ひとり社長1年目の税務タスクまとめ中編~年末調整に関する色々~


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みなさん、こんにちは!
タカハシ(@ntakahashi0505)です。

法人設立から1年目を終えまして、2年目に各税務タスクでイライラしないように、きちんと1年目での税務タスクについて記録を残しておこうと思っています。

前回はこちらの記事を書きました。

ひとり社長1年目の税務タスクまとめ前編~法人設立と源泉徴収~
株式会社プランノーツの初めての決算を終えました。色々とやるべき税務関連のタスクがありましたが、初めて出くわす手続きばかり。本記事は会社設立と源泉徴収について、1年目でやってきた税務タスクの備忘録です。

会社設立と源泉徴収についてですね。

弊社は6月設立ですので、設立から年末までは上記のタスクだけで乗り越えられるのですが、年末には大きな大きなイベントが待っています。

そうです、年末調整です。

あの時に書いておけばよかったのですが、頑張って記録と記憶をたどって書いています。

では、張り切って行ってみましょう!

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年末調整

年末調整は12月から1月にかけて発生するビッグイベントです。

最もダンドリが多く、ややこしい税務タスクと言ってもいいでしょう。

サラリーマン時代に社員側としては作業をした覚えがあるので、なんとなく理解はしていますが、今回は従業員側である私と、会社側と両方の作業が発生するので、まあ大変でした。

ちなみにでお伝えしておくとこの年末の時期に

  • 税務署
  • 区市町村
  • 都道府県税事務所

の3箇所からわさわさ色々と送られてきます。

どこに何をどう提出していいか、あっという間にわけがわからなくなるので、混乱しないようにキチっと分けて管理しておきましょう。

従業員から2枚の書類と各種証明書類を集める

まず、以下2つの書類は従業員全員に配布をして提出をしてもらいます。

前者が現年度の各種、所得税の控除を受けるための書類になっていまして

  • 生命保険、介護保険、火災保険などの各種保険控除申告書の証明書類
  • 給与所得者の住宅借入金(住宅ローン)等特別控除申告書

などを元に計算して記入、それら記入の根拠となった各種書類も合わせて提出、という形になります。

後者は次年度の給与所得についての書類で、平たく言うと「次年度も年末調整してくれよな、よろしく!」的な申告をするための書類です。

これを出していないと次年度の年末調整をしてもらえなくなりますので、給与をもらう人は全員出しておいたほうが良いというわけですね。

弊社の場合、従業員は私しかいませんが、上記書類は二つともバッチリ記入して会社に提出するということになります。

ちなみに、会社の立場としてはこれらの書類を受け取ったらどこかに提出しなければいけないのかと思いきや、国税局の説明によると

給与の支払者は、税務署長及び市区町村長から特に提出を求められた場合以外は、提出する必要はありません(給与の支払者が保管しておくことになっています。)。

とのことです。大事に保管しておきましょう。

給与所得者の扶養控除等の(異動)申告|源泉所得税関係|国税庁

従業員の年末調整計算と源泉徴収票の作成

こっからは法人一年目としては未体験ゾーンになります。

まずは従業員全員の分の年間の税額を計算する必要があります。

…どうすればいいんだ…となっちゃいますが、頼りのBizerの「年末調整」のダンドリを進めていくと「年末調整計算シート.xlsx」を用意してくれています。

Bizerの年末調整計算シート

「年末調整計算シート」で必要事項を埋めていけば、年税額の計算もしてくれますし、後日従業員に渡す必要のある源泉徴収票も作成してくれます。

助かるぜ…。

源泉徴収票は区市町村提出用が2枚、税務署提出用が1枚、本人控えが1枚の計4枚です。

本人控えは確定申告などで使う人もいるかもしれませんので、作成し次第本人に渡してあげて下さい。

ちなみに「整理番号」という欄がありますが、これは税務署から送られてくる納付書に記載されている8桁の番号です。同時に記載している5桁の税務署番号も控えておくと良いらしいです。「署番号」という欄に記入します。

ここで、年税額に対して今期源泉徴収してきた金額が超過しているまたは不足しているということであれば、例えば年末の給与支払で調整を行います。

たいていの場合は、たくさん預かりすぎているので還付する場合が多いのだと思います。

したがってここまでの作業は年末25日、または最終営業日までには完了させておきたいということになりますね。

税額を納付

こうして1月の源泉所得税の納付額が決定しますので、金融機関などで1/20までに納付をします。

納付の書類は7月の納付で使った書類と同じく「給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(納期特例分)」を使います。

ただし、今回は「年末調整による不足税額」または「年末調整による超課税額」の欄も活用することになります。

計算の結果、納付額が0円だった場合は、金融機関では受け付けてもらえませんので、税務署に提出をすることになります。

支払調書の作成

支払調書は従業員ではなくて、税理士さんや個人の外部パートナーについて作成します。

源泉徴収票みたいなもので、彼らの確定申告で使いますので作ってあげて下さい。

色々な別例もありますが、年度中の支払金額の合計が税込で5万円を超える場合に税務署への提出の必要も発生してきます。

報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書

フォーマットはネットで転がっていますので、上記ページを参考に作成をしてみてください。

2部作成をして、1部は税務署に提出、1部は報酬の支払先に送付します。

税務署に各書類を提出

税務署から送られてきた「法定調書合計表」(またはリンク先の印刷でもOK)を記入して、これまで作成した、源泉徴収票、支払調書とともに税務署に提出します。

この期限が1/31までです。

送付でも提出できます。確か弊社は送付したような…気がします。

区市町村に各書類を提出

今度は各区市町村から「給与支払報告書(総括表)」というものが送られてきていると思いますので、これを記入して、これまで作成した源泉徴収票とともに区市町村に提出をします。

この期限も1/31までです。こちらも送付で提出できるはずです。

固定資産税(償却資産)の申告

都道府県税事務所の主税局から「固定資産税(償却資産)の申告」なる書類がシレっと届きます。

年末調整と同じく1/31までに提出なのですが、あまりにも年末調整の流れに夢中になりすぎて、正直こちらを忘れそうになります。

というか、弊社には固定資産とかないし…。

ただ固定資産がなくても、一応提出してくれと書いてあるので提出します。

まとめ

年末調整…大変ですね。ただ、書いてみて何とか思い出してきました。

今年の年末以降これを見ながら再度年末調整をしてみて、不足があれば補足追加をしていきます。

しかし、わざわざこんなに書類を大量に作らなくても、MFクラウド会計とかからピューって自動で情報が行ってくれたりしないですかね…。

…さて、今回はほとんど年末調整の話に終始をしてしまいましたので、決算その他はまた次回にお伝えしたいと思います。

ひとり社長1年目の税務タスクまとめ後編~確定申告、決算~
法人設立から1年。2年目以降も税務タスクをスムーズに進められるように、年間の税務タスクについての記録を書いています。今回は後編。個人として残っていた確定申告、年間の総まとめである決算についてです。

後日追記:MFクラウド給与で年末調整機能が追加されました

年末調整の面倒な書類…MFクラウド給与でウェブ上で入力&ビューって自動で書類生成をしてくれるようになりました。以下の記事でレポートしていますのでご参考ください。

MFクラウド給与は「ひとり社長」でも便利なのか…試しに使ってみた
ひとり社長の強い味方として、MFクラウド会計、請求書、経費と使ってきたのですが、今回試しにMFクラウド給与を使ってみました。ひとり社長でも有用なサービスなのか、給与確定と会計との連携をレポートします。
MFクラウド給与の年末調整機能で「ひとり社長」の年末調整をしてみた
Web上で年末調整をペーパーレスで完結できるというMFクラウド給与の年末調整機能。ひとり社長でも効果があるのか、年末調整の控除計算から給与確定、源泉徴収票などの書類生成などを試してみました。

連載目次:ひとり社長1年目の税務タスクまとめ

ひとり社長として初めての決算を終えまして、1年間色々とやるべき税務タスクがありました。
来期以降、すっかり忘れてイライラしないように、一年分で税務関係はこういうダンドリがあるんだよ、というのをまとめておこうと思います。

  1. ひとり社長1年目の税務タスクまとめ前編~法人設立と源泉徴収~
  2. ひとり社長1年目の税務タスクまとめ中編~年末調整に関する色々~
  3. ひとり社長1年目の税務タスクまとめ後編~確定申告、決算~

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