みなさん、こんにちは!
遠くで鳴いているセミに夏を感じていますタカハシ(@ntakahashi0505)です。
今回は、まずこちらの記事を紹介したいと思います。
モバイル広告サービスを展開するYOYOホールディングスの代表、深田洋輔さんのインタビュー記事なのですが、モバイル広告を通して「貧困」という社会問題と真正面から対峙していらっしゃいます。
その中で語られた「貧困」の定義が非常に深いものだったのですが、そこから発展して私たち日本人の労働環境について色々と考えてみたいと思います。
「PopSlide」が対峙する「貧困」という問題とその定義
YOYOホールディングスが提供するサービス「PopSlide」は、モバイル広告を視聴することで視聴者が報酬を得られるというサービスで、フィリピン、インドネシア、ベトナムで100万人以上に利用をされています。
この「PopSlide」には新興国が抱える「貧困」という問題を解決するという壮大な目的がありました。
もしも彼らがより自由にインターネットを使えるようになれば、より多くの生活に役立つ情報を得て、生き方や働き方により多くの選択肢を持つことができるはずです。
モバイルインターネットを無料化できれば、教育や医療など、これまで接することができなかった機会に触れることができるようになるため、彼らの人生をきっと大きく変えることができると信じています。
新興国で利用されているモバイル端末の多くは「プリペイド形式」。チャージした通信料の分だけしかインターネットを利用することができないのです。
深田さんは「貧困」の定義について以下のように語られているのですが、これが私の心にとても大きく響きました。
アジアの貧困問題を解決するために、まず「貧困とはなにか」を定義することから始めました。「貧困」は持っている「お金」で定義されがちですが、私は持っている「機会」で定義されるべきだと考えています。
働く機会、食事を選択できる機会、医療を受ける機会が整っていれば豊かな暮らしになりますし、その逆であれば貧困な環境だと言えると思います。
お金がないことを言うのではなく、機会がないことを「貧困」と定義する。
この定義が、日本の労働環境について私がもやもやと思っていることを、なかなかスッキリとクリアにまとめてくれたのです。
日本の労働者が抱える「貧困」
先日公開されたブロガーのイケダハヤトさんのこちらの記事ですが
その中で、通勤を強制するということに対してかなり痛烈に
「個人の事情を一切鑑みることなく、社員に通勤を強制する」というのは、ごく普通に「人権侵害」だと感じるようになってきたんですよ。「出勤を強要する会社はブラック企業だ」といってもいいでしょう。
とおっしゃられていました。
私もこの意見には同意する部分が多く、通勤についてはこの記事でもお伝えしています。
通勤以外の点でも既存の企業の多くに採用されている労働に関する制度について「No!」と思うことがたくさんあります。
副業禁止しかり
時給制給与しかり
です。
先ほどの深田さんの話を思い出して頂きたいのですが、これらの制度って労働者の「機会」を奪っていると思いませんか?
つまり、日本の企業の多くが採用している制度って、労働者を貧困にさせる制度とも言えるのではないかと思うのです。
それぞれの制度が奪っている機会とは
- 定時10:00~19:00の時間労働制
- 片道1時間の通勤
- 報酬にはみなし残業45時間を含む
- 副業禁止
これはごく一般的な雇用条件だと思うのですが、ひとつひとつ見ていきたいと思います。
電車通勤
電車通勤の時間は労働時間には入りませんので当然給与は発生しません。
そしてその時間は本を読んだり、スマホを見たりくらいはできますが、デュアルディスプレイで仕事をすることはできませんし、家族と会話することもできません。筋トレをすることもできませんし、オンラインスクールで英会話を学ぶこともできません。
都内での平均通勤時間は片道58分ですから、毎日平均して約2時間、そのようなことをする機会が奪われているということになります。
副業禁止
副業禁止はまさにそのままですが、労働者がその会社以外の仕事をする機会とそれを通して報酬を得る機会を奪っています。
時間制給与
時給制給与についてはどうでしょうか?
いくら仕事が早く完了しようとも、その時間帯は拘束されていますから、お家に帰ったり、飲みに行ったり、勉強会に参加することは自由にはできません。
仕事を早く終わらせることによるメリットがないわけですから、仕事を早く終わらせるスキルを磨く機会も間接的に奪っていることになります。
みなし残業
残業をして多めに給料を稼きたいという方もいらっしゃるかも知れませんが、この制度のおかげでそれもままなりません。
労働における貧困から確実に逃れる方法
私はこれらの制度自体を批判しているわけではありません。
ただ、問題なのは盲目的にこれらの制度を採用していること・受け入れていることまたは受け入れざるを得ないことが問題だと思うのです。
企業側としては、高度成長を支えてきたそれらの制度ではありますが、今とこれからの時代にとって、また従業員一人一人との関係を考慮した場合、必ずしもベストの制度ではないということを認識するべきだと思うのです。
例えば、そのアグレッシブな人事制度で有名なサイボウズでは
新たな人事制度の方針は「100人いれば、100通りの人事制度があってよい」というものだ。
という方針のもと、勤務時間と場所を9パターンのワークスタイルから選べる選択型人事制度、自分を成長させるための「育自分休暇制度」、副業の自由化など斬新な制度を次から次へと導入した結果、いち時期は28%あった離職率が5%弱まで下げることに成功しました。
社員に合わせて制度を見直すという視点を持つことで、雇用できる人材の幅が広がったり、社員の成長を促進したり、様々なメリットがあるということも理解できると思います。
一方で、労働者としては何ができるでしょうか?
制度は企業が決めている場合が多いですし、サイボウズのように社員に合わせて人事制度をアグレッシブに変えていくような企業は稀だと思いますので、労働者にとってはその制度や条件を飲むか?飲まないか?の二択になりがちです。
その選択をする、つまり転職するにしても、独立してフリーになるにしても、どうしても必要なものはスキルです。スキルがあればあるほど、働き方や働く企業の選択肢が増えます。
クラウドソーシングや在宅勤務、週二日勤務など新しい働き方についてサポートするサービスがたくさん増えてきてはいますが、一定以上稼げる案件はほとんどエンジニア向け、デザイナー向けで構成されていて、さらにそれなりのスキルが求められます。
自分の価値を上げていく作業をコツコツと積み重ねていき、他の会社でも必要とされるスキルを磨いておくことが重要だと思います。
スキルアップに関しては、参考となる記事を紹介しておきます。
こちらの記事ではライターさんのスキルアップについてです。
エンジニアやデザイナーでなくても、仕事をしながらスキルを磨くことができるということ、その手法と勇気を学べます。
あとはこちらもどうぞ。
まとめ
日本は平和で豊かな国。飢えや貧しさで命を失うようなことはありませんが、仕事で忙しい毎日で知らず知らずのうちに、様々な機会を奪われてしまっているかも知れません。
労使ともに盲目的にならずにいつもベストな制度や方法について考え続けていきたいものです。
また、労働者としては限られた時間を大事に使って少しずつスキルを磨き、自分の市場での価値を上げることが、貧困から逃れるための確実な方法ともいえます。