みなさん、こんにちは!
タカハシ(@ntakahashi0505)です。
2018年9月19,20日の2日間で開催されたGoogleの最新クラウドを体験できるイベント「Google Cloud Next 2018」の参加レポートをノンプログラマー向けにお届けしています。
前回の記事はコチラです。
ズバリ機械学習とは何か、またそのビジネスへの活用イメージについて、ノンプログラマー向けに紹介しました。
さて、今回のテーマは「Hangouts Chat」です。
弊社としてはチャットワークをメインで使用していますが、コミュニティ「ノンプロ研」ではSlackです。
Microsoftも、Facebookも、LINEも参入しているこの「ビジネスチャット」というレッドオーシャン。
Googleが「Hangouts Chat」でどのように攻め入ろうとしているのか…気になりませんか?
ということで、Google Cloudの深堀まど佳さん、倪明昊さんによるセッション「Hangouts Chat で変わる新しい働き方 〜 チームコラボレーションからチャットボッ卜の開発方法まで」についてレポートをしていきます。
ちなみに、ノンプログラマー向けのGoogle Cloud Next 2018 ツイートをこちらでまとめていますので、合わせてご覧くださいませ。
では、行ってみましょう!
チームコラボレーションの課題
Hangouts Chatの話題に入る前にチームコラボレーションが抱える課題について共有をしておきます。
この課題があまりにも大きいから、各社がこぞって参入をしてきているという背景があるからです。
まず、複数部門とのコラボーレーションが「最重要課題」と感じている従業員の割合がなんと65%。
みんな、他部門とのやり取り…うまくいってないと感じているんですね。
もう一点、2020年までにリモートワークをする可能性のある従業員は50%に上るという予測があります。
これらの問題を解決するツールとしてチャットが注目されているわけです。
Hangouts Chatとは
Hangouts Chatは、Googleが提供をしているチャットツールです。
G Suiteに契約している組織であればドメイン内のコミュニケーションをチャットで行うことができます。(残念ながら、外部とのコミュニケーションはできないようです。)
主に3つの機能が提供されています。
- マンツーマンでメッセージをやり取りをする「ダイレクトメッセージ」
- プロジェクトやチームごとにルームを作って、ルーム内でコミュニケーションをする「チャットルーム」
- Googleやサードパーティ製のBotを利用、または独自開発できる「チャットボットプラットフォーム」
他社のチャットサービスもたくさんありますが、Hangouts Chatならではの特徴を紹介していきます。
G Suiteとの連携がスムーズ
まずやはり「G Suiteとの連携」が挙げられます。
ドライブに保存しているファイルの共有やプレビュー、Meetによるビデオ通話の開始などがアイコンからスムーズに行えます。
Apps Scriptのプロジェクトファイルも添付できました。
検索機能
もう一点、やはりGoogleということで検索機能です。
以下図にある通り、ルームと人とファイル形式の掛け算でサクサクと検索をすることができます。
これはかなり直感的ですよね。
個人的に使ってみた感想
以下、個人的な感想です。
まず「スレッド」の概念が強いです。
Slackでは、投稿に対して返信をして初めてスレッドが生まれるイメージです。そして「開け閉め」ができます。
チャットワークにはスレッドの概念自体がありません。
Hangouts Chatでは、まずスレッドを作成するところから始まり、くっきりスレッドごとに会話をしていくイメージです。
あとは、弊社はひとり会社なので、ドメイン内だけの使用だと使いどころが…ないです。
ただ、ヘルプページには
現在のところ、チャットできる相手はドメイン内のユーザーのみです。
とありますので、今後のアップデートに期待したいです。
Hangouts Chatがどう攻めていくか
それで、後発としてSlackなどを追いかける立場のGoogleが、どのようにHangouts Chatで仕掛けていくのか、その点については以下2点がヒントになると考えました。
スマートリプライの搭載と機械学習
まず、スマートリプライが搭載されるという発表がありました。
英語版が先行ですが、Gmailで日本語版がすでに搭載されていると考えると、比較的スピーディにローンチされると期待できます。
また、ということは、今回発表のあったスマートコンポーズのような機能も搭載されていくことになるのでしょうか。
いずれにしても、機械学習を全面に押した機能がどんどん追加されていくということを期待できるはずです。
Bot
もうひとつはBotです。
プラットフォームなので、Googleやサードパーティが用意したBotを活用することもできるのですが、自作をすることができます。
Bot作りはSlackでもチャットワークでも可能ですが、Googleならではの武器が2つあります。
一つは、ノンプログラマーでも簡単にプログラミングができる「Google Apps Script」です。
けっこう前から、Google Apps Scriptのドキュメントのトップページに、Hangouts Chatのアイコンがあるのです。
Bot作りもやってくれよ!っていうメッセージなんでしょうね。
そしてもう一つの武器が、自然言語で会話できるBotを作るプラットフォーム「Dialgflow」です。Googleが得意とする機械学習の叡智を活用することができるわけです。
Google Apps ScriptによるBot作成デモ
Google Apps ScriptによるBot作り方のデモをいただきましたので、紹介していきますね。
まず、Botの動作イメージとしては、以下のようになります。
- 社員がBot宛にメッセージを送信する
- Botがその内容に応じて設定されたスクリプトにリクエストをして呼び出してくれる
- 呼び出されたスクリプトを動作させ、Botに何らかのリターンを返す
- Botを経由して、Hangouts Chatに結果が表示される
なので、我々がやるべきことは
- スプレッドシートなどにデータベースを準備(必要であれば)
- スクリプトを作る
- Botからのリクエストを受け取る処理
- 受け取った内容に応じてリターンを返す処理
- デプロイ
- Cloud Platformプロジェクトとして公開
- GCPのHangouts Chat APIで設定
という手順になります。
おそらくGASをやったことある方なら、すぐにできそうな気がします。
以下にチュートリアルがありますので、興味がある方はトライしてみると良いと思います。
あとは、自然言語処理のDialogflowがどこまで易しく使えるかですね…ここに関してはデモはなかったので、機会があればチェックしてみたいところです。
まとめ
以上、Google Cloud Next 2018からのレポートとしてHangouts Chatの紹介と、これからの展望についてお伝えしました。
ビジネスチャット領域でいうと、日本では導入していない企業が多いので、まだまだチャンスがあるように思えます。
そのフックとして、以下のようなラインナップがあるわけですね…。
- G Suite内との連携と検索
- 機械学習を使った機能の搭載
- GASによる手軽なBot開発
- Dialogflowによる自然言語を使ったBot開発
これからどのような戦局になるのか、ワクワクドキドキしますね。
個人的には、外部ドメインのユーザーを招待したいですが…(そうしないと「独り言」以外に使いどころがないっす)
以上となります。
次回は、「Googleドライブ」のセッションについてレポートをしていきますね。
どうぞお楽しみに!