みなさん、こんにちは! タカハシ(@ntakahashi0505)です。
現代社会の働き方は大きな転換期を迎えています。その向こう、いかに健やかに働くのか。
そんな中、書籍『ホワイトカラー消滅』で、現代の僕たちが学ぶべきヒントが「江戸時代の庶民」の生き方や働き方にあると語られていたのを思い出しました。
今日はみなさんと一緒に、失われた日本の良さを見直してみたいと思います。
ということで、今回は「『ホワイトカラー消滅』時代の今、江戸の庶民に学ぶ健やかな働き方」です。
では、行ってみましょう!
ホワイトカラー消滅と日本社会の変容
さて、皆さんは『ホワイトカラー消滅』という本をご存知でしょうか?
この本の5章で、著者の富山さんは「日本再生への20の提言」を掲げています。
その中で、今回取り上げたいのがその6つ目、「古来の伝統からつながる江戸の庶民の世界観、社会観、人間観を再評価せよ」という提言がされているパートです。
現代の日本社会は、大きな転換期を迎えており、長らく続いてきた男性中心の日本型終身雇用サラリーマンモデルが終焉を迎えようとしています。
では、どこに向かうのか。米国的な自由競争の世界へと向かっていくのかと思いきや、富山さんは、古くからの伝統的な日本社会のありよう、特に江戸時代の人口の9割を占めていた庶民の生き方や社会観を再評価すべきだと説いています。
詳しくみていきましょう。
終身雇用の正社員サラリーマンと江戸時代の士族階級
まず、現代の会社という仕組み、特に終身雇用の正社員サラリーマンは、ある意味で「身分」に近いもので、江戸時代の藩に所属し俸禄をもらっていた士族階級に近いと語られています。
江戸時代の庶民の女性たちは、何らかの形で働いていましたが、士族階級の奥方たちは専業主婦的だったそうです。
また、「お家第一」や「忠義」といったものは、徳川政権が戦国期の後に政権を安定させるために、士族階級に対する統制倫理として作り出したものだそうです。
明治以降、日本が富国強兵を掲げ、欧米列強にキャッチアップするためには、均質化、標準化、階層化が合理的かつ必要でした。
その際に、「お家」の代わりに「会社」に対して、「愛社精神」や「忠誠心」をもって尽くす、そのような統制倫理をシフトして根付かせようとしたのが、うまく機能したのかもしれません。
江戸時代には1割程度だった士族階級のような忠義や忠誠で働く人たちが、正社員サラリーマンと姿を変えて、しかもその比率がどんどん高まりマジョリティを占めるようになり、見事な成長を果たしたというのが、高度成長期までの話です。
たしかに正社員サラリーマンは侍っぽい
つまり、現代の正社員サラリーマンは、言わば「侍」のような存在だと。この指摘は本当に面白いと感じました。
僕自身、昔サックスプレイヤーを諦めたあと、会社員になる道を選びましたが、その時、確かに会社への忠誠心を持って働こうという意識はあったように思います。
みんながスーツを着て、礼節を重んじ、初対面では名刺交換という儀式を執り行う。会議室や飲み会で座る位置は序列を表し、ハンコを斜めに押す書面の書き方を丁寧に守る。
確かに、そういった光景は侍っぽさを感じさせますね。
僕らは時代劇を見て、なんでわざわざあんな会議の仕方するんだとか、所作もいちいち面倒だなとか感じていますが、数百年後の未来人たちから見ると、同じように見られるのかも知れません。
バブル崩壊と忠誠ドリブン会社員モデルの限界
しかし、バブル崩壊、そして人口ボーナス期の終了により、日本経済は停滞期に入りました。
会社としては、引き続き忠誠心を持って働いてほしいと願いながらも、そうして尽くしてもらっても社員に報いることができない…そんな、ケースが増えてきたのです。
実際、会社のために働こうとしてしていた僕を待っていたのは、派閥争いによるリストラや、パワハラや長時間労働が当たり前のブラック企業だったり。
現代の会社員モデルには、限界が見え始めているのです。
江戸庶民の働き方と現代への示唆
一方、江戸時代の庶民はどのような働き方をしていたのでしょうか。
職能共同体や農村共同体に所属するジョブ型雇用であり、女性の多くも仕事をしていました。
日々、飯を食うというリアリズムに対峙しており、安定性はありません。何かあったら、コミュニティの中で支え合う、そんな仲間思いのイメージもありますよね。
実利的で多才で自営業的、多様性や独創性があり、非常にカラフルな存在。そして、こうした人々が浮世絵、文楽、歌舞伎といった世界に誇るエンターテイメントを生み出しました。
多様性と独創性あふれる社会を目指して
そして、書籍の中ではこのような一節がありました。
我々はもう一度、江戸以前の庶民の世界観、社会観、人間観を見直し、この国をカラフルで愉快で和気あいあいとした国、組織や先輩後輩、身分制的な上下関係で窮屈な思いをしないフラットな国につくり替えるべきときが来ていると思う。
たしかに、実際、現代の働き方は変わりつつあります。
自分のキャリアを中心に会社への所属を捉え、副業やフリーランスといった働き方も増えてきています。「会社のため」から「社会のため」に働きたいと考える人も増えています。
しかし、一方で、会社のほうは、そのようなシフトに追いついてきていないようにも見えます。文化、慣習、制度、それらが昭和のままで、そのズレが「働きづらさ」を生んでいるようにも思います。
その点、「食い扶持」はそれら会社で働くことによって得ながら、多様性、独創性、人とのつながりを感じられ、刺激を受ける場として、サードプレイスに所属するというアイデアは大いにあり、その機能として、コミュニティ「ノンプロ研」は大いに機能していると感じました。
江戸庶民のようにカラフルでフラットに働ける、そういう人が増えていくよう、僕もあの手この手を尽くしていきたいと思います。
まとめ
以上、「『ホワイトカラー消滅』時代の今、江戸の庶民に学ぶ健やかな働き方」についてお伝えしました。
引き続き、みなさんがいきいきと学び・働くためのヒントをお届けしていきます。次回をお楽しみに!
この話を耳から聴きたい方はこちらからどうぞ!