないかなって思うんです。

じゃあこのリスキリングっていう言葉を使わずに、デジタルリスキリング入門を書いていたとしたら、どんなタイトルにしたかなあと思うんですけど、皆さんだったらどんなタイトルをつけますか?

たとえば、「いきいきと学び働く!初めてのデジ活入門」とか、そんな感じだったらもうちょっとハードルが低く感じるかもしれないですよね。

皆さんどう思われますでしょうか。

言葉が生み出されると目的化しようとする力が働く

さて、もう一つ気づきがあったんです。

どういったことかというと、言葉が生み出されると、そこを目的化しようみたいな力が働くっていうことを気がついたんです。

例えばキャリアって言葉で言うと、良いキャリアを積み上げよう、こういう風に目標を掲げて活動ができるようになるわけです。

そのために本を読んで勉強してみたりとか、資格試験を取ってみたりとか、そういった行動を起こすことができます。

ただ、そこで気をつけなきゃいけないのは、何で良いキャリアを積み上げる必要があるのか、それを忘れてしまう時があるって事です。

良いキャリアを積み上げることによって何が実現されるんだっけ、まあそういったことを忘れたまま、ただ本読んで勉強したりとか、資格試験取ってみたりとか、それが目的化してしまうっていうそういった現象が起きやすいんじゃないかなっていうことです。

DXという言葉も一人歩きしてしまっている

もっと分かりやすい例で言うと、DXっていう言葉がありますよね。

デジタルトランスフォーメーションの略なんですけれども、この言葉なんか特に言葉でなかなか説明できない方が多いので、この言葉だけ一人歩きするっていうことが大いに起きていたなっていう風に感じるんです。

少なくない経営者が、うちもDXやろうみたいなそんな号令をかけたんじゃないかなって思うんですけども、現場からするとDXってそもそも何すればいいんだっけとか、何のためにやるんだっけ、みたいなところをわからないまま迷走して、いつの間にかモヤモヤと消えていったみたいなことは結構あるんじゃないかなって思うんです。

そもそもDXっていう言葉なんですけども、これも言葉が生まれたからこそ、ここをゴールにしよう、みたいな目的化現象が起きてしまってるんじゃないかなと思うんですけども、例えばDXという言葉がなかったとしたら、皆さんどういう活動を取るかって話です。

ある会社には顧客がいますよね、で、顧客に対してより良いものをよりよく届けたい、そういう風に考えているとします。

では今現在、その活動が120%満足できるものなのかどうかってことを考えるわけです。

そういった時に、もう100点ですって言える、そういった会社はそんな多くないんじゃないかなって思います。

じゃあその100点取れていないのだとしたら、どこに課題があって、その課題をどう解決するのかで、その解決方法がもし編み出されたのであれば、それを実行するってことをするわけです。

その時に、今の時代で言うと、その課題を解決するための一つの手段として大きな力を発揮しそうなものがデジタル技術だってことになるわけです。

DXは課題を解決するための手段

例えば簡単な例で言うと、お客さんからご注文内容について問い合わせがありましたと、そのデータが紙資料だったらどうしますか?

電話受けたところで、紙資料をバラバラバラバラ探して、お客さんめちゃめちゃ待たせますよね。

もしPCをパパッと叩いてすぐに検索できる、そういったデジタルデータであれば、そのお問い合わせにすぐに対応できるわけです。

さらにもっと進んで、まあそういった問い合わせの一次対応をAIができるようにしたらどうかって話です。

そしたら人間と違って24時間365日いつでも対応ができるようになるということです。

なので本来であればDXは課題を解決するための手段なんですけれども、DXが目的化していると、その先にある課題っていうのがなんか見えなくなっちゃうとか、そもそも見えてないっていうのがあるんじゃないかなって思います。

言葉が生まれるっていうのは、その事象とか概念を説明するのにとても便利なことなんですけれども、ただその言葉の裏側には、人それぞれ印象というものがあって、そしてその印象から感情を引き出されるみたいなところがある、さらに言葉が生まれることによってそこが目的化しやすくなる、逆に言うと、その先に本当にある目的を見づらくしてしまうそういったこともあるんじゃないかなということです。

言葉の使い方、本当に深いなっていうふうに思います。

まとめ

ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「言葉には感情が宿るし目的化の力が働く」をお届けしました。

新しい言葉が生み出されることによって、もちろんいいこともあるんですけども、気をつけなくてはいけないことがある、そういったお話をさせていただきました。

じゃあ、この言葉の使い方をどうやって身につけるか・知るかって話なんですけども、やはりそれは、いろんな人の話を聞いていくことなのかなっていうふうに思うんです。

その人が求めていることは何なのか、大事にすることは何で、どんな風に感じているのか、それに合わせて言葉を使っていくことが大事なのかなって思います。

タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。

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では、また。

タカハシノリアキ「『働く』の価値を上げるスキルアップラジオ」/ Voicy - 音声プラットフォーム
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