
みなさん、こんにちは! タカハシ(@ntakahashi0505)です。
2015年6月にひっそりと始まった僕の会社も、おかげさまで丸10年。
思えば遠くへ来たような、いやいや、まだまだ道半ばのような…そんな感慨深い10年間を振り返ってみようと思います。
ということで、今回は「なんと起業してから10周年!これまでの軌跡を振り返ってみた」です。
では、行ってみましょう!
はじめに ~10年という節目~
早いもので、2015年の6月に株式会社プランノーツを設立してから、2025年の5月で無事に10期目を終えることができました。そして、この6月からは11期目がスタートします。
本当にあっという間だったような、でも一日一日は必死だったような、不思議な感覚です。
この10年で、何をしてきたか、まずは数字を中心にみていきたいと思います。
まず、ライフワークとも言えるコミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」、通称「ノンプロ研」は、立ち上げてから今年で8年になります。今では約180名もの素敵な仲間たちと一緒に、日々学びを深めています。
そして、コツコツと書き続けてきたブログは、気づけば2400記事を超えていました。驚きの数字です。AIに大量にくわれていると思います。
Voicyでの音声配信は2022年からスタートし、こちらもおかげさまで1000回という節目を迎えることができました。毎日のようにお話しさせていただき、本当に感謝です。そろそろ3周年なので、その話は別途できればと思ってます。
X(旧Twitter)のフォロワーさんも、ありがたいことに9600人ほどになりました。いつも温かいコメントや応援、ありがとうございます!せっかくなら1万人の大台に乗せたいですね…。
書籍も、2017年に初めての本を出させていただいてから、単著で7冊、共著では10冊も世に送り出す機会に恵まれました。これもひとえに、編集者さんや読者の皆さんのおかげです。
開発した講座も、単発のものを除けば10講座ほどになりました。たくさんの方に「わかった!」「できた!」の瞬間をお届けできていれば幸いです。
…と、こうして見ると、コツコツやることの大事さが見えてきますね。
しかし、会社の売上とか社員数といった面では、正直なところ、全然増えていません。なんとか家族と細々と、でも穏やかに暮らしております。
それでも、あのブラック企業から命からがら逃げ出し、文字通り崖っぷちからスタートした起業だったことを思うと、ここまで続けてこられたこと自体、よく頑張ったんじゃないかなぁ、なんて自分を褒めてあげたい気持ちもあります。
そんなわけで、この10年をざっくりとではありますが、振り返ってみたいと思います。しばしお付き合いいただけると嬉しいです。
崖っぷちからのスタート ~起業初期の苦闘~
僕が起業を決意したのは2015年のこと。当時勤めていたブラック企業での経験が大きなきっかけでした。
心身ともに追い詰められ、気づけば貯金もなし、これといった専門スキルもなし…。「これからどうしたらいいんだろう…」と途方に暮れていた、まさにその時でした。
「ノンプログラマーとプログラミング」ここに活路と意義を見出し、独立を決意しました。
2015年の2月頃から、少しずつ副業を始めたり、ブログを書き始めたりと、起業の準備を進めていました。そして、同年6月、ついに自分の会社を立ち上げたのです。
今でこそ、コミュニティ運営や、人に教えること、そして書くこと、といった仕事に特化していますが、当時はそうではありませんでした。
「IT関連なら何でもやります!」というスタイルで、ITの導入支援からデータ分析・レポート作成まで、本当に色々なことを手探りでやっていました。
起業にあたって、ありがたいことに3社ほどから「仕事を出すよ」というお約束をいただいていたんです。これでなんとかスタートできるぞ!と思っていたのですが…。世の中そんなに甘くはありませんでした。
1社は約束を反故にされ、もう1社からはまさかの未払い…。いきなり窮地に立たされてしまいました。
そこからの約2年間は、まさに自転車操業。日々、資金繰りに追われる毎日でした。日本政策金融公庫さんからお借りした運転資金も、あっという間に減っていきました。
通帳の残高が10万円を切ったときは、さすがに肝を冷やしましたね…。もうダメかもしれない、と何度か思いました。
転機となった書籍出版とノンプロ研の誕生
そんな苦しい状況が続いていた2016年の後半、一筋の光が差し込みます。出版社である秀和システムさんから「本を出しませんか?」という、夢のようなオファーをいただいたのです。
そして、2017年4月、僕のデビュー作となる「Excel VBAを実務で使い倒す技術」が世に出ました。この本が、本当に大きな転機となりました。この本をきっかけに、企業様から研修のご依頼が少しずつ入るようになったのです。
そして、2017年の12月。僕にとって、もう一つの大きな転換点となる出来事がありました。それが、コミュニティ「ノンプロ研」の立ち上げです。
それまでも単発の研修や講座は行っていたのですが、ノンプログラマーの方がプログラミングを本当に自分のものとして使いこなせるようになるには、それだけでは不十分だと感じていました。
一度学んだだけでは、なかなか定着しない。継続的に学び、実践し、疑問を解消できる環境が必要だ、と痛感したのです。
そんな思いからスタートしたノンプロ研ですが、初月のメンバー数は、わずか12名でした。それでも、僕にとっては大きな一歩でした。
そして、そこから順調にメンバー数は増えていきました。5年ほどで、200名近い方々が集うコミュニティへと成長してくれたのです。
このノンプロ研の成長とともに、僕自身の仕事の内容も変化していきました。それまでは、企業からの受託開発や、僕自身がIT人材として手を動かす仕事が中心でしたが、徐々に「教える仕事」、つまり、皆さんがITスキルを身につけ、それを活用できるようになるのを支援する方向へとシフトしていったのです。
正直なところ、お金を稼ぐことだけを考えれば、ITが苦手な人が多い方が、僕のような人間にとっては都合が良いのかもしれません。
でも、それでは「日本の『働く』の価値を上げる」には本質的には近づかない、と強く感じていました。
誰もが当たり前にITを使いこなし、仕事をもっとクリエイティブに、もっと楽しくできる社会にしたい。そんな思いが、僕を突き動かしていました。
新たな課題との直面 ~個人のスキルアップだけでは足りない~
ノンプロ研で学ぶ皆さんのスキルは、目に見えて上がっていきました。それは本当に嬉しいことでした。しかし、ある時、僕は大きな壁にぶつかります。
メンバーの皆さんは、確かにスキルアップしている。でも、いざ職場に戻ると、そのスキルを十分に活かせていないケースが少なくないことに気づいたのです。
会社自体がITを受け入れる体制になっていなかったり、せっかく身につけたITスキルを持つ人材をうまく活躍させられなかったり…。それどころか、新しいことに挑戦しようとすると、周囲から抵抗を受けたり、時には迫害に近い扱いを受けたりすることさえありました。
「これって、僕が本当にやりたかったことなんだろうか…?」
個人のスキルアップを支援することは、もちろん大切です。でも、それだけでは不十分なんだ、と痛感させられました。スキルを活かせる環境がなければ、宝の持ち腐れになってしまう。それは、あまりにも悲しい現実でした。
次なる挑戦:ノンプログラマー協会設立と発信活動の強化
この課題意識から、2022年6月、新たな一歩を踏み出しました。「一般社団法人ノンプログラマー協会」を設立しました。
個人のスキルアップ支援に加えて、会社や社会全体の意識を変えていく必要がある。ノンプログラマーがもっと活躍できる社会、ITを当たり前に活用できる文化を根付かせたい。そんな思いで協会を立ち上げました。
同じタイミングで、Voicyでの音声配信もスタートさせました。もっと広く、僕の思いやノンプログラマーの可能性を伝えていきたい、と考えたからです。
さらに、広報活動にも力を入れようと、外部の専門家の方にお願いして、メディアへのアプローチも試みました。
ちょうど世の中が「リスキリング」という言葉に注目し始めていた時期でもあり、この流れに乗って「デジタルリスキリング入門」という書籍を執筆。
全国各地を巡る「デジタルリスキリング出版ツアー」も開催し、多くの方に直接お会いしてお話しする機会もいただきました。
思わぬ苦戦と、見えてきたもの
しかし…現実はそう甘くはありませんでした。
期待していた「リスキリングブーム」は、僕が思っていたほど大きなうねりにはならず、執筆した書籍や出版ツアーも、残念ながら、期待したほどの反響は得られませんでした。
広報活動も、ほぼ手応えはありませんでした。Voicyのリスナー数も期待ほどは伸びない一方で、ノンプロ研の会員数も、ある時期から伸び悩んでしまったのです。
時間もお金もかけて、こんなに頑張っているのに、ひとつも前に進んでいない気がする。そんな日々が続くと、どうしても精神的に疲弊してしまいます。
そこで、2024年に入った頃、少しペースを落とし、もっと自分を労わってやろうなどと考えていました。
再起への誓い ~生成AIの波に乗って~
しかし、世の中はそんな僕を放っておいてくれません。生成AIの大きな波がやってきました。
マイナビ出版さんから、『ChatGPTで身につけるExcel VBA』の執筆のオファーがありました。
一瞬悩みましたが、「これは、僕が書かないとダメだ」と決意しました。
この1年間は、日本の「働く」の価値を上げるために、できることをやっていこうと、まさに「帯を締め直した」という感じです。
もちろん、頑張ったからといって、すぐに結果が出るとは限りません。むしろ、思うような反応や感触が得られない日がずっと続くかもしれない。その不安はずっと付きまとうような気がします。
でも、ちゃんと目を凝らしてみてみると、僕にはノンプロ研のメンバーをはじめ、いつも温かく支えてくださる多くの方々がいます。いつもいてくれるし、ちゃんと反応してくれているじゃないですか。
これまでの10年を糧に、これからの10年、そしてその後も、高望みしすぎるのではなく、今、僕の周りにいてくれる大切な人たちへの感謝の気持ちを忘れずに、一歩一歩、着実に進んでいきたいと思います。
これからもどうぞ、よろしくお願いいたします!
以上、「なんと起業してから10周年!これまでの軌跡を振り返ってみた」についてお伝えしました。
引き続き、みなさんがいきいきと学び・働くためのヒントをお届けしていきます。次回をお楽しみに!
この話を耳から聴きたい方はこちらからどうぞ!