みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。
こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!
今回のテーマは、ChatGPTを提供するOpenAIがアジア初の拠点を東京に設立です。
なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!
では、よろしくお願いいたします!
ニュースの紹介:日本法人「OpenAI Japan」の設立
さて今日は、ニュースを紹介したいと思っています。
ChatGPTで有名なOpenAIが、日本法人「OpenAI Japan」を設立したというニュースになります。
生成AIに関して言うと、本件含めて日本はかなりホットな地域になりつつあるんじゃないかなということで、とてもワクワクしていまして、それについてみなさんにもぜひ知っていただきたいなと思っています。
ではいってみましょう。
OpenAIの「アジア初の拠点」は東京
みなさんご存知、ChatGPTなどを展開しているアメリカの企業「OpenAI」が、4月15日に東京オフィスの開設を正式発表しました。
「日本法人OpenAI Japan」の設立になりますね。
OpenAIの拠点で言うと、サンフランシスコ、ロンドン、ダブリンに次ぐ世界で4番目の拠点で、アジアで言うと初の拠点になるそうです。
CEO サム・アルトマン氏「拠点として東京は自然な選択」
OpenAIのCEOを務めるサム・アルトマン氏は、ビデオメッセージでこのように伝えています。
東京は技術とイノベーションのリーダーシップを持っているという点で、拠点としては自然な選択だった。
日本の政府、企業、研究機関との長期的なパートナーシップを築く最初のステップになることを願う。
元々、この日本オフィスに関しては、2023年の4月にサム・アルトマン氏が来日して岸田首相と面会し、そこで「東京に拠点を構える」ということを伝えていたのです。
それが今回実現したという形になります。
COO ブラッド・ライトキャップ氏「テクノロジーがもたらす可能性」
記者会見には、アルトマン氏の右腕と呼ばれるCOOブラッド・ライトキャップ氏が登壇して、このように語りました。
日本は私たちにとって重要な市場です。
実際、日本では1週間あたり200万人以上のアクティブユーザーがおり、毎日ChatGPTを利用しています。
消費者だけでなく、企業、政府、クリエイター、議員などのみなさんにテクノロジーがもたらす可能性を示したい。
長崎さんが大企業との取り組みを進めるチームを作っていきます。
AWS Japanの元代表、長崎氏の起用
ここで「長崎さん」と呼ばれていらっしゃるのが、今回日本法人の代表に就かれた長崎忠雄氏になります。
長崎氏はこの2月までアマゾン ウェブ サービス ジャパン、通称AWS Japanの代表執行役員社長を務めていらっしゃったのです。
AWSというのは、アマゾンが提供している世界トップシェアを誇るクラウドサービスです。
長崎氏はその日本法人の代表をずっと勤めていらっしゃって、日本における「クラウド普及の立役者の1人」としても知られる人物なのです。
そして、その方が今回「生成AIのトッププレイヤー」と言ってもいい、OpenAIの日本法人の代表を今回努められることになったということで、生成AIがこれから日本で一気に普及していく、そんな期待感もある人選だなと思います。
会見から感じる「法人営業への意気込み」
さて会見では、長崎氏は、このようにおっしゃられていました。
基本的には、営業や技術部隊をおきます。
日本の企業には、OpenAIを正確に理解してくれている顧客がほとんどいません。
大企業向けには、ChatGPT Enterpriseのようなラインナップもあります。
また、グローバル・アフェアーズ、つまり渉外の部隊もおきます。
年内に10数名の規模になる予定です。
日本企業の中にOpenAIを理解してくれている顧客がいないというところは、ものすごく率直な発言だなと思います。
まず法人営業のところ、しっかり「日本法人で進めていく」という意思が感じられます。
日本オフィス設立に時間がかかった理由
そもそも、サム・アルトマン氏が首相と面談し、「オフィス、日本に作ります」と言ってから、ちょっと時間がかかってしまったわけです。
その理由としては、「日本の企業が何を必要としているのか、しっかりと理解したかった」と、そして「そこをサポートする準備が整うための時間が欲しかった。」
さらに、「そのための優れたチームを作る必要があって、日本法人の代表を務める長崎氏を見つけるのに時間がかかった」というように言われているのです。
企業向けのプランの営業を強化
ChatGPTのプランで言うと、個人用無料版のフリーと有料版のプラス、それからチーム向けのChatGPT Team、さらに大企業での利用を想定したChatGPT Enterprise、こういったプランが用意されています。
企業向けで言うとTeamやEnterpriseになるのですが、こちら、AIの応答速度が速く、かつ入力した内容はAIの学習に使われない設定になっています。
さらに、利用者の権限管理やセキュリティ機能など、大人数で使われることを想定した機能が追加されているわけです。
実際、大企業向けのエンタープライズで言うと、すでにダイキンや楽天などで導入されているそうなのですが、ここを「どんどん拡大していきたい」というところがある、ということです。
日本への積極的な投資活動
もう1つ、OpenAIが日本法人設立で注力したいのが、日本政府への渉外、つまり「ロビイング」です。
世界各国でAIの規制についての議論が進んでいく中、積極的に日本の政策の議論にもOpenAIとして参加していきたい、そういったところがあるということなのです。
今回合わせて来日したOpenAIの渉外担当副社長、アナ・マカンジュ氏は、このようにおっしゃられていました。
日本政府は、2023年の広島サミットで制定されたG7「広島AIプロセス」を主導し、ホワイトハウスや世界中で議論されているAIのルールの国際化を進めています。
東京には、AIの研究開発に前向きで協力的な環境があります。
だから拠点を持つ意味があるのです。
市場からの日本への注目度
実際、OpenAIと同様に、生成AIに関して日本に投資しようという動きが活発になっているのです。
ビッグテックによる日本への投資が加熱
先日、4月10日ですが、Microsoftは今後2年間で29億ドル、約4400億円を投資すると発表しています。
その投資の内訳なのですが、データセンターとGPUの整備、それから研究拠点の設置、さらに、いわゆるリスキリング、AIを活用できる技術者の育成や研修プログラムの実施などが含まれていると言われています。
また、先ほど紹介しましたAWS、アマゾン ウェブ サービスも、2027年まで5年間で日本事業に149億ドル、2兆2000億円余りを投資する計画だという風に伝えています。
Googleもすでに千葉県にデータセンターを開設するなど、かなり日本への投資が加熱している現状がうかがえます。
日本としてはAI活用を推進するチャンス
日本で言うと、政府も協力的で規制も緩い状況、さらに円安もあって、投資が割安なのです。
さらに、人口に対する生成AIの利用率が高い、そういった状況もあって、各テック企業がかなり日本市場に注目したい。そういった状況になっているということなのです。
日本としては、この状況は、デジタル赤字が膨らむというデメリットはありつつも、彼らの投資と知見、これをうまく吸い取って、国としてAI活用を推進していく、そういったチャンスでもあるかなと思います。
この流れに乗って、ぜひAI活用が当たり前になる、そんな職場が増えてくれたらいいなと思います。
「GPT4の日本語特化モデル」を企業向けに展開
さて、もう1つ朗報があるのですが、今回、OpenAIの日本法人の設立に合わせて、GPT4の日本語特化モデルが発表されました。
「GPT-4 Customized for Japanese」という名称になっています。
これは、「日本語の処理速度がGPT-4 Turboに対して、3倍に向上している」という風に言われています。
そして、今後数カ月以内に企業向けに展開されるそうです。
今でも活用できる領域はたくさんあるわけですが、より日本語の精度が上がることによって、より信頼して使えるようになりますし、使える領域もぐっと広がるんじゃないかなと思います。
今後、OpenAIをはじめ、他のビッグテックもそうなのですが、日本での生成AIの動き、引き続き注目していきたいと思います。
生成AIを取り巻く日本への期待
ChatGPTなどを展開するOpenAIが「OpenAI Japan、アジア初の東京オフィスの開設を発表した」、このようなニュースを紹介させていただきました。
日本企業によるAI開発もがんばってほしいなって気持ちはあるのですが、一方で、世界最高峰の技術を持つ各社が、日本に注目しているというのはすごくいい状況なのかなという風に思っています。
ぜひみなさんが便利に、そして上手に生成AIを使えるようになっていくといいんじゃないかなと思っています。
スキルアップラジオの方でも、どんどんみなさんに使い方とか、コツなどをお伝えしていきますので、ぜひ触ってみていただければと思います。
まとめ
ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「ChatGPTを提供するOpenAIがアジア初の拠点を東京に設立」をお届けしました。
タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。
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では、また。