みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。
こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!
今回のテーマは、顧客から本当のニーズを探り当てるための「聴く」技術です。
なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!
では、よろしくお願いいたします!
聴くことをテーマにした書籍
さて、以前の放送568回なんですけども、2024年にじっくりと読破したい名著を3冊紹介させていただきました。
こちらの中で、1冊目に紹介させていただいたのが、「LISTEN–知性豊かで創造力がある人になれる」という書籍だったんです。
これはケイトマーフィーさんという方が書かれた、まさに聴くことをテーマにした書籍です。
この書籍を読むことで、聴く技術を身につけて、それで人生を驚くほど実り豊かにすることができる、そのように伝えられているんです。
2024年の大きなテーマは「聴くこと」
この2024年、僕は個人的に、「聴くこと」を大きなテーマに据えていまして、それがなぜかっていうのをちょっとだけお話をさせていただければと思います。
今、このVoicyもそうですし、あとはXとかFacebookとか各種SNS、それから執筆などを通して、僕はデジタルスキルを皆さんに身につけていただく、そしてそのスキルを活かして、より良いお仕事をしてほしい、そういう風に思ってまして、それについて、例えばリスキリングとかDXとか、そういったテーマでたくさんの発信活動をしてるんです。
ただ、去年までの活動を通して、これがなかなか伝わらないなっていう風に感じています。
例えば、中小企業で言うと、その多くがDXとかリスキリング、今もやっていないし、これからもやる予定がない、そんな風に回答してるんです。
その理由としては、人材がいないとか、お金がないとか、時間がないとか、そういったものをあげているわけなんですけども、僕個人としては、そういったものがなくてもできることは全然たくさんあるなっていう風に思っています。
なので、本当にやらない理由っていうのは他にあるんじゃないかなっていう風に感じていますし、実際に経営者の皆さんだったり、ビジネスパーソンの皆さんが、どこに課題を感じていて、心の中のどういったところの琴線を弾けば、見方とか行動が変わるのか、そういったことにものすごく興味があるわけなんです。
ただ、それを知るためには、一次情報を取りに行かないと全然わからないわけなんです。
そのための一つの手法として、聴くことというのがものすごく有効なんじゃないか、こんな風に考えて、それで今年のテーマとして据えている、そういった話になります。
ノンプロ研の輪読会で取り上げた
それを受けて、今年の1月から僕が運営している学習コミュニティ、ノンプロ研っていうコミュニティがあるんですけれども、そちらの中で輪読会を開催させていただきまして、このLISTENという書籍を取り上げてるんです。
先日、その第2回が行われたわけなんですけれども、ちょうど自分のパートがまさに今日、僕が前段でお話をしている「顧客の声を聴く」というところにフォーカスが当たったパートとなっていましたので、今日はこの学びについて話をしていきたいなと思ってます。
具体的には、このLISTENの8章にあたるんですけども、その8章のタイトルは「ビッグヒットは消費者の声を聴くことから生まれる」、というタイトルです。
つまり、顧客の声をヒントにして、ビッグヒットつまりビジネスの成功が得られると、こういったことを取り扱う章になっています。
グループインタビューで顧客の声を聴く
ケーキミックスの商品の話
ここで1つの例として、ケーキミックスの商品の話が挙げられていたんです。
あるメーカーのケーキミックスなんですけども、ちょっと問題を抱えていました。
というのも、その商品というのは、水を入れて混ぜて焼くだけという非常に手軽に作れる、お母さんたちには大変ありがたい、そういった商品だったはずなんですけれども、しかしその売れ行きは芳しくなかったわけです。
そこで対策として何をしたかというと、グループインタビューをしたわけです。
つまり、リアルの顧客の皆さんに集まっていただいて、直接色々とお話を伺ったり、質問したりして、その実際の利用者たちの声を聞こうと、まあそういった場を設けたということです。
そこで、ケーキミックスの商品開発者たちは驚くべき声を聴くことになるんです。
それが何かというと、このケーキミックスが簡単すぎて罪悪感を覚えてしまう、そういったものでした。
開発者たちは、母親たちの手間をできる限り無くしてあげようと、そういった気持ちから、その手間のかからなさをとことんまで追求したわけなんですけれども、それがなんと裏目に出てしまっていたということなんです。
母親たちからすると、あまりにも簡単すぎて、作っている感じがしないと、愛情を込めて子供たちにパンケーキを作ってあげる、そういったことができている気がしない、そういう風に感じてしまっていたわけです。
その意外な反応を受けて、開発者たちはケーキミックスを改良します。
何をしたかというと、ケーキミックスから卵の成分を抜いたわけです。
これによってケーキミックスの作り方として、ケーキミックスに水を入れるだけではなくて卵を割って溶いて混ぜると、そういったひと手間が入るようになりました。
その結果、このケーキミックスは爆発的に売れるようになりました。
母親たちが感じていた罪悪感を取り除くことができましたし、かつ新鮮な卵を使うことになりましたので、より美味しくなったということなんです。
グループインタビューはリッチな情報を得られる
このグループインタビューという手法は、定性的調査としては、よく取られている手法なんですけれども、今デジタル化が進んでいて、様々なデータが取れるようになりましたので、そういったテクノロジーの力を借りた定量調査に比べると、確かにコストパフォーマンスが悪いように見えます。
しかし、こういったインタビューを通して生の声を聴くというのは、定量調査では決して得られない、感情とか、動機とか、習慣とか、そういった非常にリッチな情報を得られる貴重な機会になるということなんです。
変化を嫌う人を動かす
さて、このケーキミックスの事例なんですけども、実は最近読んだ別の書籍でもこの事例が紹介されていたんです。
どの書籍かというと、「変化を嫌う人を動かす」という書籍で、ロレン・ノードグレンさんとデイヴィッド・ションタルさん2人の執筆によるものです。
この書籍は、まさにタイトルの通り変化を嫌う人をいかに動かすかという話なんですけれども、そういった人を動かすにはプッシュして力を加える、それだけでは足りないよと、で、何が必要かというと、変化を嫌う原因となる抵抗があるので、それを抑えることも必要だよということを伝えてるんです。
この抵抗には4種類ありまして、何かというと、
- 惰性
- 能力
- 感情
- 心理的反発
こちらになります。
ちょうど、この変化を嫌う原因となる抵抗の3つ目、感情のところで、このケーキミックスのエピソードが紹介されていたんです。
なぜかDXは強い抵抗にあってしまうことが少なくない
例えば、DX推進の現場でよく見る姿なんですけれども、DX推進担当が社内でああしましょうこうしましょうと提案していくわけなんです。
で、その提案内容が経営的にも、もしくは従業員の立場に立ったとしても、明らかにメリットばかりであると、しかも起こり得るであろうリスクに関しても、ほぼほぼ想定されていて回避対応は十分にできそうである、そしてコストも安く済むと合理的に判断するのであればやらない手はない、こういった状態であったとしても、なぜか強い抵抗にあってしまうそういったことが少なくないわけなんです。
ここで従業員たちから上がっている抵抗、その原因となっているのは、例えばこんなものがあります。
その提案に同意してしまったら、今まで自分たちが培ってきた自分たちのやり方を否定することになると、そして新しい手法を受け入れてしまったら、自分たちの居場所的なものがなくなってしまうような気がする、そういった寂しさとか痛みを感じる、このような感情面の抵抗が起きる、そういったことも少なくないわけです。
さらにいくらその提案が合理的に正しいからと言って、十分な説明がないように思えるし、急にそんな話を持ちかけられても、うんとはなかなか言えない、まあそういった力に対して反発しようとする心理的な反応、これを心理的反発と言うんですけども、そういったものが原因となっている場合もあるわけです。
こういった感情面だったりとか、心理的な側面で言うと、正直にその本人たちが言ってくれればわかるんですけれども、なかなかそれを正直に言うことは少ないわけです。
自分たちには到底難しくて扱えないとか、セキュリティが心配だとか、色々な理由をつけて抵抗を反発をするんですけれども、本当の理由はそこではなくて、本音や隠されていることがあったりします。
また、本人たちも、その理由に無自覚できちんと説明できない、そういったこともあるわけです。
そこで聴くスキル、これが効いてくるということなんです。
質問の仕方の2つのコツ
LISTENではとにかく自分の意図通りにコントロールしたい、そういう気持ちを我慢しましょう、まずはこのように伝えています。
そして相手に興味関心を持って、市民になって聴くこと、これを進めているんです。
そして相手が話した話をとにかく素直に受け止める、これを徹底するということを伝えています。
また、質問の仕方としては、色々なコツが紹介されていたんですけれども、ここでは2つ紹介したいと思います。
当たり前の質問をしない
1つは、安易に肯定されるような当たり前の質問をしないってことです。
例えば、先ほどのDXリスキリングの調査で推進しない理由は何ですか、こんな質問です。
人材がいない、お金がない、時間がない、それっぽい回答があると、それにチェックを入れてしまうわけなんですけども、本当の真実は、なかなかそれでは見つけられないわけですね。
理由を聴く質問をしない
2つ目のコツとしては、なぜという理由を聴く質問をしないということです。
これは相手を身構えさせてしまう、そういった種類の質問になりますので、やや尋問風になってしまうと、例えば、なぜ夜にコンビニに行くのですかと聴くのではなくて、夜11時頃に外出した時のことをお話しいただけますか、このように話を促すのがいいんじゃないか、そのように提案されていました。
さて、この聴くことなんですけれども、顧客の本当のニーズを引き出すという場面はもちろんなんですけれども、マネージャーとスタッフ、先生と生徒、親と子様々な場面で使えるんじゃないかと思います。
ぜひご参考ください。
まとめ
ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「顧客から本当のニーズを探り当てるための「聴く」技術」をお届けしました。
今日は書籍LISTENの中から、顧客から本当のニーズを探り当てる、そのための方法として、聴くことが有効であること、また、その質問のコツ2つ紹介させていただきました。
今回は、ビジネスの現場で顧客からニーズを聞き出す、そういった文脈での聴くことの価値みたいなところを話をしたわけなんですけれども、職場を始めとしたいろいろな人との関わりの中で、この聴くことの可能性というのをものすごく今感じてるところなんです。
日本ではよくハイコンテクトコミュニケーションなんて言われていて、つまり文脈がかなり共有されているので、あえて言葉に出さずともコミュニケーションは取れる、そういったことが言われているわけなんです。
けれども、とはいえ、やはり他人との価値観は違っているわけですし、時代としても多様な価値観をみんなが持つようになってきてるわけなんで、この辺りもっと丁寧に聴くとか、対話する、そういった場が増えていくと、いくつかの問題は解決しやすくなったりとか、もしくは問題すら起こらなくなったりとか、そういったことも期待できるんじゃないかな、そんな風に思いました。
ぜひこのLISTENという書籍、様々な聴くことの可能性について伝えていますので、ご興味ある方は是非手に取っていただければと思います。
タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。
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では、また。