みなさん、こんにちは!
タカハシ(@ntakahashi0505)です。
先日「Google Atmosphere TOKYO 2016」に参加をしてきました。
そのレポートの第一弾としてこちらの記事。
『働く』環境でこれから起きようとしているモノで、私が特に注目した点として
- デジタルトランスフォーメーション
- AI
- 動画
の3つについて紹介をしたのですが、今回の記事でそのうちの「デジタルトランスフォーメーション」について、よりフォーカスをしてみたいと思います。
今回はレポート第二弾。
基調講演の中で、Google Inc.のキム・ワイリー氏のお話があったのですが、その方の肩書が「チェンジアンドトランスフォーメーションリード」です。
変化と変革をリードするのがお仕事。
そのワイリー氏から、いかにして変化をマネジメントしていくのか、そのノウハウそしてデジタルトランスフォーメーションをすることによるワクワク感についてレポートをしたいと思います。
変化というのは時に居心地が悪い
「腕を組んでみてください」
いつも自然にやっている動作ですから、もちろん安心感があります。
私の場合は右腕が上でした。人によって違うと思います。
「では、腕をその逆に組んでみてください」
…あれ?左が上?これで合ってる…?
ということで、とても慣れていないので、やりづらい。
このやりづらい状態について、ワイリー氏は
変化というのは時には居心地が悪い
と言葉を続けました。
これは職場環境でも同様ということですね。
それで、職場のワークスタイルに変化を加えようと思ったときに、この居心地の悪さといかに立ち向かうかという問題が出てきます。
ちなみに、完全に余談になりますが、腕を組むときに左腕が下、指を組見合わせたときに左指が下になる私は
・何事も論理的に計画を立てて行動する。
・真面目で誠実、情報収集や分析が得意。
・意外と男っぽい熱い思いを持っているが、相手に伝わらないことも多い。
・「できない自分」が大嫌いで、すぐに意地を張る。
・縄張り意識が強く、図々しい人が苦手。
だそうです。よろしければやってみて下さい。
デジタルトランスフォーメーションは効率化以上のものをもたらす
デジタルトランスフォーメーションとは、先日の記事でも紹介したのですが「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること」を言います。
別の言葉を借りると
デジタル・トランスフォーメーションとは、組織をデジタルの世界に移行させる変化を指しています。それは、あなたの会社が、これまでのやり方を捨てて、テクノロジーの進展と共に常に変化し続けるビジネス・モデルを受け入れる瞬間です。
ということです。
ITで業務効率化ができて、その分社員がもっと働ける、というのは悪いことではないのですが、デジタルトランスフォーメーションで求める良い変化はもっと多角的だと感じます。
- 経営に関するデータがリアルタイムで全スタッフが把握できることによって全社が共通の土台で活動ができるようになった
- 遠くの人と人が簡単にコミュニケーションがとれることによって今までなかったコラボレーションが生まれた
- これまでは地理的、時間的に採用できなかった人材を採用できるようになった
- お客様からの問い合わせや質問にすぐさま回答ができるようになった
- 既存事業の経験とITのテクノロジーを組み合わせて新たなサービスが生まれた
など、企業活動の根幹に刺さるような部分も含めてあらゆるところで良い変革を生み出す可能性があります。
デジタルトランスフォーメーションを成功させる6つのコツ
さて、とはいえ冒頭でお伝えした通り、変化というのは時には居心地が悪いものです。
ワイリー氏によると、変化への反応として以下の4パターンがあります。
- 批評家
- 犠牲者
- 傍観者
- 先導役
先導役がいなくて、批評家ばかりになると、その変化は受け入れられずにフェードアウト…ということになるわけです。
しかしうまくいけば、最初は批評家であったとしても、そのエネルギーと情熱を批評をすることではなくサポートのために振り向けることができるそうです。
そこでデジタルトランスフォーメーション を成功させる6つのコツを教えてもらいました。
Google Appsやチャットワークを導入するときのイメージでお伝えしていきます。
リーダーは「必ず」規範をもって示す
これは私の経験でも100%です。
リーダーが興味を持っていない、または現場に丸投げした場合は、100%うまくいきませんね…。
例えば
- 社長にチャットワークで連絡をする
- 返事が来ないと、メールでリマインドする
- メールなら返事が来る
- その返事をコピペでチャットでも共有
みたいなやり取りになり、むしろ業務効率が悪化します。というか、「なんだこれ?」と一気にやる気がなくなりますよね…。
せっかくの先導役ですが、モチベーションが保てなくなります。
従業員をプロジェクトに巻き込む。楽しむ!
ワイリー氏の言葉を借りると「心で関わる」とおっしゃっていたところで、一番大変な部分だそうです。
しかしながら、誰でも関与することでオーナーシップが生まれますので、勉強会やコンテストなどを駆使して積極的に関与して頂き、かつ盛り上がっているような雰囲気づくりですね。
「なぜ」その変化が起きているのかを伝える。
どんな変化を起きているのかは伝えるのに、「なぜ」というのを説明していないという場合が多いそうです。
容易に想像できるのですが
「みなさん今日からチャットワークを使ってください」
と言ったときに出てくるネガティブな意見は、「やりたくない」というニュアンスを含みます。
しかし、先に
- 他社の成功事例
- 自社が抱えている課題
などを踏まえて「なぜ」を伝えておくことで、同じ課題はもちろん解決するものとして出てきますが、「やる」を前提に出てくるので、建設的になるんですね。
なぜその変化を起こすのか、合理的にそして丁寧に説明するのが吉です。
組織の文化を熟慮し、適切な人材を雇う。
プロジェクトとしては、組織としてどうありたいのかを熟慮した上で進める必要があります。
「デジタルトランスフォーメーション」だけにフォーカスをしてしまうと、変化のストーリーが突然過ぎて耐えられなくなってしまいます。
そのための人材配置を考え、必要に応じて人材を雇う必要があります。
しかしここでの新たな人材は重要ですよね。組織の文化も理解してもらえる人材である必要があります。
新たな世界で成功するために必要なスキルを提供する。
これもITあるあるなのですが、ITだけ導入して、それを運用するスキルがない、という現象がよく起きてしまいます。
Goolge Appsもチャットワークも慣れれば全く使い勝手が良いツールですが、だからと言って「勝手に覚えろ」は乱暴過ぎます。
きちんと運用するためにはそのためのスキルが必要です。
事例では社内でどなか(女性やむしろITが得意でない方などが良いようです)をエバンジェリストに任命して、その方を問い合わせ窓口にしたり、社内巡回で勉強会を開いたり、といったことが紹介されていました。
ITも常に進化していきますしスキルも上を見たらいくらでもありますから、定期的に勉強会などを開催したり、外部のイベントへの参加を支援したりすると良いですよね。
スターを祝福する。トッププレイヤーに報奨を与え、認める。
スターが出て来たらきちんと認めることが大事です。
エバンジェリストかも知れませんが、他のユーザーかも知れません。
繰り返しになりますが、新たな変化にチャレンジするということは、基本的には居心地が悪いことです。
その先頭に立つ人はいつも大変です、
きちんと組織として評価して、みんなが憧れる存在にすると、革新が自走し始めます。
進化し続けるサービスを使うメリット
さて、未だにExcel2003を使っている企業が多くあることに驚きます。
Office自体はもう何回もバージョンアップをしているにも関わらずです。
社員が多いとパッケージの購入で一気にコストがかかるので後回しになりがちなのかも知れませんが…、ある大事なものを犠牲にしていると思うのです。
そのユーザーはCOUNTIFSやSUMIFSといった超便利関数も使えませんし、ネットで山ほど転がっている情報の活用がかなり難しい状況に置かれています。
Excel…上達しますでしょうか?しませんよね?
一方で、Google Appsやチャットワークなどのクラウドサービスは毎月の月額料金を一定で払い続けているわけですが、コストは増えないのにサービス自体はどんどん改善され進化をしていきます。
サービスが進化しているということは、それを使うユーザーも進化をする機会が与えられるわけです。
Google AppsでもいよいよAIを活用した機能がアチコチで見られるようになりました。
普通に会社でGoogle Appsさえ使っていれば勝手に「仕事でAIを活用する体験」が向こうからやってくるわけです。
こんなにエキサイティングなことはないと思いませんか?
ITは道具でありツールでもありますが、人の成長や変革をもたらすドライバーにも成り得るということなんです。
特に経営者の皆さん、ぜひ「デジタルトランスフォーメーション」の意義について、再度ご確認を頂ければ幸いです。
さて、次回ですがGoogle社員の働き方について教えてもらいましたのでレポートをしています。
どうぞお楽しみに!
連載目次:Google Atmosphere TOKYO 2016で未来の働き方を見た
Google社が提供するエンタープライズ向けのサービスを中心としたイベント「Google Atmosphere TOKYO 2016」。
Googleは世界一のIT企業と言っても過言ではありませんから、このイベントを見れば時代の潮流というのも垣間見えるというもの…各種セッションで見たこと感じた事をレポートしています。