みなさん、こんにちは!
タカハシ(@ntakahashi0505)です。
2014年8月から個人事業(副業という形ではありますが)を始めまして、先月2015年6月に法人化をしました。
やはり個人事業とは異なり書類も手順も多く複雑…。
クラウド会計ソフトを手掛けるfreeeが会社設立にかかる書類作成などをサポートするサービス「会社設立freee」をスタートしましたが、それに際して代表取締役の佐々木氏が語った中で
佐々木氏はそこで「ビジネスのしやすさ」と「ビジネスのはじめやすさ」の世界ランキング(世界銀行調査)を持ち出す。これによると、日本はビジネスのしやすさで29位とまずまずの順位である一方、ビジネスのはじめやすさでは83位とかなり低い順位になっている。
という指摘がありました。
正規社員、非正規社員という働き方は主流にありつつも、クラウドソーシングやネットの活用などでフリーランスで働くことがしやすくなってきています。
その中で場合によっては、信用面や税制面で法人化を検討する方も増えてくるかも知れません。
本記事では私が通ってきた会社設立のダンドリを実経験を踏まえましてコメントを入れつつまとめてみました。
今後、法人立ち上げをされる方のお役に立てれば幸いです。
事業計画の作成
法人設立の手続きには必要はないのですが、最初に事業計画を作っておくことを強くオススメしておきます。
エクセルなどで月別推移を計画したものと、パワーポイントなどによる事業説明資料と両方を作成しておくと良いです。
理由としては2つあります。
- 事業をつぶさないため
- 事業を良くするため
個人事業でも同じなのですがキャッシュが尽きてしまうと終了です。
法人設立ではよくわからんお金がかかります。定款認証と登記だけで20万円かかりますし、ハンコなどの備品や交通費なども積もると馬鹿になりません。
また、ほとんどの収入は働いた月の翌月以降に入りますので、儲かっているように見えても資金が尽きるときが来てしまう場合があります。
ということで、スタート直後はどちらかというと損益計算だけでなく資金繰りをきちんと計画しておくのがオススメです。
あとパワーポイントのほうですが、これから税理士さんや外部の方々に話をするときに用意しておくと良いです。できれば取引先候補にはなりえない人にこの資料を作って話すのが良いです。
事業自体や事業の説明の仕方について、実際の取引先に提案する前に練習とブラッシュアップをすることができます。
話をしてみて響いてなさそうでしたら、事業の内容か資料の作り方や話し方を変えます。
またここで作った事業計画は日本金融公庫などの創業融資の申請などの際にも転用できます。
興味がおありなら以下ページから「創業計画書」「事業計画書」あたりのフォーマットに慣れておいていただけると良いと思います。
顧問税理士の決定
顧問税理士は最悪いなくても事業は進められるのですが、毎月の経理業務や決算の支援、税制面のアドバイス、融資の支援などを専門家の視点でしていただけます。
場合によっては後程紹介するBizerでも良いのかも知れませんが、私の場合は助成金や融資なども詳しい話と突っ込んだ支援を受けたいということもありましたので、税理士さんは別途お願いすることにしました。
HPで検索したり、MFクラウドで紹介をしてもらったり、いろいろな方法を使って探した税理士さん6人とお会いしました。
税理士さんによって得意な業種があったり、助成金に強かったり、様々なタイプがいらっしゃいます。
「そんな事業じゃ絶対無理」と説教をくれる税理士さんもいました。色んな方がいらっしゃいます。
総じてとても勉強になりますし、前述の通りに自らの事業を説明する訓練になります。
私は決める条件としては
- IT業界での経験の有無
- MFクラウド会計に対応できる
- チャットワークでコミュニケ―ションが取れる
- 創業融資に強い
としました。
法人用印鑑3点セットを作成
実際に法務局への登記の申請を進めていくのですが、会社の印鑑が必要になります。
一般に法人印鑑3点セットと呼ばれているのですが、その内訳は
- 代表印(法人印):会社の代表であることを立証する大事な印鑑。法務局に登録し重要な書類などに使います。
- 銀行印:銀行間の取引で使用します。
- 角印:契約書、見積書、請求書などに使います。
のことをいいます。
素材や大きさがによって価格帯の幅がありますが、好みのもので良いと思います。スタンダードなモデルもありますし水牛の角とか使ったパワーがこもっていそうなモデルもあります。
ちなみに、社名が決まってないとここで慌てて決めることになります。
価格は安いもので5,000円~10,000円くらいだと思いますが、私はA8.netのセルフバックを使いましたので3,000円くらい割引になりました。
Bizerに登録
税理士さんが決まった段階で司法書士さんを紹介いただいて定款作成…といったダンドリになるようなのですが、金額が高いなぁと思っちゃったんですよね。
法人登記までに定款認証手数料で52,000円、登記免許税で150,000円は必ずかかる金額です。
一般的に司法書士さんにお願いする場合は、これに司法書士さんの手数料が50,000~100,000円程度、場合によっては定款認証印紙代が40,000円かかり、全体で25万円~30万円がかかるそうです。
なんかうまくやる方法ないかな~と調べていたら見つけました。クラウド型バックオフィスBizerです。
人事、労務、経理などのバックオフィス業務をダンドリしてサポートしてくれるサービスで月額2,980円で利用できます。
法人設立に関しては、Bizerで指示された手順通りに進めていく形になります。
進めていく中で会社の基本情報、株式、事業内容などについて各種情報を入力すると法人設立に必要な書類が全て自動で作成されます。
しかも私はこちらの記事を見て
ニコプロダクション様に招待コードを発行していただいたので、1か月間無料で登録をすることができました。
Bizerは最低3か月契約なので5,960円がかかります。
結果的に法人登記までの金額は207,960円となりました。だいぶお得な気分です。
Bizerの招待コードの発行を希望される方は以下お問い合わせ頂くか、上記ニコプロダクション様へお問い合わせお願いします。
会社情報を入力して書類を自動作成
具体的にBizerで書類を作成していく手順なのですが、まずは会社情報を入力していきます。
登記日は法務局に登記申請をする日を記入しておいてください。ここで記入した日が設立日になります。
その他Bizerで指定された欄を全部埋めていけばOKなのですが、事業内容の欄が結構悩むかも知れません。
というのも、定款の内容を変更する手続きには30,000円の登録免許税が別途かかってしまうので、将来やりそうな事業に関しては全て列挙しておいたほうが良いということです。
以下のページでいろいろな業種の事業内容の例がたくさん掲載されいていますのでご参考ください。
ちなみに進めていく上で不明な点があれば、Bizerで都度問い合わせをすることができます。
一両日中に回答を頂けることがほとんどですので、積極的に活用したほうが良いと思います。
全て入力が完成したら、「会社設立書類一括ダウンロード」ボタンをポチ。
このように必要な書類が全て自動で完成します。すごいですね~。
電子定款申込みと製本
書類が完成したら次は電子定款認証と製本を進めていきます。
定款認証?なんじゃそれ?という手順なのですが、まあBizerの言うとおりに進めば大丈夫です。
まず準備として個人の実印と印鑑証明、公証役場の手数料52,000を準備します。
次にBizerで「こちらの電子定款のお申込み」をクリックすると
Bizerに登録されている司法書士さんが内容の確認と認証、公証役場の申し込みをしてくれます。
上記完了すると連絡がありまして、電子認証済みの定款がダウンロードできるようになりますので、これを製本します。
製本の仕方もBizerの通りです。
公証役場にて定款の認証をしてもらう
続いて製本をした定款を公証役場で認証をしてもらいます。
Bizerの司法書士さんが予約してくれた日程にて定款と手数料52,000円、個人の印鑑証明を持って公証役場というところに赴いて提出をします。
公証人というのは法務大臣が任命した公務員の方々で、このように作成された定款は公証人の認証を受けなければ、その効力を生じないということだそうです。
窓口の方からもしかしたら「定款謄本は何部必要?」とか「司法書士さんの身分証は?」など全く準備のない質問を連発されるかも知れません。
その場合は落ち着いて「司法書士から連絡行っていませんか?」と逆に質問返しをすれば退散させることができます。
私の場合は公証人のオジサマが「私のほうで認証しますので」とご丁寧に挨拶に来てくれました。ステキです。
5分ほど待つと呼び出されて、完成した定款謄本とディスクを受け取りつつ精算して終了です。
発起人の銀行口座に資本金を振り込む
発起人の銀行口座に資本金を振り込み、その記録を通帳に記帳しておく必要があるそうです。
発起人は私自身で株主も私自身のみなので、自分の口座から引き出して自分の口座に振り込むという謎の段取りです。
銀行にて出金伝票と振込伝票の二枚を記入して窓口に提出してください。
ちなみに私の場合は実際にこの入出金について通帳に記帳できるようになるには1時間ほどかかるとのことでした。
すぐには出来ないんですね。
法務局への提出書類一式の準備
定款の原本、登録免許税150,000円、個人の印鑑証明のほか、Bizerからダウンロードした7種類の書類を印刷して押印したり綴じたりをして準備を進めます。
だいたい指示通りにやればよいのですが、一点だけ注意です。
Bizerでは
資本金振込の通帳や明細のコピーを、払込のあったことを証する書面と一緒にとじて、法人印で割印をしたもの
とされている書類なのですが、これは
- 1.払い込みのあったことを証する書面
- 2.通帳表紙のコピー
- 3.通帳表紙をめくったページのコピー
- 4.通帳の資本金が振り込まれたことが記帳されているページのコピー
の4枚つづりにして、各ページ割印をします。
私はこれを知らなかったおかげで法務局に行く回数が1回増えてしまいました…。
Bizerさんには別途お願いをしましたが、ここは表示内容をぜひお願いしたいところです。
法務局へ届け出
さていよいよ法務局に提出です。
相談員という方がいるので、持ってきた書類を全てチェックしてもらいます。あと公証役場でもらったディスクも忘れずに提出しましょう。
とにかく書類の数と押印の数が多いので、何か不備があることを想定して、法人印は絶対に持って行ったほうが良いです。
実際私も捨印を何か所か押すように指示をされました。
「ディスクの中身はなんですか?」と聞かれましたが…知りませんよ~。
不備がなかった場合の完了日は決まっていますので、この時に確認をしておきましょう。
再度法務局で印鑑カード公布申請書を提出
登記が完了したら再度法務局に赴き、印鑑カード公布申請書を提出します。
私の場合は完了した旨、法務局から連絡がありました。気になる方は法務局に電話確認をしてみたらよいかと思います。
印鑑カードは比較的すぐに発行されます。
発行されたらその足で、法人の印鑑証明と、登記簿謄本をそれぞれ何部か入手してしまいましょう。
証明書発行請求機というマシンで印鑑カードを使えばそれぞれ発行を依頼できます。画面にしたがって、生年月日や欲しい書類とその枚数を入力していきます。
登記簿謄本は「履歴事項全部証明書」という名称です。この後、税務署や銀行口座設立に何かと必要なので5部くらい入手しておくのが良さそうです。
印鑑証明は3部入手。
証明書発行請求機で請求を依頼すると整理番号が書かれたシートが出てきます。
その間、印紙を準備します。いくら分が必要かは整理番号に書いてあります。
すぐに窓口から整理番号を呼ばれるので、印紙を渡して各種書類を受け取ります。
税務署・都道府県税事務所に届け出
Bizerから出力した書類、登記簿およびそのコピー、定款のコピーなどを準備して、次は税務署と都道府県税事務所に届け出をします。
あと少しです。
各書類は控えも必要になるので2部ずつ用意します。
それぞれ不備がなければ提出するだけですのであっという間に完了します。
私の場合は、個人事業からの法人成りでしたので、税務署には個人事業の廃業に関する書類
- 個人事業廃業届出書
- 所得税の青色申告の取りやめ届出書
も合わせて提出しました。
まとめ
だいぶ長い道のりでしたが、これにて法人設立完了です。
Bizerではなくてfreee会社設立もありますので、好きなほうを使って頂ければと思います。
いずれにしても安くスピーディに設立できると思います。
この後も、法人銀行口座やクレジットカードの申し込み、メールアドレスやホームページ、オフィス家具や備品などまだまだ設立後にも段取りが多数あります。
まずは法人銀行口座については速やかに進める必要がありますので、こちらをご覧くださいね。
以上となりますが、会社設立の折にはぜひお役立て下さい。