みなさん、こんにちは! タカハシ(@ntakahashi0505)です。
コミュニティが自走する理想的な状態「コミュニティ3.0」。しかし、それを維持するには課題もついて回ります。
この記事では、ノンプロ研が直面した問題と、それに対するこの一年の試行錯誤の答え合わせについてお伝えします。
ということで、今回は「コミュニティ3.0問題に対するいくつかの対策の答え合わせ」です。
では、行ってみましょう!
コミュニティの進化と「コミュニティ3.0」
コミュニティの進化を語るとき、Webの発展をなぞらえると分かりやすいと思っており、ちょっと説明しますね。
コミュニティ1.0
インターネット初期は、情報の提供者は限られた人のみのものであり、ほとんどのユーザーにとっては「Read Only」の状態でした。これがWeb1.0です。
一方で、コミュニティ「ノンプロ研」ですが、スタート時は僕がすべてを企画し、コンテンツを提供し、メンバーはそれを受け取るカタチでした。これを「コミュニティ1.0」と呼んでいます。
コミュニティ2.0
しかし、すぐにその状況は変わっていきます。メンバーが主体的に動き始め、どんどん提供側に回ってくださるようになります。LTで登壇し、講座で講師やTAを担当し、イベントを企画するようになり、部活動を運営するようになります。主客融合、N対Nの関係性、自走するとても良い状態といえます。
これはインターネットでいうと、ブログやSNSが登場し、「Read and Write」の状態、つまり誰もが情報を発信できるようになったWeb2.0になぞらえて「コミュニティ2.0」といえるでしょう。
コミュニティ3.0
しかし、コミュニティ2.0が先に進むことで、別の状態に遷移したように見えます。
というのも、あまりにもたくさんの活動があちこちで行われるようになることで、それぞれのメンバーの活動が、それぞれの領域に分散化していきました。主宰である僕も、全体に顔を出すことはできず、全体を見きれなくなってきました。
web3は「Read, Write and Own」とたとえられますが、コンテンツの権利をユーザーが保有するようになるという権力の流れをもって語られます。
ノンプロ研も、メンバーがそれぞれの領域で分散して決定権や運営権を持つようになった、この状態を僕は「コミュニティ3.0」と呼ぶようにしました。
「コミュニティ3.0」の課題
コミュニティ3.0は一見すると、究極の理想形に思えますが、分散化が進むことで新たな課題も生まれてきました。
大きく以下2つのポイントです。
1. 分散化に伴う交流の減少
コミュニティの分散化が進むと、特定のグループ内での活動に限定され、他のメンバーと交流する機会が減少します。
例えば、ある部活イベントや朝モク(朝の作業会)だけに参加するようになる。
すると、他のイベントに参加しなくなり、新しいつながりや出会い、またそれによる創造が生まれにくくなります。
2. 情報の散乱
活動が多岐にわたり、情報が分散してしまうため、新しいメンバーや久しぶりに参加するメンバーは混乱しがちです。主宰者である僕でさえ、全体像をつかむのが難しい状況なのに…。
その結果、講座を受けただけで活動を終えてしまう…というようなことになりやすい状態になってしまいました。
コミュニティ3.0で生まれた課題に対する対策
これらの課題に対処するため、今年いくつかの取り組みを行いました。
交流の場を増やす
これまで月1で開催していた僕企画のイベント枠として「定例会」というのがありました。
みんなの共通のニーズに応えたいと思って企画していたのですが、その分散化によって、年々参加者が減っている状況でした。
2024年はこの定例会の枠を、交流型イベントの場にしようとあれこれ試しました。具体的には、以下のようなワークショップやイベントを開催しました。
- ノンプロ研とわたしワークショップ
- イベントづくりワークショップ
- 部活動つくりワークショップ
- 他己紹介
- ブックシェア&トーク
- オープンダイアローグ
ただ、結論としては狙い通りにはいきませんでした。
そもそも、いずれも参加者が10名程度と少なく、いつも来てくださるメンバーばかりだったので、新たな交流という目的は果たされなかった印象です。
重層型コミュニティの構築
そうこうしている間に、松本雄一先生の著書「学びのコミュニティづくり」にヒントを見つけました。
それは「重層型コミュニティ」といいまして、熟達型の小さなコミュニティ群と、交流型の大きなコミュニティを重ね合わせるようなコミュニティを目指すというものです。
熟達型コミュニティは、共通のスキルや興味を持つメンバーが集まり、深い議論や学びを共有する場です。ノンプロ研でいうと、コミュニティ3.0の流れで、この熟達型コミュニティがどんどんできていく、そのような力が働いているともいえます。
一方で、交流型コミュニティは、メンバー全体がつながるための広い場です。運営として、こちらの交流型コミュニティのほうに意図的にエネルギーを傾けるのはありと感じました。
そこで、毎年年末恒例のBT大会(BeerTalk=飲みながらのプレゼンをするイベント)は、なるべくたくさんのメンバーが集まれるような、大きな交流型を目指しました。
東京をはじめ、オフラインのBT大会では、良い成果が出たように思います。一方で、オンラインでのBT大会は、スケジュール調整がうまくいかず、小さな3つのイベントに分かれてしまいました。
反省点としては、スケジュール調整開始が遅かったことが挙げられます。また、オンラインのイベントはどうしてもプライオリティが下がってしまうという傾向はあるように思いますので、その点も改善の余地はあるように思いました。
ノンプロ研活用1on1の導入
情報の散乱の課題の対策として、2024年は「ノンプロ研活用1on1」を開始しました。
新たに入会したメンバー、希望する既存メンバーに対して、ノンプロ研の活用法についてヒアリングしながらアクションを提案する30分の1on1を提供するというものです。
この取り組みでは、既存メンバー15名、新規メンバー49名と個別に対話を行いました。
これは、かなりうまくいっているように思います。イベントの参加など、少なくとも2~3のアクションを提案しており、ほとんどの場合は何らかのアクションを起こしてくださっています。
アクションを起こすと、そこにはノンプロ研の仲間がいますので、そこで世界が広がり、つながりができ、次の情報を得ることができます。
メルマガの活用
情報発信の仕組みとして、メルマガも試しました。Slackの情報量が半端ないので、絞り込んだものをメールにてお送りするというものです
前述の1on1のお知らせはとても効果的だったように思います。
一方で、イベントや講座の情報は、効果が薄かったように思います。個別のオンラインイベントへの参加は、テキストで知らせるだけではなかなかプライオリティが上がらないようです。
まとめ
以上、「コミュニティ3.0問題に対するいくつかの対策の答え合わせ」についてお伝えしました。
すべてうまくいっているというわけではありませんが、いくつかの突破口は見えてきました。
良い状態のコミュニティ3.0を目指して、あれこれ試していきたいと思います。
引き続き、みなさんがいきいきと学び・働くためのヒントをお届けしていきます。次回をお楽しみに!
この話を耳から聴きたい方はこちらからどうぞ!