みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。
こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!
今回のテーマは、なぜコミュニティ「ノンプロ研」にはマウントをとる人がいないのか?です。
なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!
では、よろしくお願いいたします!
ノンプロ研にはマウントする人がいない?
僕はノンプログラマーがプログラミングなどのスキルを学び合うオンラインコミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」通称ノンプロ研というコミュニティを運営しています。ありがたいことに5年ほど活動していて、現在200名近くの方に参加いただいています。
よく、ノンプロ研の特徴として「権力を持とうとする人がいない」とか「マウントする人がいない」というような評価をいただくんですね。これってけっこう珍しいことのようなんです。
たしかになぁと思いますが、なんでそうなのか考えてみて、ひとつ理由を思いついたので、それについて話をします。
先に結論をいいますと、権力欲が活動のモチベーションになっていないからなのかなと思ってます。
モチベーションとは~マズローの欲求階層説
先にモチベーションという言葉について説明すると、この言葉はラテン語のmovere(モーベレ)という言葉が語源で、動かすという意味だそうです。
つまりモチベーションには「動き」がその本質にあって、それにエネルギーと方向性を与えるもの、それがモチベーションということになります。
コミュニティで活動する場合も当然モチベーションが必要になります。モチベーションにもいろいろ種類がありまして、有名なのがマズローの欲求階層説というものです。
ピラミッド型の5段の階層になっていて、下から生理的欲求、安全の欲求、所属と愛情の欲求、自尊の欲求、自己実現の欲求と積み重なっています。
この図は結構みなさんあちこちで見ているのではないかと思います。
自尊の欲求をモチベーションにした場合
日本のビジネスパーソンでいうと、食べたいとか眠りたいといった生理的欲求、経済的に安定したいとか健康でいたいという安全の欲求、そして愛されたいとかどこかに所属したいという所属と愛情の欲求は、それなりに満たされている人が多いと思います。一部満たされていない方もいると思うんですが、満たされているケースが多いかなと思います。
なので、権力持ちたいとか認められたい、自分はできると思いたいという、自尊の欲求がモチベーションとして発火している人が結構多くを占めるんじゃないかと思うんですね。
ただ、この自尊の欲求をコミュニティや組織で活動するためのモチベーションとしておいてしまうと、自分はあいつより上だとか、自分のほうが他の人よりできるとか、そういう比較という現象が起きてしまうんです。
そうすると、比較して立場的、実力的に上にいる人はいいんですが、その視点で低く見られるグループがどうしてもコミュニティや組織に生まれてしまう。そういう低く見られてしまう人たちの自尊の欲求は満たされないわけです。
自尊の欲求から下の4段、マズローの欲求階層説で言う下4段は、不足しているものを満たそうとするという欲求で、これを4つまとめて欠乏欲求などと言ったりもします。
自尊の欲求は足りないものを補おうとすると、人から奪うようなカタチになってしまうことがあるので、誰かがババを引くような構図になる可能性があります。
これでは、コミュニティ全体の価値としては決して高いとは言えない状態になってしまいます。
自己実現の欲求をモチベーションにする~成長欲求
一方で、最も最上段にある自己実現の欲求は、成長したいとか、能力を発揮したい、自分らしくいたいという欲求になります。
他の欲求とは異なる性質を持っていて、プラス方向に積み上げていく一方の欲求なんですね。なので欠乏欲求に対して成長欲求と言われています。
この自己実現の欲求をコミュニティのモチベーションにすることができるのであれば、それぞれの成長とか能力発揮がモチベーションになりますので、他人は関係なくなるんですね。
つまり比較が生まれることなく、全員が自己実現を目指していくということになります。なのでお互いの価値を奪い合うことがなくて、コミュニティの価値としては上がる一方になるんじゃないかなと思うんです。
ノンプロ研の設計の工夫
コミュニティって、この成長欲求がモチベーションになるように設計できるといいな思っていて、それは実際にできると思います。ノンプロ研でもいくつかの工夫をしているので4つ紹介します。
同じ人を目立つポジションにとどまらせない
ノンプロ研ではプログラミング講座の講師をメンバーが担当できるんですが、それを担当できるチャンスは同じ講座で2回までと決まっています。2回終わったら卒業して次の人ににポジションを譲ることになっています。
これは仕組みとしてはとてもいいなと思っていて、ノンプロ研の仕組みを象徴しています。
全員に情報と機会を開く
2つ目の設計の工夫は 全員に情報と機会を開くということです。
情報について言うと、運営とか一部の古参の人たちだけでコソコソとコミュニケーションはしないようにしているんです。なるべくオープンにして、Slackもほとんどすべてのチャンネルがオープンですし、ミーティングも誰でも入れる状態で行っています。
情報格差を設けないこと。そして講座の講師陣とか目立つポジションに関しては、なるべくオープンに募って、立候補を重視するようにしています。
多様な学び
3つ目の工夫は多様な学びがあるということです。
ノンプロ研ではプログラミング言語も複数ありますし、プログラミング以外にもライティング、インストラクション、コーチング、英語、などなど多様な学びが存在しています。
みなさん複数のスキルの多様な組み合わせで存在しているので、単純に比較しづらいというのがあります。
成長が目的なコミュニティ名
最後の仕掛けがコミュニティ名です。
「スキルアップ」という言葉が入っていて、そもそも成長が目的であるということがメッセージとして込められています。
ビジネス組織でも成長欲求をモチベーションに
結論として、ノンプロ研でマウントをとる人がいないのは、活動のモチベーションとして成長欲求がうまく使えているからかなと思います。
これはビジネス活動の場合も組織のモチベーションを成長欲求にできればいいんじゃないかなと思っています。
ただ多くの日本の組織では、組織がそもそも階層型になっていて、偉い人達の自尊欲求を満たすような構造になってしまっていますし、その構造にしがみついている人も多いんじゃないかなと思います。
その場合組織改革をうまく進めていくのか、それとも階層型の組織はそのままに横断型の実践コミュニティを別で用意していくか、そういった手段が必要なのかなと思います。
いずれにしてもこの辺りはぜひ、それなりのポジションにある方がリーダーシップを発揮していただくといいんじゃないかなと思っています。
まとめ
ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「なぜコミュニティ「ノンプロ研」にはマウントをとる人がいないのか?」をお届けしました。
タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。
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では、また。