読書会にあふれる社会を目指すための『読書会入門』

読書会にあふれる社会を目指すための『読書会入門』

みなさん、こんにちは! タカハシ(@ntakahashi0505)です。

読書会」に参加したことはありますか?

深い学びが得られる、積読を減らせる、そして何より楽しくて居心地がよい…そんな体験が待っています。

今回は、そもそも読書会って何なの?そしてどういうものなの?という読書会入門者に書籍『読書会入門』を紹介します。

ということで「読書会にあふれる社会を目指すための『読書会入門』」。

では、行ってみましょう!

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なぜ『読書会入門』を手に取ったのか

読書会はどんなコミュニティでも開催できる魅力的なイベント

コミュニティ「ノンプロ研」はIT系コミュニティですが、実は読書系のイベントが多数あり、盛り上がっています。また、flier book laboはまさに読書コミュニティですよね。

いずれも、参加したみなさんの満足度がめちゃくちゃ高いというのが共通で、僕自身もまさにそう感じています。

なんでしょう、人と人とのコミュニケーションそして対話を楽しむ媒体として「本」は素晴らしいアイテムなんですよね。

ですから、どんなコミュニティでも読書会はイベントとしてとても魅力です。会社でも、学校でも、仲間うちでも、開催できちゃう。

しかし、そもそも読書会に参加したことない人は、「そもそも読書会ってどういうもの?」「どうすれば開催できるの?」となりますよね。

そんなとき目に入ったのがこの『読書会入門』です。

『読書会入門』と「猫町倶楽部」

『読書会入門』は「猫町倶楽部」という日本最大級の読書会を立ち上げられた山本多津也さんによる読書会の入門書。

猫町倶楽部」はなんと、全国5都市で、年間200回の読書会を開催し、年間の参加人数は9000人だそうです。

そこまで巨大な読書会にしなくてはいいものの、成功している読書会のひとつのスタイルや理念を学ぶのは大きな意義があります。

『読書会入門』の構成

では、『読書会入門』の構成を眺めていきましょう。

第1章 読書会が人生を変えた

1章では、「猫町倶楽部」がどうやってはじまったのか、そして拡大していったのかについて書かれています。

スタートの発想はこうです。

書籍は1000円程度と値段が安い、しかしその著者が登壇するセミナーは高額になってしまいます。

本来、本から学べればよいのになぜできないのか?

そう考えたときに、本からの学びを着実に実行し、継続するために、仲間同士のアウトプットをする勉強会をすればいいのではないかと思いつきました。

こうしてはじまったのが「猫町倶楽部」の前身である「アウトプット勉強会」でした。

それが、2006年のこと。

その勉強会が良いと口コミで広がり、運営しているmixiコミュニティは、2年で1000人に到達しました。

拡大するとともに、課題図書もビジネス向け書籍だけでなく、文学や哲学など他のジャンルへ広がりました。

さらに、読書会以外の美術鑑賞・山登り・キャンプといった活動も、課外活動としてみなさんが楽しむようになりました。

本来の目的からどんどん広がっていくようすは、「ノンプロ研」も同じようなところがありますね。

2章 読書会とは何か

読書会は大きく分けて2つのタイプがあります。

課題本型と紹介型です。

紹介型は登壇者が推しの書籍を発表するプレゼン形式、1対Nの情報の流れの時間帯が多くなりがちです。

山本さんは、N対Nでのコミュニケーションの量を増やしたかったので、全員が課題図書を先に読了してくる、課題本型を選択したそうです。

実際の読書会は、まず6-8名グループに分かれ、ファシリテーターを一人決めます。

自己紹介をした後、課題図書について1人ずつ気になった箇所、面白かった箇所を自由に話してもらい、掘り下げていくというもの。時間としては、1.5-2時間だそうです。

読書会の後に、1-1.5時間程度の懇親会も開催します。

3章 読書会の効果

読書会の効果、ここはとても共感するパートでした。

最大の魅力は、本を様々な角度から立体的に読めるということです。参加者によって、目をつけるポイント、感じ方が異なります。

また、いろいろな意見がありますので、「白黒つけずにいられる力」が身につくのも大きなメリット。

我々は、すぐに答えを出すことを求められてきましたが、世の中の多くは答えなどなかったりします。

読書会には、白黒つけなくていいんだよと安心できる場としての価値があります。

4章 読書は遊べる

「猫町倶楽部」では、読書会をつかって本気で大人が遊ぼう、そういった取り組みをしています。

たとえば、ある回では「ピンクのものを身につける」といったドレスコードを設けたり、「猫町ナイト」というクラブイベントを開催したり。

僕からは出てこない発想だと感じます。

読書会のイメージでいうと、静かに語るというものでしたが、その発想は無限に広がりますね。

第5章 読書会は居場所になる

5章では、山本さんの主宰としてのスタンスが綴られています。

まず、課題図書の選書はすべて山本さんがしているそうです。主宰が決めるというのはコミュニティらしくないとも思いましたが、どこかに「こだわり」が必要なんですね。

また、「猫町倶楽部」はここまで巨大にも関わらず儲けはほとんどないそうです。山本さんは、本業のリフォーム事業で稼いでいる一方、読書会の稼働はボランティアだそう。

そして、最も重視するのは存続させることとおっしゃっていました。

終章 みんなで語ることの可能性

『読んでいない本について堂々と語る方法』という書籍から以下の言葉が紹介されていました。

たいていの場合、読んでいると読んでいないの中間領域にいる

たしかに言われてみるとそうですが、深いですね…

『読書会入門』は読んで思ったこと

読書会とそのコミュニティのひとつの成功事例と、そのスタイルを知ることができました。

そして、そのスタイルはノンプロ研とも違うし、flier book laboとも違う。

いずれも、学びが多いとか、積読が減るとか、同じようにメリットはありますが、それは表面的なものであり、結局は「心地良さ」を感じられることが大事なのだと思います。

近くに居心地のよい読書会があれば、そこに参加すればいいし、もしなかったとしても地域でも、社内でも、学校でも、さまざまな人たちが居心地がよいと感じる読書会が生まれればいいと思いました。

なにせ、本は1000円で買えるし、それを読んで集まるだけですからね。

日本では、江戸時代から「会読」と呼ばれる読書会が行われていたそうです。

それは、異なる意見を通じた自己修養、課題を乗り越える学びの場でもありましたが、それとともに大人の喜び・遊びの場でもありました。

しかし、会読は明治中期に衰退していきます。学びは競争社会における実利的なものに変わってしまったからです。ベストセラー書籍『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』にも通じるものがありますね。

フラっと立ち寄り、それぞれが居心地がよいと思える、そんな読書会が少しずつ増えてきているのは良いことと思いますし、そして、そういう場所があふれる社会になればいいなと思います。

まとめ

以上、「読書会にあふれる社会を目指すための『読書会入門』」についてお伝えしました。

引き続き、みなさんがいきいきと学び・働くためのヒントをお届けしていきます。次回をお楽しみに!

この話を耳から聴きたい方はこちらからどうぞ!

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