
みなさん、こんにちは! タカハシ(@ntakahashi0505)です。
Voicy「スキルアップラジオ」で毎週金曜日にお送りしている「週刊Work&Techニュース」ではAIを活用して準備をしています。
今回はそのプロセスをつくりあげるまでの舞台裏を、紆余曲折の足跡とともに紹介します。
ということで、今回は「AI活用でニュース台本はどう作る?試行錯誤から見えた快適プロセス」です。
では、行ってみましょう!
「週刊Work&Techニュース」の台本作成、AI活用のステップ
「週刊Work&Techニュース」は、1週間分の働く・テック(IT)に関する主なニュースを5本ピックアップし、ちょっと詳しく解説するシリーズ。このニュースを通じて、皆さんが時流をつかむお手伝いができればと思っています。
その台本作成ですが、具体的にどんなステップで進めているのかというと、大きく分けると、以下の2つのステップになります。
- ニュースのピックアップ:
- 最近1週間のテックとワークに関するニュースを収集します。
- ピックアップしたニュースの台本作成:
- ニュース本文(30秒程度)と、僕の解説(1分程度)からなる台本を作成します。
このそれぞれのステップで、AIをいかにして活用するのか試行錯誤してきたという話です。
ニュース収集、AI活用の壁
最初のステップ、ニュースのピックアップです。
通常、AIは一定時期より前のデータしか学習していませんので、最近1週間のニュースはそもそも出力できません。
では、どうするかというと、「ブラウジング」の機能を使えるAIサービス、AIモデルを選択する必要があります。
それでいうと、この実験当時の選択肢は以下3つでした。
- Perplexity
- ChatGPT 4o
- Gemini 1.5 Pro
まず、「今週の『週刊Work&Techニュース』の台本を作成してください」といったプロンプトを与えて、ニュースの選定を試みます。
ターゲットは非IT職のビジネスパーソンで、ニュースは5本、2025年1月3日から過去1週間以内の報道記事から選定する、といった詳細な条件も付けました。
しかし、これがなかなかうまくいかない…。
色々試したのですが、生成AIはニュースの収集があまり得意ではないようで、直近1週間ではない古い記事を持ってきたり、個人ブログから引っ張ってきたり、ニュースを捏造したり…なかなか思うようにいきませんでした。
結局、NewsPicksのプロピッカーをしていて、そもそもやっているということもあり、ここはいったん自分でピックアップすることにしました…悲
プログラミングでChatGPTやGeminiのAPIを使ってニュースを集めるという方法もあるので、必要に応じて検討します。
台本作成、AIはどこまでできる?
次に、ピックアップしたニュース記事の台本作成に挑戦しました。
URLを5本AIに渡して、本文と解説を生成するように指示すると、以下のような結果でした。
- Gemini 1.5 Pro: 1本ずつなら台本を作成してくれるのですが、複数まとめて指示すると、2本目以降を捏造してしまうことがありました。
- ChatGPT 4o: こちらも記事を捏造してしまう傾向がありました。
- Perplexity: 5本まとめて台本を作成してくれることもありましたが、安定せず、記事が捏造されることもありました。
いまいち安定しない…そこで、試しに記事タイトルを渡すと、URLを渡すよりも比較的うまくいくことが分かりました。
ChatGPT 4oやGemini 1.5 Proでも、記事を1本ずつ処理すれば、台本を作成できました。
さらなる改善へ、GPTs、Gemsの活用
より効率的な台本作成を目指して、指示として与えるプロンプトを磨き上げていきます。そうすると、GPTsやGemsといったカスタムAIがつくれれば便利です。
まず、GPTsを使って、「Work&Techニュースジェネレーター」というカスタムAIを作ってみました。
しかし、出力の構成が指示と違ったり、GPT編集時にエラーが連発したり…と、スムーズにはいきませんでした。また、GPTのチャット履歴をプロジェクトに移動したり、まとめて管理したりできない、という課題もありました。
次に、Gemsを使って、同様のカスタムAIを作成しました。
こちらでは、「忙しいあなたに朗報です!」といった余計な文章が入ってきたり、政治や選挙のニュースを処理できなかったり、「本文は改変せずにそのまま」と指示しているのに、どうしても改変してしまったり…といった問題が発生。
いずれも、うまくいかない…。
Perplexityの活用で光明
試行錯誤を続ける中で、「そういえば、Perplexityで記事タイトルを狙い撃ちしてニュースを持ってきてもらう方法を試していないな…」と気づきました。
早速試してみたところ…これがうまくいきました!
Perplexityには「スペース」という、ChatGPTの「プロジェクト」のような機能があります。そこで、台本の構成や細かい指示を「手順」という欄に設定可能です。これも便利。
5本まとめての指示は安定しませんでしたが、2本ずつであれば安定して台本を作成できることもわかりました。
この方法だと、台本作成時間はわずか5分ほど…!
とはいえ、課題も残っています。事実性の確認、裏取り調査はする必要がありますので、そこで時間がかかり過ぎたら意味がありません。
それでいうと、普段からニュースをちゃんと読んで、NewsPicksなどでアウトプットしておくことが重要だと感じました。
まとめ
以上、「AI活用でニュース台本はどう作る?試行錯誤から見えた快適プロセス」についてお伝えしました。
このように、紆余曲折ありながら今の運用に落ち着きました。1つのAIサービスだけではなく、色々と試してみる必要があると感じました。
引き続き、みなさんがいきいきと学び・働くためのヒントをお届けしていきます。次回をお楽しみに!
この話を耳から聴きたい方はこちらからどうぞ!