Googleに学ぶ、直観や独善を排除して真実とデータによって作る最高のチーム

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photo credit: Google HQ via photopin (license)

みなさん、こんにちは!
タカハシ(@ntakahashi0505)です。

ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変えるを読みました。

「最も働きやすいアメリカ企業100選」で4年連続、6回の1位に輝いたGoogle社。

本書は、その人事のトップがGoogleの人事について語り尽くした本です。

読んでみての感想なんですが…

なんか凹みました。

あまりにも衝撃的に自分のマネジャーとしての無能さを露呈されたようで…

そんな感じですが、Googleが実践している最高のチーム作りについて書いてみようと思います。

マネジメントへの強い苦手意識

私は30歳で音楽への道を諦めてから、昨年独立するまで、いくつかの企業を転々としながらサラリーマンをしていまして、その多くはマネジャーとしての職についていました。

リーダー、担当部長、事業部長など色々な名前はついているにしても、いわゆる管理職です。

でも、マネジメントについては全く自信がありません。

  • 自分が面接して採用した人材がすぐに辞めてしまう
  • メンバーのスキルが一向に上がらない
  • メンバーのモチベーションが明らかに低い
  • 目標管理を機能させられない
  • 評価は結局のところ本人の成果ではなくて会社の業績
  • 残業時間の格差が全然埋まらない
  • チームの意見を経営に反映してもらえない

など、うまくいかなかったことを列挙しようと思ったらキリがありません。

今は独立をしてひとり社長 なので、そんな悩みを抱えなくて済んでいます。

ですが、将来的に弊社でも人材が必要になるときが来るかも知れません。

そんな時に、どうマネジメントをしたら良いのか…

そんなときに本書「ワーク・ルールズ!」を見かけました。

世界最高のチーム作りから学ぶ

今やGoogle社の従業員は6万人を超える巨大な組織となりながらも、どのようにして最高のチームを維持継続させているのか…とても興味深い内容です。

こちらはたった数人のチームもロクにまとめられた記憶がないわけです。

どうせGoogleのように超優秀な人材を大量に抱えていて、そちらに使える資金的なリソースが十分にある組織でしか適用できない話ばかりでしょ?

私らみたいな凡人かつ弱小な組織には活用できるノウハウなんて、いくつもあるわけない。

などと、斜に構えながら本書を読んでみます。

すると、そんなマネジャーとしての自分そして組織の運営について、至らないところが次から次へと浮き彫りになってきます。

で、凹みます。

そのうち、Googleが最高のチームを作るために実践していることのいくつかを紹介していきたいと思います。

徹底的に直観を信じない採用プロセス

面接時間の99.4%は面接官の正当化のために使われる

要するに、ほとんどの面接が無駄なのは、面接者が最初の10秒で得た印象を確証するために99.4%の時間が費やされているからなのだ。「あなた自身について聞かせてください」「あなたの最大の弱みは何ですか?」「あなたの最大の強みは何ですか?」。こんな質問には何の価値もない。

面接官は採用面接をする際に最初の10秒で決めてしまい、残りの時間はその考えを確証するために使われるんだそうです。

この現象を「確証バイアス」と言います。

で、この10秒間での判断は間違っている場合が多いわけです。

なぜなら

マネジャーは自分のチームを選抜したがるものだ。ところが、意欲に道がマネジャーでさえ、人材発掘の作業が長引くと採用基準をゆるめてしまう。(中略)ところが3カ月もたつと、たいていのマネジャーは電話に出てくれる人なら誰でも採るようになってしまう。

とある通りです。

まさに、そうしてた自分が過去にいます。

採用…裁量を発揮できる数少ない領域

世の多くの企業もそうなのかわかりませんが、私が働いていた会社では、管理職(というか現場も含めて、経営陣以外のすべての従業員)の裁量があまりありませんでした。

とある時期では20人以上いるチームとその事業を任されながらも、その権限規定により、私には1回あたり5万円の起案権しか与えられていないときもありました。

決済権ではなくて起案権であることに注意ください。(逆に言うと、管理職ではないスタッフには、起案する権利すらなかったわけです。)

そうなると、管理職は金銭面での裁量は極小ですから、金銭面以外の裁量が許されているところでその力を発揮したいと思ってしまいます。

となると、「人」ですよね。

その最たるものがチーム作り、つまり採用ということになります。

採用面接では、(会社ではなくて)自分の力になってくれるような人材を10秒で選ぶ、ということを好んでやるわけです。

今思うと、あまりのイケてなさ…ため息が出ちゃいます。

人材の質を確保するために妥協をしない

Googleではそのような独善的な採用にならないように、採用プロセスにおける採用部門のマネジャーの権限はごく限定的にしています。

一方で

  • 採用のエキスパート
  • 求職者の部下になる人物による面接
  • 職能の枠外の面接者
  • 採用委員会
  • 上級幹部審査

など、それはもう様々な角度で検討が繰り返されます。

一人当たりの採用にものすごいコストが発生していますが、Googleに言わせると

上位10%に入る求職者であれば、どんなに悪くても平均的な年間成績は達成するだろう。(中略)だが平均的な求職者の場合、多額のトレーニング資源を使うばかりか、平均を上回る期待と同じくらい、はるかに下回る成績で終わる心配もある。

だから良いんです。お金は採用前にかけるほうが、採用後にかけるほうより効果的なのです。

また、Googleでは採用率や面接回数などのデータをもとに採用プロセス自体の評価と見直しも常に行われています。

個々の面接者についても

すべての面接者が、自分が過去に面接で付けた点数と、面接した人たちが採用されたかどうかの記録を見ることができる。(中略)それぞれの受験者の情報をあとで審査する人が、ある面接官の判断が信頼できるか、それとも無視すべきなのかを知ることができる。

とある通りです。

マネジャーの意見ではなく、データにもとづいて意思決定をする

採用についてはマネジャーの権限はすっかり取り去られてしまいました。

で、この次の章では

マネジャーが他人の意見を聞かずには報酬額や昇進を決められない仕組みについても紹介していきたい。

などと意気揚々と宣言されています。

おっしゃる通り、Googleでは報酬額や昇進なども採用と同じように多角的な視点で検討され、誰かの直観や独善ではことが進まないようにできています。

これでは、マネジャーとしての役割や存在意義はないのでは?

となりますが、実はそうではないようです。Googleでは、きちんとマネジャーの役割はあります。

真実の探求における進行役

「この件なのですが、どうしましょう?」

メンバーがマネジャーにこのように質問をすることがあります。

あるマネジャーであれば「このようにしなさい」と指示を与え、あるマネジャーであれば「君がしたいようにしなさい」と任せます。

どちらが正しい回答でしょうか?

私だったら後者の回答が多かった気がします。

しかし、Googleに言わせると、どちらも正しくないようです。

というのも

データに依拠すること―さらに言えば、あらゆる話し合いにデータの裏付けを求めること―によって、マネジャーの昔ながらの役割をひっくり返すことができるのだ。最も有用な事実がそれぞれの意思決定に影響を及ぼし、マネジャーは直観の提示者から、真実の探求における進行役に変身する。

とある通り、マネジャーには「真実の探求における進行役」という役割を期待されています。

まさにGoogleらしい表現だと思いました。

これを読んで、元Google担当副社長そしてYahoo!の現CEOであるメリッサ・マイヤーさんの記事を思い出しました。

メイヤーは、数値と事実が会議を効果的にすると信じています。彼女はデータを優れた平準化装置だと考えています。よって、インターンであれ、副社長であれ、データの裏付けがある意見がより尊重されます。データに基いて意思決定をすれば、見解の相違や社内政治から発生する長くて無用な議論を避けられます。

私はマネジャーの役割は「決めること」だと勘違いをしていましたが、そうではないようです。

オープンでないなら経営者の立場で考えることはできない

しかしながら皆さんの会社ではデータがオープンになっていますか?

従業員は会社の事業計画、製品のロードマップ、ソースコード、取締役会の決議内容などの情報は受け取れていますでしょうか?

もし、そうでないとしたら「経営者の立場で考えて欲しい」という期待は達成することは難しいといえます。

なぜなら、経営者と同じ情報が与えられていないわけですから。

会社によっては、自社の全体の売上すら社員が知らないというケースもあるようで、都合が悪いことはメンバーには伝えていなかったことがあるかも知れません。

さて、Googleでは先ほど列挙したすべてがオープンにされているそうです。

基本的に、あなたが(大半の人と同じく)「社員はわが社の最大の資産」だと言うのなら、オープンを原則としなければならない。さもないと、社員と自分自身に嘘をついていることになる。社員が重要だと言いながら、重要ではないかのように扱っているからだ。オープンを原則とすれば、社員はこう実感できる。自分たちは信頼に値するし、優れた判断力を持っていると信じてもらっているのだと。

まとめ

いくつかしか紹介できませんでしたが、Googleが徹底していることは

  • 直観や独善を信じない
  • 事実とデータを信じる

で、結果的に従業員を信じるということです。

データの活用というと、営業やマーケティング、生産部門などは利用されているイメージがあります。

Googleでは「人事」という領域においてデータによる判断が徹底されているというのが、その強みの理由の一つだと感じられますし、その点が本書の最も大きな発見といっも良いのではないでしょうか。

世に発表されている様々な文献を常に研究して取り入れていますし、社内でもひたすら実験を繰り返して、何が真実かを探求しています。

今回触れた採用、権限だけでなく、評価、報酬、人材育成、コミュニティ、ナッジ…全ての局面で徹底されています。

私ですが、いつかチャンスが来ることがあったのであれば

「この件なのですが、どうしましょう?」

「データはある?」

と返してみたいと思います。