みなさん、こんにちは!
タカハシ(@ntakahashi0505)です。
今年の「Google Cloud Next 2019」の参加レポートをシリーズでお送りしております。
前回の記事はこちら。
チームの価値を最大化するためのG Suiteの活用についてお伝えしました。
今回のテーマは「スプレッドシート」。
Googleスプレッドシートのプロダクトマネージャーを務められているアンディ・ラッドさん、ライアン・ウェーバーさん、ダニエル・ガンドラムさんによる、「Google スプレッドシートでインサイトを発見し共有するための30の方法」です。
スプレッドシートの機能を30も紹介してもらったんです…楽しみですね!!!
ちなみに、ノンプログラマー向けのGoogle Cloud Next 2019 ツイートもまとめておりますので、合わせてご覧くださいませ。
では、行ってみましょう!
分析の一般的なワークフローと30の方法
このセッションはスプレッドシートによるデータ分析の一般的なワークフローになぞらって、進められました。
すなわち、以下の手順です。
- 収集: データを集める
- 準備: データの構造化や整理
- 分析: インサイトを発見する
- 視覚化: 共有する
そしてスプレッドシートの場合は、この手順が「コラボレーション」の上で進められるということになります。
この各段階において、既存機能による時短のヒント、新機能やアップデート機能の紹介、そして今後の新たに投入される機能の先行公開について「30」もの方法を教えていただけるというものです。
収集
データの収集の段階で紹介された機能は以下の4つです。
- 1.Googleフォームでデータを取り込む
- 2.SAPからデータを取り込む
- 3.データコネクタ:BigQuery 新機能
- 4.Connected sheets 先行公開
これまでよく活用されてきたのは、フォームを使ってデータを入力してもらうことですね。
入力されるデータを入力規則を設けて標準化できますし、スプレッドシートには構造化された状態で蓄積されますので、スムーズに次の段階を移れます。
データコネクタは新しい機能ですが、BigQueryから最大1万行のデータをインポートすることができるというものです。
そして、さらにその進化版として、「Connected sheets」が発表されました。
BigQueryのデータをクエリなしで数十億行のデータを取得し、それをグラフ、ピボットテーブル、表、関数を使って分析できるという機能です。
デモでは、BigQueryの公開データセット(誰でも使えるデータ群)から、サイドバーでの選択や入力操作のみで、2000万行のデータからグラフやピボットテーブルを作成する様子を見られました。
こちらはベータ版先行公開となっていますので、以下から登録をして、ぜひ触ってみてください。
準備
データのクリーンアップや標準化をするなど、分析の準備をする手順です。
そこで、紹介された機能は以下の6つのデータ準備ツールです。
- 5.テキストを列へ振り分け
- 6.空白の削除 新機能
- 7.重複の削除 新機能
- 8.セルにチェックボックスを設定
- 9.マクロ
- 10.交互の背景色
テキストを列へ振り分けは、カンマなどのセパレーターによりテキストを複数の列に分割する機能です。
空白の削除や重複の削除は最近追加された機能ですね。これにより、邪魔な空白や、いらないレコードを削除することができます。
デモでは、これらの機能によりデータをクリーンアップしつつ
- 書式の設定
- ウィンドウ枠の固定
- 交互の背景色の設定
をマクロ記録し、次回以降1回のクリックでマクロ実行できるようにするという様子が伝えられました。
…みんな、使いましょう!
分析
分析の段階で紹介された機能は以下のとおりです。
- 11.450を超えるスプレッドシート関数と数式のサジェスト
- 12.フィルタ
- 13.フィルタ表示
- 14.スライサー 新機能
- 15.色によるフィルタ・ソート 先行公開
- 16.ピボットテーブル
翻訳が行えるGOOGLETRANCERATE関数、ファイナンスのデータを取得するGOOGLEFINANCE関数などはスプレッドシートならではのユニークな関数ですね。
データを絞るのによく使用するのはフィルタです。このフィルタは、皆さんよく使用されているものですが、スプレッドシートを閲覧するすべてのユーザーに有効です。
一方で、フィルタの表示は、スプレッドシートならではの機能で、他のユーザー画面を変更せずに使用可能なフィルタで、保存や共有が可能なものです。皆さん、使ってますか?
さらに、新機能スライサーは、グラフやピボットテーブルなどを含むレポートやダッシュボードにフィルタをかけることができる機能です。
そして、色によるフィルタ・ソートも新機能として発表されました。こちらは数カ月後にオープンになります。
スライサーは近日中に、色によるフィルタ・ソート機能は数ヶ月後にロールアウトされる予定とのことです。
視覚化
他のユーザーと共有するための視覚化に関する機能は、たくさんの新機能が発表されました。
- 17.テーマ 新機能
- 18.グラフ アップデート
- 19.データ探索
- 20.レポート 新機能
まず、テーマですがスプレッドシート全体について一貫性をもたせた外観に切り替える機能です。
スライドなどで使っている同名機能のスプレッドシート版です。
そして、そのテーマが有効に使えるのがレポートの機能です。グラフやピボットテーブル、KPIなどを目立たせる新しいスコアカードグラフ、前述のスライサーを組み合わせて、レポートを作成できるようになります。
デモでは以下のような手順でレポートを作成をする様子が紹介されていました。
- データ探索を使ってサジェストされたグラフやピボットテーブルをドラッグ&ドロップでレポートに追加
- グリッドを活用して要素の位置やサイズを調整する
- スライサーでフィルタをかける
- テーマを適用してスタイルを変更する
テーマ、スコアカードグラフ、レポートに関しては近日中にリリースされていきます。
クラウドでのコラボレーション
最後のパートとして、コラボレーションの機能についての紹介がありました。
- 21.コメント
- 22.アクションアイテム
- 23.バージョン履歴
- 24.セルの編集履歴 新機能
- 25.リンクオブジェクトをまとめて更新 アップデート
- 26.アクティビティダッシュボード アップデート
- 27.ファイルの有効期限、ダウンロード・印刷・コピーの無効化
- 28.Officeファイルの編集 新機能
- 29.従来のショートカットキー アップデート
- 30.オフライン作業
もともと、共同編集、コメント、バージョン履歴などのコラボレーションの機能は充実していました。
それに加えて、たくさんの新機能やアップデートが発表されました。
注目の機能は、他のセッションでも発表されているOfficeファイルの直接編集はもちろん、「従来のショートカットキー」というアップデートがありました。
これは、Excelのショートカットキーを使えるようになるという機能だそうです。
もうガッツリOfficeに攻めこんでますね…!
まとめ
以上、「Google スプレッドシートでインサイトを発見し共有するための30の方法」のレポートをお送りしました。
30もあるので、既存機能の紹介が多いかな…と思っていたのですが、半分近くが新機能やアップデート、そして先行公開の紹介でしたね。
スプレッドシート恐るべしです!
また、今後のアップデートにも期待ですね。