横文字ばかり使うのはいかがなものか


横文字ばかり使うのはいかがなものか

みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。

こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!

今回のテーマは、横文字ばかり使うのはいかがなものかです。

#549 横文字ばかり使うのはいかがなものか | タカハシノリアキ「『働く』の価値を上げるスキルアップラジオ」/ Voicy - 音声プラットフォーム
音声放送チャンネル「タカハシノリアキ」の「#549 横文字ばかり使うのはいかがなものか(2023年12月8日放送)」。Voicy - 音声プラットフォーム

なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!

では、よろしくお願いいたします!

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横文字を使わないのは親切なのか

よく、横文字使わないでくれという話があったりしますよね。

例えば「モチベーション」。これはやる気でいいんじゃないか、「サスティナブル」は持続可能と言ってほしいとか、「エビデンス」は証拠でいいんじゃないかとかです。

そういった感じで日本語で表現できるのだから、その方が親切なんじゃないかという話なんです。

横文字を使うと相手に伝わらない時もあるので、そういった表現は使わない方がいいというのは確かにそうかなと思います。

時々、横字使うとなんか意識高いとか、賢く見せたいんでしょうみたいな風に言う方もいらっしゃるんですが、ちょっとそれは言い過ぎかなと思います。

「リスキリング」を例に考えてみる

僕のお仕事の領域で言うと、「リスキリング」って言葉がまさにそうですね。「リスキリング」は日本では去年ぐらいからメディアで多く使われ始めたかと思います。

その言葉の出始めの時は、旧Twitter、Xでは「リスが死ぬってなんだ」とか、「リスポーンしてすぐ死ぬ」とか言ってるのかなとか、そんな話題で盛り上がっていた記憶があります。

横文字を使うかどうかという点についての僕のスタンスなんですが、相手に伝わるような言葉を使おうねというのは大事だなと思うんです。

なので、知らない言葉をむやみに使うというのはよくないと、そこは同意します。

ただ、だからと言って、横文字を一切使わなくていいかと言ったらそうではないというのが僕のスタンスなんです。

「リスキリング」と言う言葉に拒絶反応

1つの例として、先ほど出た「リスキリング」という言葉について考えてみます。

今年は、リスキリングという言葉をよく使って活動したんですが、やはり一部の人たちには、もうリスキリングという言葉を使った時点で拒絶反応が出てしまうんです。

その後の話がなかなかできなくなっちゃう、こういった現象が起きていました。

この事実は結構身に染みています。

「学び直し」ではニュアンスが変わってしまう

じゃあ日本語を使えばいいかというと、この「リスキリング」、新聞などで言うと「学び直し」という日本語が当てられています。

でもこれだと、昔から使われていたリカレント教育と同じ訳になってしまっていて混乱しちゃうんです。

この区別に関して、文脈使い分けられるだろうと思う方もいらっしゃるんですが、別の問題もあって、リスキリングという言葉に込められていたニュアンスが削がれてしまうという問題があるなと思うんです。

というのも、このリスキリングという言葉が広がったのは、2018年からのダボス会議で何年間かにわたって使われた言葉なんです。

そこには、技術革新によって社会のスピードやビジネスのスピードが速くなってきているという背景があります。

ビジネスパーソンも、今までのようなスピードではなくて、新しいスキルを身につけるスピードを速くしていかないといけないといった警鐘を込めた意味として広まったんです。

ただ、このようなニュアンスというのは、学び直しという日本語訳に当てた時点で削がれてしまうといった問題があります。

意味を取り違えているかも

その一例としてこんな記事がありました。リスキリングをしたいならそもそもデジタルじゃなくてもいいよ、といった主張をする記事だったんです。

もしその読者が、デジタルはめちゃめちゃ嫌いで絶対に今やりたくないというスタンスだったら、そんなに無理して学ばなくてもいいかなとは思います。

ただ、今の時代のリスキリングでデジタルを眼中から外していいよというのは、僕だったら言い切れないなと思うんです。少しずつできる範囲からでもいいので、できるならやれた方がいいと思っています。

先ほどお伝えした通り、リスキリングという言葉が生まれた背景には技術革新のスピードの速さがあるわけです。なので、それについて行けた方がいいねといったニュアンスが込められているわけです。

去年生まれたChatGPTを使うえば、何かに関するアイデアを数10個一気に集めてくるとか、結構長い論文を要約してもらうとかいったものがあっという間にできるようになるわけです。

この作業をしている時に何がしたいかというと、デジタルを触りたいわけではなく、その先にある目的、例えばアイデアを集めてきていい企画を作ろうとか、ある論文を読んで最新の研究について知りたいとか、そういった目的があるわけです。

その目的を一層速く解決するための手段としてのデジタルがあるわけで、そして、そのデジタル技術がもう毎年毎年新しいものが出てきて、より進化しているっていう話なんです。

ちょっと話を戻しますと、とにかくリスキリングにはスピードとニュアンスが裏にあるので、今現時点で言うと、デジタルとかAIとかいった分野は簡単に排除できる概念じゃないんじゃないかなと僕は思っています。

プログラミングの横文字

では横文字、もっと極端な例をお伝えします。よくわからんって思うかもしれないですけど、ちょっとお付き合いいただければと思います。

プログラミングを勉強すると、プログラミングならではの専門用語がたくさん出てきます。例えば、変数とか関数、ブール型とかオブジェクト、いろんなワードがどんどん出てきます。

それらはまだマシなんですが、例えばPythonの公式ドキュメントを見るとこんな言葉が出てきます。「イミュータブルなシーケンス」これ、全く意味わかりませんよね。

これは、日本語で表現しようと思ったら、「その要素の変更を禁止している順序のある集合」こんな表現の仕方になります。

横文字を使わないでくれって言われて、じゃあこの日本語でずっと表現し続けるのって、かなり無理があると僕は思うんです。親切かというとそうじゃないなと。

それよりも、「シーケンスっていう言葉があって、それは順序のある集合のことを言うんだよ」とか、「イミュータブルというのは、その要素の変更が禁止されているいう意味なんだよ」とかちゃんと教えてあげる方が親切だなって思うんです。

その人が、「イミュータブルなシーケンス」という言葉に触れたとしても、その意味が理解できるように促す方が親切なんじゃないかって僕は思っているんです。

横文字を使わないで書籍を書く?!

ある出版社の編集さんから、こういった横文字使わないで書籍を書いてくれって言われたことがあるんですが、それはさすがに無理ですよってお伝えしたんです。

というのも、公式ドキュメントにはこういった専門用語が当たり前のように使われているわけです。

その公式ドキュメントをきちんと理解して読めるようにする。そのドキュメントを活用しながらプログラミングができるようになるというのが、プログラミングの上達と言うんじゃないかなと思っているんです。

そこには、言葉の理解という学びも含まれていなければならないというのが僕の考えです。

言葉のストックをアップデートし続ける

こう考えると、プログラミングというのは理系ってよく言われるんですが、僕はそうとも言い切れないなと思います。

そもそもプログラミング言語と言うわけですから言語ですし、そこには文法があります。まさに言語学に近いんです。

一方で、数学とか物理とかの知識が必要かというと、もちろんデータサイエンスとか機械学習とかの分野のプログラミングをするのであれば必要になってきます。

ただ一般的にExcelを操作したり、スプレッドシートを操作したりといったプログラミングで言うと、数学の知識は全く必要はありません。

そして、そもそも先ほどお伝えした通り、新しい言葉がじゃんじゃん出てくるんです。

どちらかというと、そういった新しく出てくる言葉の意味を素早くキャッチアップして、自分の言葉のストックをアップデートし続けることが、特にプログラミング学習の初期段階では重要だったりします。

新しい技術や概念を表す横文字

このように横文字をはじめとする新しい言葉というのは、新しく生まれた技術とか概念とかを説明するために生まれるんです。

その言葉を生み出すということで、長々と説明しなきゃいけないようなことの密度を高めて短い言葉で説明できるようにする。

そして、それがそもそもITとかデジタル分野で言うと、新しい技術がとか概念とかがガンガン生まれるので、たくさんの新しいキーワードが生まれる。

それがたまたま横文字であることが多いということなんじゃないかなって理解しています。

無理して日本語に訳さない

ちなみにこの横文字に関してなんですが、日本語という言語は、他国の言葉をそのまま耳で聞いた通り片仮名で持ってくるという文化があって、これは機能としてはかなり強力なんじゃないかなって僕は思っています。

例えば、変数とか関数とかプログラミング言語の用語は、一昔前に持ってきたやつはわざわざ無理して日本語に直したことで数学っぽい訳語が当てはめられてしまっています。

だから理系っぽい雰囲気が出ちゃったりしているなって思いますし、そのものをうまく表現できていないんじゃないかなって思うんです。これはもったいない話です。

それを反省して、最近外国で生まれた概念とか技術、それに関する言葉に関しては、そのままカタカナで持ってきたり、場合によってはアルファベットで持ってきちゃっているわけです。

そうした方が、下手なニュアンスのそぎ落としとか意味のねじ曲げとかが起きづらいなと思います。

新しい言葉を拒絶せず理解してみよう

まとめますと、確かに、初めましての人にむやみに横文字や専門用語を使いまくるのは親切ではないなと思います。

スキルアップラジオでは初めましての人に出会う可能性がありますので、そういった言葉をむやみに使いまくるのはやめようと思っています。

ただ、その新しく生まれた言葉がどういった意味なのかなというのを知ってもらう機会ってすごく大切だと思っています。

ぜひ皆さんには、知らない言葉だからと言って拒絶するのではなく、その新しい言葉ってどういった意味があるのかな、どういったニュアンスがあるのかなといったことを知っていただきたいなって思うんです。

外国の方とコミュニケーション取るのと同じように、ITを専門としている人たちとコミュニケーションを取る時に、その人たちが使っている言葉を拒否していたら、いいコミュニケーションは生まれないです。

僕のような人間の役割としては、その間の溝がもしあるのであればそれを埋めていって、お互いのコミュニケーションが豊かに円滑になるようにサポートしていくことなのかな、なんていう風に思っています。

まとめ

ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「横文字ばかり使うのはいかがなものか」をお届けしました。

タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。

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では、また。

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