「リスキリングブームは来なかった」を成仏させる

「リスキリングブームは来なかった」を成仏させる

みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。

こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!

今回のテーマは、「リスキリングブームは来なかった」を成仏させるです。

#550 「リスキリングブームは来なかった」を成仏させる | タカハシノリアキ「『働く』の価値を上げるスキルアップラジオ」/ Voicy - 音声プラットフォーム
音声放送チャンネル「タカハシノリアキ」の「#550 「リスキリングブームは来なかった」を成仏させる(2023年12月9日放送)」。Voicy - 音声プラットフォーム

なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!

では、よろしくお願いいたします!

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リスキリングブームのきっかけ

僕がずっとお話していますリスキリングという言葉があるんですが、それがこの日本で広がり始めたのは、去年の後半ぐらいかなと思うんです。

2022年の後半で、きっかけとなったのは、岸田首相が国会で所信表明をしたことです。どういった内容だったかというと、リスキリング支援、5年で1兆円かけます。これによって経済を立て直します。

そういった話をしたというのが、きっかけだったかなと思うんです。

それ以降は、あちこちのメディアでリスキングという言葉が使われて、そして、ブームが来ているよみたいなことを各メディアが報じていたわけです。

リスキリングブームは大チャンスだと感じていました

僕なんかでいうと、このブームが来たことに対して、大チャンスだと感じたんです。

というのも、僕自身は、10年近くノンプログラマーの皆さん、非IT系人材の皆さんに、デジタルスキルを身につけていただく。その支援をしているわけです。

その目的としては、そのスキルを身につけることによって、長時間労働を減らしたりとか、人材不足を解消したりとか、イノベーションを起こして顧客の課題を解決したりとか、そういったことに繋がるんじゃないかなって思っているからなんです。

ただ、ここ何年も活動してきて思うのは、本当に、デジタルをうまく使えてない会社さん多いなと感じています。そして、学ばない従業員の皆さんも多いなと感じていたんです。

そこをなんとか振り向いてもらって、1歩踏み出してもらいたい。そんなふうにずっと思ってたんです。

リスキングという言葉が、国会で取り上げられて、メディアの各社がそれを大々的に報じたというのは、僕にとってはものすごくチャンスに感じましたし、この波をうまく使おうと思ったわけです。

そして、このVoicyなんかでも、ずっと発信をしていた所、出版社さんから、書籍を出しませんかと打診がありました。そこで「デジタルリスキリング入門」執筆を始めて、4月に上梓することができました。

このリスキリングブームの時に、ちょうど書籍を出すことができるようになって、こんなに素晴らしいことはないと感じていました。

出版記念ツアーイベントの実施

このブームに乗って、より一層広げていこうと、そういうふうに考えまして、大々的な企画を立てたわけです。

何をしたかというと、この出版記念ツアーということで、全国各地でイベントをやろうとしました。

ちょうど僕が主催をしているコミュニティのノンプロ研の皆さんが全国各地に散らばっていますので、皆さんの力を借りて、あちこちで会場を手配していただいて、イベントの企画も考えていただいて、そして、高橋はそこにお伺いして、一緒にイベントをする取り組みをしました。

期間としては、7月22日から9月29日までで、途中期間が空いているタイミングもあるんですが、飛行機に乗ったり、電車乗ったり、車で移動したり、そんなことをしながら、あちこちのイベント会場に行って、お話をさせていただきました。

なので、今年に関していうと、もう1月からずっと執筆していまして、9月までツアーだったので、もう9ヶ月間はこの活動にどっぷりリソースを割いていた状況だったんです。

リスキリングブームに対しての調査

Voicyでも、ずっと毎朝放送。プラス時々生放送を配信続けてました。リスキングしましょうということで、皆さんに訴えていたわけです。ただし、このブームに乗って盛大に行っていたこの活動なんですが、8月ぐらいで、あれれと思い始めたんです。

経営者の半分がリスキングという言葉を聞いたことがない

何かというと、メディアを通じて、リスキリングに関する色々な調査が出てきたんです。

あちこちで調査しているんですが、おおむね伝えられていたのは、リスキリングに取り組んでる会社が思いのほか伸びてないという話だったんです。

特に中小企業に至っては、その経営者の半分がリスキングという言葉を聞いたことがない。

このように報じられている時もあって、もう本当に気が遠くなったんです。

また実際にツアー行って、皆さんお会いして話したんです。

ただ経営者の皆さんからすると、もうリスキリングとかノンプログラマーだとか、そういった横文字が出てくるだけで、もうちょっと難しくてついていけない。こんなふうに思ってしまう、そんな話もあったんです。

さらに、4月に僕の書籍が出版されたんですが、たまたま地元で誰かと初めてお会いした時に、自分がこうこうこういう仕事しているんです。最近こんな書籍を出したんです。

といったデジタルリスキリング入門の話をするですが、少なくない反応で、自分はIT苦手なんでと、残念ながら、ディフェンスを張られてしまう。そして、会話が続かないってことがあったんです。

このブームとは何なのかという点で、どれぐらいブームになったらブームと言っていいのか。

こういった問題もあるかなと思うんですが、僕が期待しているほど、人々の興味関心はそこには動いてなかったという、そういった事実があったということなんです。

多大なるコストをかけた分だけ頑張ってしまう

僕としては、このリスキリングブームに渡りに船と思って飛び乗って、そして書籍を書いたりとか、ツアー回ったりとか、そこに多大なるコストをかけたわけです。そうすると、そのコストを回収しようということで、より頑張ってしまう。

これをサンクコスト効果なんていうんですが、実際はそんなリスキリングに皆さんが興味関心が十分に持てていないにもかかわらず、頑張りすぎてしまったわけです。

ただ、頑張ればいいかというと、やっぱりそういうわけではなくて、自分の頑張りに対して、期待しているほどのリターンを得られている感がないと、それを続けてしまうと、自信を失ってしまうんです。

これ、専門用語でいうと自己効力感なんて言ったりします。つまり、自分ができる、きっとうまくやれる、そういったふうに思えているかという話です。

この自己効力感は、モチベーションとか、パフォーマンスに影響してきます。むやみに消耗しないようにした方がいいですが、今年でいうと、リスキリングブームに乗っかってしまったために、そこへのダメージが蓄積してしまったというところが、ずっと大反省だなと思うんです。

ブームになっているというメディアの空気感で判断してはいけない

これまでの歴史を振り返ると、ITとかデジタル領域は、ブームが結構頻繁にやってくるんです。

たとえば、ちょっと前だとRPAがありましたし、それから、DXなんかもブームでした。そして、このリスキリングもそうですし、そして最近でいうとChatGPTを始めとした生成AIなどがあります。

いずれも大小盛り上がりはあったとは思うんですが、ブームになっているというメディアの文字とか、あとはそこから感じられる空気感だけで、それを判断してはいけないなと思ったんです。

実際にこの目で働いている皆さん自身を見て、そしてこの耳で働いている皆さんの声を聴いて、それで本当に来ているのかどうかみたいなのを確認すべきだったなと思うわけです。

そこはずれていると、アクションとしてずれた行動を取ってしまうので、それがはまらずに失敗体験を繰り返してしまう。

期待と現実の差がどんどん蓄積されていって、自分ができるという、自己効力感を失っていく。こういった悪いループに入ってしまうってことなんです。

今年は1年かけてこの大掛かりな学びを得ることができました。この7分ぐらいお話をしたことで、今回の僕の反省は成仏させたいと思います。

リスナーの皆さんも今年の僕と同じように、ブームとかそんな上辺の空気に踊らされすぎないように、気を付けていただければと思います。

まとめ

ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「「リスキリングブームは来なかった」を成仏させる」をお届けしました。

タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。

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では、また。

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