書評「モチベーションの心理学 『やる気』と『意欲』のメカニズム」

書評「モチベーションの心理学 『やる気』と『意欲』のメカニズム」

みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。

こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!

今回のテーマは、書評「モチベーションの心理学 『やる気』と『意欲』のメカニズム」です。

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書籍「モチべーションの心理学」について

今日はモチべーションの心理学-「やる気」と「意欲」のメカニズムという書籍を紹介したいと思います。

執筆されたのは、慶應義塾大学教職課程センターの教授で、心理学者でもいらっしゃる鹿毛雅治(かげまさはる)先生です。

動機づけ論、教育心理学などの多数の書籍を執筆されていて、本作は2022年1月に出版されたモチベーション論について先生が書かれた最新の書籍という位置づけになるかなと思います。

「はじめに」から刺さります

こちらの書籍、まずは「はじめに」を読んでいただきたいのですが、グサっと釘を刺されるんですね。

「やる気があれば頑張れる」とか「ほめればやる気になる」とか言いますよね。これに関しては多くの人が、やる気に関して体験にもとづいて勝手な理論を展開しているという話しなんです。

そのような体験的な裏付けがありながらも、その裏付けが素朴すぎるものを、心理学的には「素朴理論」というそうです。

たとえば「やる気はあるんだけど、なかなかできない」という現象を、素朴理論「やる気があればがんばれる」では説明できないという話しです。

これまでみなさんが研究されてきた心理学的なアプローチをちゃんと理解しましょうということですね。

すごいボリュームです!

そういった知見をちゃんと学ぼうということでこの書籍を手にとるわけなんですが、本書は1100円というかなりな低価格なんですね。それがなんと435ページの超絶ボリュームなんです。コスパが異常すぎます。

「モチベーション」という1テーマなので、200ページくらいでサクッと読めるんじゃないかなと思いきや、全然そんなことはなかったです。435ページあったので、かなりがっつり読み込ませていただきました。

なぜこんなにボリュームがあるのか。モチベーションというのは人が動くとか、人を動かすとかにかかわる心理なので、人をコントロールすることに対する社会的な関心の高まりにともなって普及してきた側面があります。

例えば経済、教育、犯罪、広告とか、そういったものには人を動かしたいというモチベーションがものすごく強い。だからたくさんの研究が生まれてきたんだということなんです。なるほどなと思いました。

かくいう僕も、人を学習に駆り立てるにはどうしたらいいんだろう?とか、どういったモチベーションが学習という視点ではよいのか?といった問いの答えが欲しくてこの書籍を手に取りました。

書籍の構成

こちらの書籍なんですが、全体としては第7章まで+終章という構成になっています。
大きく分けると全3パート+終章という感じでしょうか。

第1章・第2章~導入部

  • 第1章 モチベーションとは何か
  • 第2章 モチベーション理論の展開

ここまでが第1部、導入部という位置づけになっていて、モチベーションとは何か、モチベーション研究の歴史、についてざっと理解するという部分と、外発的動機づけ・内発的動機づけとか、マズローの欲求階層説とか、そういったいわゆる一般的で著名なグランドセオリーと読んでいらっしゃる理論についてまとめたものです。

ただ、グランドセオリーとはいいつつも、僕は知らないものがいっぱいありましたのですごいなと思いました。

第3章-第6章~ミニセオリー

第3章以降は第2章までのグランドセオリーに対してのミニセオリー、つまり各論に相当するそうです。第3章から第6章までですね。

  • 第3章 達成と価値-目標説
  • 第4章 成功と自尊心-自信説
  • 第5章 学びと発達-成長説
  • 第6章 習慣と態度-非意識説

となっています。

こちらの4つの章は、目標、自信、成長、非意識というキーワードで分類された理論、ミニセオリーについて紹介するものです。

モチベーションというのは非常に複雑な心理的・社会的な現象であるため、それを説明するためのミニセオリーがたくさん生まれて提案されてきたということなんですね。

僕個人としてはやはり、学び・学習を視点に考えていますので、第5章の「学びと発達-成長説」、あと習慣も大事だなあと思っているので第6章の「習慣と態度-非意識説」ここは興味あり!と思って読んだんですが、結局第3章も第4章も全部が学びが多くて目からウロコだったなあと感じています。

第7章・終章~環境についてと全体の振り返り

そして

  • 第7章 場とシステム-環境説

こちらもおそらくミニセオリーなのかと思うのですが、著者の先生からすると第6章までと分けて説明されていました。こちらの第7章に関しては、環境というところに焦点をあてています。

会社組織と自分とか、コミュニティと自分とか、そういいったところでどういったモチベーションの働きがあるのかを説明する理論がたっぷりと書かれています。

僕も仕事とかコミュニティーとかを自分でやっていますので、そういった視点で読み進めることができました。非常に興味深い内容ばかりでした。

最後に

  • 終章 「モチベーションの心理学」に学ぶ

全体の振り返りについて書かれているパートとなっています。

これからも活用させていただきます!

全体の感想としては、人を動かすという社会の営みとして非常に重要な要素であるにも関わらず、モチベーションという言葉をいかに適当に使っているか、「やる気を出す」ということについていかに経験則、つまり素朴理論に頼ってきたかというのがこの書籍を読んでよくわかりました。

あと、本書で言うと理論がとてもたくさん掲載されています。参照したり参考になるものがすごくたくさんありました。

ただ、すべての理論をすぐさま思い出せるわけではないので、この書籍をときどき参照しながら活用するような、そんな使い方になるかなと思っています。今後の僕の活動にも大いに役立つだろうと思っています。

みなさんもぜひ手に取ってみてください。

まとめ

ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「書評「モチベーションの心理学 『やる気』と『意欲』のメカニズム」」をお届けしました。

タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。

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では、また。

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