
みなさん、こんにちは! タカハシ(@ntakahashi0505)です。
「週刊Work&Techニュース」 2025/06/20版をお送りします!
今週のワークとテックの主なニュースをざっとチェックし時流をつかんでいただくことができますよ。
では、行ってみましょう!
OpenAI、反競争的行為でMicrosoft告発を検討
OpenAIが、最大の支援者であるMicrosoftが両社の提携関係において反競争的行為を行ったとして、告発を検討していることが明らかになりました。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が関係者の話として報じた内容によると、OpenAI側は契約条件が独占禁止法(反トラスト法)に違反していないか、連邦当局に審査を求めることも視野に入れています。
両社は現在も協議を続けていますが、特にAIコーディングスタートアップ「Windsurf」の買収や知的財産権をめぐる対立が深刻化しており、従来の蜜月関係に亀裂が入っています。

OpenAIとMicrosoftは、2019年からAI開発で非常に近い関係を築いてきました。しかし、OpenAIが急速に成長し、事業を広げていく中で、両社の目指す方向が少しずつずれてきているようです。
特に、OpenAIがAIを使ってプログラミングを支援するスタートアップ企業「Windsurf」を買収しようとしたことをきっかけに、両社の対立が深まっています。
今回の対立の大きなポイントは、MicrosoftがOpenAIの技術や知的財産に対して、かなり広い範囲でアクセスできる権利を持っている点にあります。Microsoftには「GitHub Copilot」という強力な製品があるため、OpenAIが買収しようとしている「Windsurf」の技術が競合してしまう、というわけですね。
この対立の背景には、OpenAIがこれから営利企業へと本格的に舵を切り、株式公開(IPO)も視野に入れる中で、Microsoftの影響力から少し距離を置きたいという考えがあるようです。
Googleが20億ユーザーに警告―今すぐGmailをパスワードからパスキーに変更を
Googleは、Gmailを含むGoogleアカウントの世界中の20億ユーザーに対し、従来のパスワード認証から「パスキー」への即時変更を強く推奨する警告を発しました。
パスキーは、指紋や顔認証、端末のPINなどを使ってログインできる新しい認証方式で、フィッシングやパスワード漏洩のリスクを大幅に減らせます。
米国では消費者の60%以上が詐欺の増加を感じ、3分の1がデータ侵害を経験したとの調査結果もあり、セキュリティ強化が急務となっています。

パスキーは、これまで使ってきたパスワードに代わる、新しい認証の仕組みです。なんだか難しそうに聞こえるかもしれませんが、実はとても便利で安全なんですよ。
スマートフォンやパソコンなどの端末の中に「秘密鍵」という大切な情報をしまっておき、それとペアになる「公開鍵」を使って認証する仕組みです。この大切な「秘密鍵」は端末の外に出ることがないので、とても安全なんですね。パスワードのように覚える必要もなく、指紋や顔認証でサッとログインできます。
パスワード管理ツール「1Password」の専門家も、「パスキーはハッカーにとって推測や傍受がほぼ不可能です。なぜなら、鍵はランダムに生成され、サインインのプロセス中に共有されることがないからです」とその安全性を語っています。
パスキーへの移行の方法は以下記事からご覧いただけます。
OpenAI社員引き抜きでメタが契約金145億円提示
米オープンAIのサム・アルトマンCEOが、メタ・プラットフォームズが同社の従業員を引き抜くため、最高1億ドル(約145億円)の契約金とさらに高額の年間報酬パッケージを提示していると明らかにしました。
アルトマン氏は、自身の弟が司会を務めるポッドキャストで「常軌を逸した金額」とコメントし、メタがオープンAIから多くの人材を獲得しようとしているものの、「現時点で当社の最も優秀な人材は誰一人として応じていない」と述べています。

AIの世界をリードするOpenAIと、SNSでおなじみのメタ(旧Facebook)との間で、優秀な人材の奪い合いが激しくなっている、というのが今回のニュースの背景です。
メタのCEOであるマーク・ザッカーバーグ氏自らが、新しい「スーパーインテリジェンス」チームを作るために、業界のトップクラスの研究者に声をかけ、非常に高い報酬を提示しているそうです。
先週のニュースで、米スケールAIへの143億ドルの投資を発表したというニュースがありました。これは、同社のアレクサンドル・ワンCEOや側近の技術者を獲得する人材獲得目的の投資、つまりアクハイヤーであるとも言われています。
このように、トップクラスのAI技術者を巡る争いは激しくなる一方で、一般的なIT技術者にとっては、AIによって仕事が置き換えられるかもしれないという厳しい現実もある、という二極化が進んでいるのかもしれませんね。
アマゾン、将来の従業員削減に言及 AIで置き換えと説明
米アマゾンのアンディ・ジャシーCEOは、2025年6月17日に従業員向けに公開したメッセージで、人工知能(AI)の導入によって今後数年間で従業員数の削減が進むとの見通しを示しました。
生成AIやAIエージェントの活用により、業務効率が向上し、一部の業務では人員削減が必要となる一方で、新たな業務に従事する人材も増えると説明しています。
ジャシーCEOは、AIを「頼れるチームメート」と捉え、社員にはAIに関する知識を身につけるよう呼びかけています。

アマゾンでは、今話題の生成AIなどを活用して、これまで人が行っていた仕事を自動化する動きが進んでいます。例えば、倉庫の在庫管理やお客様からの問い合わせ対応、商品ページの作成といった、さまざまな業務が効率化されているんですね。
こうした流れは、決まった手順で行う仕事を中心に、人員の削減につながる可能性があります。その一方で、これからはAIをうまく使いこなし、一緒に仕事ができるスキルを持った人材が、ますます求められるようになっていくということでもあります。
ジャシーCEOの発言は、AIが私たちの働き方に与える影響が、単なる予測ではなく、企業の具体的な経営計画に組み込まれていることをはっきりと示しています。これはアマゾンだけの話ではなく、IT業界全体の大きな流れと言えます。
これからは、私たち一人ひとりがAIとどう向き合い、共に働いていくかを考え、新しいスキルを身につけていくことが大切になりますね。
2040年に理工系技術者が100万人不足と推計 私大を重点支援へ
2040年には理工系技術者が100万人以上不足し、一方で大学卒業の文系人材は約30万人が職に就けない状況になるとの推計が発表されました。
これは、2025年6月18日に文部科学省の有識者会議で示されたデータです。
デジタル化やAI、ロボットの導入が進むことで、事務や販売、サービス業などの従事者は減少傾向にあり、文系人材の需要が減ると予測されています。
一方、理工系技術者の需要は今後も増加し続けるため、文科省は私立大学の理工系学部に対する助成金の重点配分を強化する方針を検討しています。

実は、日本の大学では、理科や工学を学ぶ学生の割合が、他の先進国と比べてかなり低いという現状があります。そのため、将来の技術開発を担う理工系の学生を増やすことが、今とても重要な課題になっているんです。
特に私立大学は、たくさんの理工系の学生を育てており、日本の産業を支える上で大切な役割を担っています。ただ、理工系の学部は実験設備などにお金がかかるため、大学だけで運営していくのはなかなか大変です。そこで、国からのサポートがとても重要になってくるんですね。
こうした背景から、文部科学省は、私立大学の理工系学部への支援を手厚くしていく方針です。これによって、日本の技術力を高め、世界と競争していける力をつけていこうという狙いがあります。
まとめ
以上、「週刊Work&Techニュース」2025/06/20版についてお伝えしました。
引き続き、みなさんがいきいきと学び・働くためのヒントをお届けしていきます。次回をお楽しみに!
この話を耳から聴きたい方はこちらからどうぞ!