みなさん、こんにちは!
タカハシ(@ntakahashi0505)です。
「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」は、ノンプログラマーがプログラミングをはじめとするITスキルを学び合うコミュニティです。
先日の定例会のテーマは「コミュニティづくり」。
どのようにして安心安全な場をつくり、継続的に活動し、成長するコミュニティを運営しているのか、「祝160名突破!安心安全で熱量の高いコミュニティをつくる秘訣」というタイトルでお伝えしました。
このシリーズでは、数回の記事にわけてそのレポートをしていきますよ。
前回の記事はこちら。
なぜ、ビジネスにおいて学習するコミュニティづくりが有効なのかといったことについてお伝えしました。
今回は、その学習するコミュニティのお手本として、ノンプロ研のこれまでの歩みについて確認していこうと思います。
ということで、「学習するコミュニティ『ノンプロ研』はどのようにしてできたか」をお伝えします。
ちなみに当日の様子は以下、Togetterのツイートまとめもご覧くださいませ。
では、行ってみましょう!
ノンプロ研設立の経緯
学習の継続性の壁
私が独立した直後から、ノンプログラマー向けにVBAやGASなどのプログラミングを教えるという仕事をしていました。
企業向け、個人向けと予算感に合わせて、以下のような設定が基本でした。
- 企業向け: 8回×2時間の講義+その間のチャットサポート
- 個人向け: 1日で3~6時間の単発講義
しかし、いずれも「学習の継続性」に課題がありました。
というのも、プログラミングを実務で使えるようになるには数百時間以上の学習が必要で、さらにその後も継続して学び、活用する必要があります。
私の提供する研修では、企業向けでせいぜい20時間程度、個人向けにいたっては1桁時間です。
その後、自力で学習をし続けられればいいのですが、本業も別にあるノンプログラマー…
なかなか、目標の学習時間に到達することもなく形骸化するという残念なパターンに陥りがちでした。
もっと継続的に、かつ一般的に支払いができる金額感でサポートできる仕組みがないものかを考えていました。
月額制コミュニティ
そこで、出会ったアイデアが「月額制コミュニティ」です。
参考にさせていただいた「ギガ盛りブログ飯」では、以下のような運営をしていました。
- 月額5000~6000円
- メインは月1回のオフラインセミナー
- サブのオンライン(Facebookグループ)のやり取り
これであれば、一定数の会員がいれば継続ができそう!と思いました。
そして、私だけでなくメンバー同士で学び合う形にすれば、それほど現実的な価格帯で継続的に学習を支援できる仕組みになるように思いました。
そのような経緯で、ノンプロ研は2017年12月にスタートをしたのです。
ノンプロ研の歩み
1年目: ノンプロ研の立ち上げ期
スタート当初の1年目、以下のような心配がありました。
- ややこしいプログラミングの質問が山ほど来たらどうしよう…
- マウントするような人がいたら嫌だな
- セミナーやオンラインの参加が過疎らなきゃいいけど
しかし、実際に蓋を開けてみると、みなさん良い方ばかりで、そのような心配は無用でした。
当初の活動は以下のとおり。
- 月1回のオフラインセミナー
- 月1回のもくもく会
- Facebookグループでのオンラインのやりとり
ていうか、ノンプロ研当初はSlackすらなかったのです。
きのぴぃほかメンバーの熱いプッシュにより、Slackを導入。今となっては重要な交流の場です。
結果的に1年目の成果は以下のようなものでした。
- 会員数43名
- 東京だけでなく、大阪オフラインイベントも実現
- 東京カオマンガイを貸し切って年末BeerTalk大会を開催
年末のイベントでは、学びのコミュニティではありつつも、皆さんの仲間の成長を喜び、応援する姿にたいへん感動した覚えがあります。
コミュニティには確かな熱量がありました。
一方で、課題としては、以下のようなものがありました。
- 定例会の発表ネタが付きそう(タカハシが毎回登壇していたので)
- メンバーのみなさんにもいろいろな機会を提供したい
- 「初心者が入りづらい」問題
2年目: 基礎を築く
2019年、2年目に入ってノンプロ研は大きな飛躍を遂げることができました。
- 会員92名
- 「初心者が入りづらい問題」を解決すべくノンプロ研講座開始(5講座、大阪サテライト開催も)
- 親子で参加できるイベント「ファミプロ」開始
- 大阪、仙台、高松でオフラインイベント開催
- メンバーの皆さんにお仕事依頼を開始(登壇、モデレータ、TA、運営、動画制作など)
- 年末BeerTalk大会は2days開催
とくに大きかったのが、コミュニティ内講座の開始です。
通常、講座形式は1対Nの関係ですが、TAさんや他のメンバーも見守りますから、N対Nの関係性ができます。
ラストには、学びの成果を発表する「卒業LT大会」があり、アウトプットを意識しながら参加しつつ、他のメンバーも講座による成長を見て刺激や学びを得られます。
何より、「教えることは二度学ぶこと」という言葉が浸透しはじめました。
2年目は活動的にも、マインド的にも、重要な基礎を築けた年だったといえます。
3年目: 完全オンラインに移行
3年目は、運営として大きな変化が求められました。
コロナ禍により、完全オンラインの活動にシフトせざるを得なかったのです。
オフラインの活動をベースにしていたので、かなりのチャレンジではあったものの、ZoomやDiscordといったテクノロジーのおかげで、ほぼすべての活動をオンライン化することができました。
さらに、それによりメリットもありました。
- 各地との距離がゼロになり、フラットに遠方のメンバーが参加できるようになった
- 会場の予約などが不要になり、気軽にイベントを開催できるようになった
結果的に、3年目も順調に活動を拡大し、以下のような結果を残すことができました。
- 会員127名
- メンバー初の講師誕生
- 定例LTイベントZoomIn開始、部活イベントも活発になり、総開催イベント数121
- 年末BeerTalk大会は4days
この年の大きな変化は、私が講師を卒業できたことです。
講師はとても学びの多い役割ですが、さすがに同じ講座で何度も講師をしてくると、その学びの度合いや熱量が低下してきます。
そこで、2回講師をやったら卒業して、後進に道を譲るというしくみにしました。
卒業した講師は、より高みを目指して学んでもいいですし、他の分野を学んでもいいです。
結果的に、私自身がコミュニティで新たな取り組みをはじめることにリソースがかけられるようになりましたし、全員がフレッシュな学びをしつづけるという風土ができました。
これはとてもよい取り決めだったと思います。
4年目: もう一段ステップを上がる
そして今年、4年目に入り、また一段ステップが上がったように思います。
まだ9月ではありますが、以下のような成果を上げることができました。
- 会員164名
- 新講座スタート(freee API関連、技術ライティング)
- 技術書を制作し技術書典11に出展
- Glideによるノンプロ研アプリ、読書アプリ開発
- Facebook広告配信開始
以上が、ノンプロ研設立からこれまでの歩みになります。
150名を超えると集団のモードが変わると言われていますが、これからどのような活動ができるのか楽しみです。
まとめ
以上、「学習するコミュニティ『ノンプロ研』はどのようにしてできたか」についてお伝えしました。
このように、ノンプロ研は安心安全でありながら、熱量があり、それでいて順調に活動を拡大できてきました。
たいへんありがたいことです。
次回は、そもそもなぜ学習にコミュニティがいいのか?についてお伝えします。
どうぞお楽しみに!