みなさん、こんにちは!
ラーメンはトンコツが好きですタカハシ(@ntakahashi0505)です。
こちらの2つの記事で、とあるラーメン屋さんのアンケート調査からピボットテーブルを使って集計したり課題を抽出する方法についてお伝えしてきました。
なのですが…てんでダメ!ダメなんです!!
何がダメかというと、そもそもこのアンケートの目的って何だったっけ?というのがすっぽ抜けているんですね。
今回は、このアンケートの目的をもう一度考え直します。
そして、その目的を達成するにはどの要素が重要なのかを相関係数という統計のテクニックを使って明らかにしていきたいと思います。
あ、そんなに難しくないですから、最後までお付き合いしてもらえると嬉しいです。最終的にはエクセルでちょちょいですから。
どうぞよろしくお願いいたします!
ラーメン屋さんのアンケートの目的とは
おさらいなのですが、今回行ったアンケートの結果はこちらでした。
どのラーメンを食べたか、当店を知った認知経路は何か、という点に加えて、味や価格や接客などの各要素に対して5点満点で評価を頂いています。
冒頭に紹介した記事でピボットテーブルを使って簡単に集計したり色々な切り口で見たり、というのを簡単にできるということをお伝えしていたのですが、本来このアンケートをとった目的は何だったのか?ということが抜け落ちているんですよね。
このアンケート結果の一番右側に注目してください。
そう、来店意向。
これですよね、アンケートの目的って。
リピーターが増えれば集客コストを上げずとも売上が上がりますよね。来店いただいたら、たった1回だけで二度と来ないよりは、固定客になって週1回など来てくれるようになってくれるほうがよっぽど売上が上がるのです。
当然、味も量も価格もなんでも良ければリピーターは増えますが、全部が全部を闇雲に良くするには人もコストも時間も足りないかも知れません…なるべく効率よく対策を打っていきたいところです。
そこで、来店意向に強く関係している要素なのに、今現時点では評価が低い要素、これがわかればどの要素から対策を打っていけばいいかの優先順位がつけられるというものです。
どうやったらわかりますでしょうか?
直接お客様に聞いてみたり、日々お客様の様子を観察したりすることでもある程度の判断はできます。聞いてみるのはとても良いですよね。表情や抑揚などの、文字面や数値ではわからない反応も知ることができますし、選択肢にない回答を自由に受け付けることができます。
ですが、このラーメン屋さんが全国に100店舗あった場合はどうでしょうか?たくさんのお客様一人一人に聞くのは物理的に時間がかかるかも知れませんし、お店によってヒアリングの仕方を統一することが難しいかも知れません。
そんな時は、データや統計を使うという方法も合わせて実施すると効果的です。
来店意向と強い関係のある要素を知る相関係数
今回アンケート調査を行った7つの要素から、どの要素が来店意向に強い関係を持っているのか、これを明らかにするには、相関係数という統計の考え方を使うのが有効です。
相関係数
2つの値の関連性を調べる目安となる値のこと。-1.0~1.0の範囲に値を取り、絶対値が1に近いほど関連性が強く、0に近いほど関連性が弱いとされる。正の相関では相関係数が1に近く、負の相関では、相関係数が-1に近い値になる。無相関では0に近くなる。
引用:ASCII.jpデジタル用語辞典
来店意向と味、来店意向と量、…といったように来店意向との組み合わせで、それぞれの関係性を示す数値を統計的に割り出したものが相関係数というわけです。
では、早速算出してみましょう!
…えーっと…若干難しそうですね。
でも安心してください。簡単に算出する方法があります。そう、みんな大好きエクセルです。
エクセルで相関係数を算出する関数CORREL
エクセルには二つの範囲の相関係数を知るための関数CORRELというのがありまして、こちらの式で算出できます。
=CORREL(範囲1,範囲2)
ではラーメン屋さんのアンケート結果について、味~雰囲気の7つの要素について、来店意向との相関係数を求めてみましょう。
33行目にそれぞれの要素の相関係数を出していきたいと思います。
まず味の要素に関してのデータ範囲はD2:D31、来店意向のデータ範囲はK2:K31ですから
=CORREL(D2:D31,$K2:$K31)
とすればOKです。Kの前についている$マークは「計算式を別のセルにコピーしてもこのKだけは参照を移動するなよ」というおまじないですね。
ではこれをK33のセルまでコピーしてみましょう。
はい、出ました。-1.0~1.0の値をとり、1に近いほど正の相関が強いわけですから…
2位は味、そして1位がまさかの接客!
となりました。きっと看板娘ががんばってくれているんですね…絶対に逃がさないようにしなければいけません。
その他の部分を解説しますと、0に近いほど関係がないということですから、雰囲気や提供時間、清潔さなどは今回の結果を見る限り来店意向との関係性は薄いですね。だからといって悪くていいわけではありませんが…。
マイナスの値は負の相関つまり、範囲1が低いほど範囲2が高いといった傾向になります。ただ今回はマイナスといっても-0.1ですからさしたる関係性の強さはありません。決して店が汚いほどリピーターが増えるというわけではないので注意下さい。
そして、K列は1になっています。これは自分自身との相関ですから、当然ながら正の関係性がMAXということですね。
といったように、各要素の重要度がクッキリわかるようになります。
これで優先順位はかなり見えてきましたね。
まとめ
ラーメン屋さんのアンケートを元に、どの要素が来店意向との関係性が強いか、エクセルのCORREL関数を使って相関係数を求めることにより明らかにしました。
一点注意ですが、今回の相関係数のようにデータで示すとかなり明白に結果が出た風に見えるのですが、100%正解というわけではないことを注意ください。
なぜなら、今回のアンケートは7項目しかありません。他のもっと重要な要素があるのに、アンケートの設問として入れそびれているかもしれません。そもそも立地が良くないかも知れません。またアンケートを書いているのは、特定の偏ったお客様だけかも知れませんし、季節要因や近所の競合ラーメン店の動きも関係しているかも知れません。
ですからあくまでその中で運良く得られた指標の一つとしてご活用を頂ければと思います。
次回ですが、実はこの要素たちにさらに優先順位をつける方法がありますので紹介しています。
合わせてどうぞ!
連載目次:ラーメン屋さんのリピーターを増やす!アンケート分析の方法あれこれ
- データ分析をするならとりあえず作る!エクセルピボットテーブルの作り方
- データ分析の強い味方!ピボットテーブルで様々な角度と切り口で分析する方法
- リピーターを増やす重要項目は何か、アンケートと相関係数で明らかにする方法
- アンケートの相関係数と満足度の散布図により最重要改善項目を洗い出す