【エクセルVBA】Dictionaryに格納したキーと要素をリストに書き出す方法

dicttionary_items_eyecatch

皆様こんにちは、ノグチです。

何度かに分けてDictionaryオブジェクトを使った、リストの重複を排除する方法をご紹介しています。

前回の記事では、複数のループを使ったコードとDictionaryオブジェクトを使ったコードでは、どちらが重複排除処理が速いのかを比較しました。

【エクセルVBA】重複排除処理が速いのはどっち?Dictionaryオブジェクト vs 複数ループ
エクセルVBAのDictionaryオブジェクトを使って書かれた重複排除のコードと、複数のループを使った重複排除のコードの処理速度を比較してみました。もしお手元にリストの重複処理などで「遅いなあ...」と感じるコードがあるなら、参考にしてみてください。

これまでご紹介してきたコードでは、リストの値がDictionaryに存在するか否かをチェックして、存在していなければDictonaryオブジェクトにキーと要素を追加し、読込んだセルのデータをそのままシートに出力していました。

今回は、Dictionaryオブジェクトに格納したキーと要素を、直接シートに出力する方法をご紹介します!

Dictionaryに値が存在しているかどうかをチェックする方法については、下記記事をご覧ください。

【エクセルVBA】DictionaryオブジェクトのExistsメソッドで重複があるかを確認する方法
複数のループを使った重複排除のVBAコードを、Dictionaryオブジェクトとメソッドを使ったコードをに置き換えていく方法をご紹介しています。今回は、指定した値がDictionaryオブジェクトに既に登録されているかどうか?をチェックしてくれる、Existsメソッドのご紹介です。
スポンサーリンク

Dictionaryに格納されたキーと要素を取得する

キーを取得するKeysメソッド

今回は、Dictionaryオブジェクトに格納されたキーと要素を、格納された順に出力していきます。

まず、Dictionaryに格納されているキーを取得するには、Keysメソッドを使います。

Keysメソッドは、引数にDictionaryの何番目にあるキーを出力するかを指定すれば、引数に指定した数字をIndexに持つキーを取得することができます

記述方法はこちら。

Dictionaryオブジェクト.Keys(Index)

要素を取得するItemsメソッド

Dictionaryに格納されたキーが取得できたら、お次は要素の取得方法です。

要素の取得は、Itemsメソッドを使います。

ItemsメソッドもKeysメソッド同様、Dictionaryの何番目に格納されているのか?を引数に指定することで、引数に指定した数字をIndexに持つキーの要素を取得できます

記述方法はこちら。

Dictionaryオブジェクト.Items(Index)

Dictionaryに格納されているレコードの数を取得する

Countプロパティ

Dictionaryに格納したキーと要素を出力するために、For ~ Nextを使います。

その際、何回ループをするのか、指定してあげなければいけませんね。

単純に考えて、Dictionaryに格納してあるレコードの件数分ループすればOKです。

Dictionaryに格納されているレコードの数を取得するには、DictionaryオブジェクトのCountプロパティを使います。

Dictionaryオブジェクト.Count

これで、Dictionaryオブジェクトのキーと要素をリスト出力するために何回ループすればよいのか?が取得できます。

コード例

出力データ

上でご紹介したメソッドやプロパティを使って、前回記事でも出てきたこちらのリストをDictionaryに格納して、右側のリストに出力するコードにしてみます。

vba,dictionary,検証用データ

For ~ NextでDictionaryの内容を出力するコード

上でお見せした左側のリストをDictionaryに格納して、キーと要素を出力するコードがこちら。

Sub OutputDictionary()
Dim i As Long
Dim j As Long
Dim maxRow  As Long
Dim strMat As Variant
Dim lngNum As Variant
Dim dic As Dictionary

Set dic = New Dictionary

With ActiveSheet
    maxRow = .Cells(Rows.Count, 2).End(xlUp).Row
    For i = 2 To maxRow
        strMat = .Cells(i, 2).Value
        lngNum = .Cells(i, 3).Value

        If dic.Exists(strMat) = False Then
            dic.Add strMat, lngNum
        Else
            dic.Item(strMat) = dic.Item(strMat) + lngNum
        End If
    Next i
    
    For j = 0 To dic.Count - 1
        .Cells(j + 2, 6).Value = dic.Keys(j)
        .Cells(j + 2, 7).Value = dic.Items(j)
    Next j
End With

End Sub

ミソは、For j = 0 To dic.Count – 1です。

なぜdic.Countから-1しているのかというと、このjはDictionaryオブジェクトのインデックスを示しています。

Dictionaryオブジェクトも中身は配列なので、キーと要素に対して数値のインデックスが自動的に振られるのですが、このインデックスは0を先頭に順に振られていくので、Dictionaryには5件のレコードがあったとしたら、インデックスは0から始まって4までの5件に対してIndexが振られることになります。

よって、0からスタートして、Dictionaryに格納されているレコードの件数-1回ループすればよいのです。

出力結果

上のコードを実行した結果がコチラ。

Dictionary,items,keys,output

右側のリストに、左側リストの重複排除しつつ値が表示されていますね。

For~Each文を使ってDictionaryの内容を出力するコード

For~Each文を使って、Dictionaryの内容を出力することもできます。

その場合のコードはこんな感じ。

    For Each varDic In dic
        .Cells(j, 6).Value = varDic
        .Cells(j, 7).Value = dic.Item(varDic)
        j = j + 1
    Next

上のコードのDictinaryの内容を出力している、For~Nextの部分を置きかえればOKです。

最後に

今回は、Dictionaryオブジェクトに格納したキーと要素を、直接シートに出力する方法をご紹介しました。

この方法を使えば、処理速度の向上だけでなく、コードの簡潔化も期待できそうですね。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!

連載目次:エクセルVBAのDictionaryオブジェクトでリストの重複を排除する

エクセルVBAでリストの重複を排除する方法として、Dictionaryオブジェクトを使った重複排除の方法をご紹介しています。

  1. 【エクセルVBA】リスト処理に便利!Dictionaryオブジェクトをコードで使うための準備
  2. 【エクセルVBA】AddメソッドでDictionaryオブジェクトにキーと要素を追加する方法
  3. 【エクセルVBA】DictionaryオブジェクトのExistsメソッドで重複があるかを確認する方法
  4. 【エクセルVBA】Dictionaryオブジェクトを使ったリストの重複排除プログラム
  5. 【エクセルVBA】重複排除処理が速いのはどっち?Dictionaryオブジェクト vs 複数ループ
  6. 【エクセルVBA】Dictionaryに格納したキーと要素をリストに書き出す方法
タイトルとURLをコピーしました