みなさん、こんにちは!
タカハシ(@ntakahashi0505)です。
「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」は、ノンプログラマーがプログラミングをはじめとするITスキルを学び合うコミュニティです。
先日の定例会のテーマは「コミュニティづくり」。
どのようにして安心安全な場をつくり、継続的に活動し、成長するコミュニティを運営しているのか、「祝160名突破!安心安全で熱量の高いコミュニティをつくる秘訣」というタイトルでお伝えしました。
このシリーズでは、数回の記事にわけてそのレポートをしております。
前回の記事はこちら。
学習において、なぜ「実践コミュニティ」が有効なのかについてお伝えしました。
今回は、コミュニティ「ノンプロ研」のKGIとKPIをどのように設定しているのかについてお伝えします。
また同時に、活動度に応じたメンバーの分類についても解説します。
ちなみに当日の様子は以下、Togetterのツイートまとめもご覧くださいませ。
では、行ってみましょう!
ノンプロ研のKGIとKPI
KGI: 最重要目標達成指標
学習するコミュニティ「ノンプロ研」ですが、KGI: 重要目標達成指標は以下のように設定しています。
たとえば、以下のようなものです。
- コミュニティで得たスキルを用いて、自らが所属する組織の業務に貢献した
- コミュニティで他のメンバーの質問に回答した
- コミュニティで学んだことをツイートやブログを通してシェアした
- コミュニティでイベントを企画して開催した
このような出来事が増えるように、コミュニティでどのようなイベントをどれだけするのか、メンバーにどのような刺激を与えていくのか、どのようなツールを整えていくのか、といったことを考えていきます。
KPI: 評価指標
KGIを高めていくためのキーとなる指標、つまりKPI: 評価指標は以下のように整理できると思います。
- 参加・貢献するメンバーの数
- メンバーのつながりの数、深さ
- 価値提供の機会の種類、数
これらは相互に関係しているものですが、それぞれが高まるように、コミュニティとその活動を設計することを意識しています。
次回以降の記事で、これらのKPIを維持向上していくための秘訣をお伝えしていきますが、その前提として、メンバーの活動とその分類について以下で詳しくお伝えします。
メンバーの活動度とその分類について
メンバーの数は多いに越したことがないように思えますが、実はそうでなく、活動の度合いが高いかということが重要と考えています。
極端な話、全員が何の活動もしない幽霊会員であったとしたら、何の価値提供も生まれないので、コミュニティが存在している意義がないのです。
ですから、メンバーは数だけではなく、その活動内容も評価する必要があります。
完全にくっきり分けられるものではないのですが、わかりやすさのために、以下のようにメンバーを活動の度合いで分類することができます。
- 貢献するコアグループ: 10~15%
- 参加するアクティブグループ: 10~15%
- 周辺メンバー: 65~75%
- ROM専
- 幽霊
なお、ここでパーセンテージは「コミュニティ・オブ・プラクティス」内で言及されていた、一般的な比率です。
以下でそれぞれのグループについて詳しくみていきましょう。
貢献するコアグループ
もっとも重要なのは、明らかに「貢献するコアグループ」です。
新しい知識や学びの機会を創出して、積極的に価値を生み出してくれます。
ノンプロ研では、本当にありがたいことに、ここに属するメンバーが多数いらっしゃっていて、以下のような活動をしてくださっています。
- イベントを企画・運営する
- イベントで積極的に登壇する
- 講座の講師、TA、運営を担当する
- Slackの質問に積極的に回答する
- ブログやツイートでコミュニティや学んだことをアウトプットをする
- 運営のサポートをする
一般的な比率でいうと、15~20人程度になるはずですが、ノンプロ研では30~40名は間違いなくいらっしゃると思います。
参加するアクティブグループ
それと同様に重要なのが、「参加するアクティブグループ」です。
というのも、価値の提供には、渡し手と受け手の双方が必要になるからです。
コアグループどうしでは、お互いの熟練度が高い傾向にあるので、価値提供の機会には限界があります。そこで、熟練度がそこまで高くない参加者がいることで、価値提供の機会がぐっと増えるのです。
たとえば、以下のようにいうことができます。
- 受講者がいるから講師やTAが教えることができる
- 質問をする方がいるから回答することができる
- レビュイーがいるからレビューができる
多くの場合、良い活動を継続するメンバーは、このグループから「貢献するコアグループ」に移動していきます。
なので、コミュニティとしては、「参加するアクティブグループ」に新たなメンバーを積極的に動員する活動が重要になります。
新たな講座を開講して新しいメンバーを受講者として迎え入れるというのは、その強力な機会の1つになっています。
しかし、ノンプロ研では、このグループの方がだいたい30名くらいという印象なので、やや不足といっていいのかなと評価しています。
周辺メンバー
周辺メンバーはSlackや動画アーカイブを閲覧するのみの「ROM専」と、閲覧もせずに会員状態である「幽霊」とに分かれます。
このようなメンバーが、参加そして貢献するメンバーになってもらうことはとても意義のあることですが、もともと接点が少ないですし、「忙しい」などの外部要因である可能性も十分にあるので、なかなか容易ではありません。
たとえば、以下のようなことを根気よく実施をしつづけます。
- コミュニティのさまざまな活用ノウハウを提供する
- 多様なイベントを開催して、興味を刺激する
また、入会したてや講座受講中には接点を設けやすいので、そこでいかに「参加するアクティブグループ」に定着してもらえるかも重視しています。
しかし、「コミュニティ・オブ・プラクティス」では活動していないように見えても、実際は満足しているメンバーもいると言及されていました。
たとえば「ROM専」であったとしても、自社で活躍されている可能性はあるので、決めつけには注意が必要です。
まとめ
以上、コミュニティ「ノンプロ研」のKGIとKPIをどのように設定しているのかについてお伝えしました。
今回お伝えしたKPIやKGI、メンバーの分類については、多くの学習するコミュニティでそのまま使えることも多いと思いますので、ぜひご参考ください。
次回は、いよいよ「安心安全で熱量の高いコミュニティにするための秘訣」についてお伝えしていきます。
どうぞお楽しみに!