VBAの本なのに笑って、泣ける。「Excel VBAの神様」から人生を学ぶ


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photo credit: Swings II via photopin (license)

みなさん、こんにちは!
タカハシ(@ntakahashi0505)です。

「Excel VBAの神様 ボクの人生を変えてくれた人」という本を読みました。

前から超気になっていた本です。

なにせ、ExcelVBAと小説を融合させたストーリー仕立ての技術本なんですもの。

仕事がうまくいかずに上司やライバルにコケにされ、憧れの女の子にも軽蔑されて…そんな冴えない毎日を送る主人公真二。とある真夏の夜、公園でホームレスに出会って、VBAを教えてもらう…

斬新すぎやしませんか!?

そんな「ExcelVBAの神様」を皆さんにもオススメしたく、この記事を書かせて頂きました。

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読む前に一番気になっていたMsgBoxのこと

ネタ元は忘れてしまったのですが、どこかでこの「ExcelVBAの神様」の書評を見たときに、以下のような一節を見かけたんです。

「このように、MsgBoxは、表示したい文字列を『”』(ダブルクォーテーション)で囲むんだが、これを次のようにさらに『()』で囲んでしまう人がいる。」
「これは、間違いなんですか?」
「ああ、大間違いだ」
「じゃあ、『()』で囲んだらマクロが動かないんじゃ?」
「それが動いちゃうんだよ。だからこそ、間違いに気付かない。それが恐ろしいところさ」

なぜ、MsgBoxの表示したい文字列を括弧で囲んじゃいけないんでしょう?

これが気になって気になって仕方がなかったんですね。

読んでみたら、なるほどー!!という理由で、いやはや目からウロコの納得だったんですが…ネタバレ(?)になっちゃうので、答えを知りたい方ははぜひ自身で読んでみて下さい。

初めて入力候補のショートカットキーを知る

あと実は Ctrl + Space で入力候補を出せる、ということも実は本書で初めて知りました…。

VBEで「wor」と打った時点で Ctrl + Space を押すと…

VBEで入力候補を表示するショートカットキー

このように候補が出てきてくれます。上下キーで選んで Tab キーで決定!

WorksheetFunctionとか、打つの面倒ですもんね。助かります。

本書が小説仕立てになっていて、アプローチが違うからなんでしょうね。技術的にも発見がありますよ。

VBAと人生は同じ?

私が一番グッときた一節をお伝えします。

ライバルとヒロインがハイアット・リージェンシーの高級レストランでディナー…フレンチとワインを堪能しているのに、自分は公園でホームレスにVBAなんか学びたくない…と腐っている主人公真二に対してホームレスが放った言葉。

「たとえば、お前がVBAで一行のステートメントを書いたとする。それは当然、お前の血肉となり、お前は他人より一歩前に進む。百行書けば百歩。そして、一万歩、歩いてみろ。もはや、誰もお前の背中など見えない。みんなが、自力でVBAを勉強するよりもお前に頼るほうがラクだと考える。頼られたお前は、さらに前に進む。気付いたら、もはや逆転不能な差がついている。」
「…」
「どうだ。VBAも人生も同じだと思わないか?」

思います!

…ってこの一節でうっかり鳥肌立っちゃいました。

VBAを学ぶだけで人生が逆転!というふうに簡単にはいかない場合も実際には多いと思うのですが…毎日の積み重ねという方法であれば、誰もが勝負できます。

Excel VBAはその勝負ができる領域の一つです。

しかし、VBAっていうリアルな技術が出てくるので、物語の部分も妙にリアルに感じるんですよね…。

目的に向かって最短距離で学ぶ

一般的なVBA本って、教科書スタイルなんですよね。

教科書スタイルというのは「ひとまず、そのうち使うでしょう」といった機能や命令を一つずつ網羅的に解説していくスタイルです。

目次としては

  • VBAとは
  • 四則演算
  • 文字列の操作
  • 変数
  • 条件分岐
  • 繰り返し
  • 配列
  • オブジェクト

こんな感じです。

VBAを学びたい!と言ってVBA本を買う人、どこかで挫折してしまう方多いのではないでしょうか?

というのも、読者それぞれのゴールが本来あるわけですから、そのゴールにたどり着くのに必要な要素を提供しなければいけないのですが、多くのVBA本は「Hello World」の表示から始まり、特に求めていないプログラミング例が次から次へと登場。それで配列のあたりで挫折…てな感じになっちゃうのではないでしょうか。

このブログでもなるべく教科書スタイルにならないように記事執筆をしています。

ある特定の目標を想定して、その目的を達成するためにその時に最低限必要なことだけを都度解説していくスタイルです。

変数だって、配列だって、条件分岐だって、何かを達成するためのテクニックなわけで、必要性を感じないときに教わったって覚えは悪いですよね。

実は、本書も同じスタイルです。VBAを教えてくれるホームレスはもう口癖のように「ここはまだ教えない」とか「これは一生覚えなくていい」などと言います。

とにかく今、真二にとって進むべき道を最短距離を進むんです。

教科書的なVBA本に拒否反応が出る方は、本書をぜひ試して頂きたいと思います。

まとめ

以上「ExcelVBAの神様 ボクの人生を変えてくれた人」について紹介してみました。

VBAの技術や考え方、面白さを学びつつ、真二が職場で形勢逆転できるのか?とか、ホームレスの招待は?とかヒロインとの恋愛は?とか、物語としても痛快で楽しく読める一冊です。

VBAを少しかじっていらっしゃる方なら、ニヤリとさせられる部分もたくさんあります。

しかし、アイデアですよね。

自分には小説を書くような文才はありませんが、もっとペルソナを強烈にイメージしてストーリー仕立てで技術情報を提供する、といったスタイルはアプローチとして有効なのではないかと思いました。

こういう書籍や読み物が増えて来たら、ITの浸透も良くなるかも知れませんね。


コメント

  1. 次の部分がビジネスの本質だと思って納得しました

    > もっとペルソナを強烈にイメージしてストーリー仕立てで技術情報を提供する、といったスタイルはアプローチとして有効なのではないか

    • コメントありがとうございます!

      そうなんですよね、ビジネスでもブログでも相手があって初めて成り立つものですからね。
      そのイメージをしっかり持っておきたいものです。

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