組織が無能なおじさんで埋め尽くされる!?ピーターの法則と戦う方法


だらけてる熊

みなさん、こんにちは!
ひとりチームですが組織について考えていますタカハシ(@ntakahashi0505)です。

元気よく挨拶はしてみたものの、大変嘆かわしい内容の記事を読みました。

働かないおじさんがウヨウヨ?「限界集落職場」は急増するか
少子高齢化により、生産年齢人口の構成が大きく変化する日本社会。そんななかで囁かれるのが、企業に跳梁跋扈する「働かない中高年」の増加だ。「限界集落化」が進む職場の課題を考える。

この中での一例としてとある「働かない上司」についてこんなエピソードが。

中小企業に勤務する20代のBさんの上司は40代。とにかく仕事の効率化をさせてくれない。管理職でありながらITを利用した業務フローの改善提案を全て却下。Bさんがとあるウェブサービスについて「導入すれば残業しなくて済みます」と提案したところ、なんと「それじゃ給料下がるだろ」という返事が返ってきた

仕事効率化をさせてくれないなんて…なんて上司だ!

今回は、なぜこのような「働かないおじさん」が生まれてしまうのか、また「働かないおじさん」を生み出さないためにどのような人材配置をすればよいのかについて考えてみたいと思います。

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ピーターの法則で全員が無能になる

多くの企業ではピラミッド型の階層型の組織を採用していますよね。トップに社長がいて、部署ごとに部長がいて、各部署に平社員がいる…といった感じです。

しかし、この階層社会でいうと「全員が無能になる」という驚きの法則が横行しています。

教育学者のローレンス・J・ピーターという方が1969年に提唱した「ピーターの法則」です。

階層社会では、すべての人は昇進を重ね、おのおのの無能レベルに達する。
やがて、あらゆるポストは、職責を果たせない無能な人間によって占められる。
仕事は、まだ無能レベルに達していない人間によって行われている。

全部が全部の組織でそうなっているとは限りませんが、けっこう見たことありません?

私はけっこう見たことありますよ。

部下をリーダーに抜擢して失敗した話

そして私自信もこの点で失敗した経験があります。

とある部署のマネージャーだったときに、部内のチームリーダーにとある部下を抜擢したときがありました。スキルも高く、取引先の反応も良く、有望な人材でした。

チームのリーダーに据えてからしばらくすると、チーム内に不協和音が聞こえてきました。どうやら、メンバー同士の連携がうまく行っていない様子でした。

本人たちはあまり多くを語ろうとしないので、聞き出すのに苦労をしましたが、どうやらそのリーダーがメンバーに仕事を振るのが上手ではなく、自分が全部やってしまうということを繰り返していたようでした。

これはうまくないと、慌ててそのリーダーの仕事を取り上げたのですが、時すでに遅し。お互いの信頼関係が回復するのを待たずに、そのリーダーは心が折れて退職をしてしまいました。

そもそも昇進させる=人を管理する仕事に就かせる、という一方通行的な考え方が間違っていたのですが、人物の適正をちゃんと見抜けないとこういうことになります。

全員が無能になることを避ける方法

組織としてはこのピーターの法則にハマってしまうことを避けなければいけませんが、その方法は単純明快です。

行き過ぎて無能になっちゃった人材は降格すればOKです。

なんか雰囲気が微妙に…という心配もありますが

  • 本人にとってみたら自分の力が十分に発揮できない仕事をやりつづけなければいけない
  • 周りにとってみたらそれによる「無能」の影響を受け続けなければいけない

といったリスクから考えると、全くもって小さな小さな心配です。

C Channel株式会社CEOの森川さんはその著書「シンプルに考える」の中でハンゲーム・ジャパン株式会社を率いることになった頃のお話をされています。

「全社員の給料をリセットすることにしました。これからは成果を出し、ユーザーに大きな価値を提供している人から優先的に給料を支払います」
 これまでの給料や肩書きをすべて白紙に戻し、全社員を査定し直して、給料の配分を変えることにしたのです。

森川さんは、リセットを公言し実行することで、全員が無能になることを回避したわけです。反発や代償もあったはずですが、この結果が今のLINEと考えたら安いものだと思います。

適正のある人だけを昇進させる

そもそもですが、適正のない人材を昇進しなければ良いという話があります。

後で降格させるよりも、きちんと適性を見てから昇進させたり報酬を上げたりするほうがいいに決まっています。

そもそも年功序列はもってのほかです。ピーターの法則の罠に自ら飛び込んでいくようなものですから。

何を基準に誰を抜擢するか?

となると、組織としてのニーズが発生したときに、いずれかのメンバーを「抜擢」するということになるのですが、どのような人材を抜擢すればよいでしょうか?

これまでの話を踏まえると、プレイヤーからマネージャーになるのであればマネジメントスキルが十分に備わっているかの適性を見て、「無能」にならないことを確認しておく必要があります。

ここにちょうどサイバーエージェント人事本部長武田さんとWiz代表山崎さんの対談がありました。

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サイバーエージェントは抜擢という点でのアグレッシブさを強く感じる企業ですが、抜擢する人材はどのように選んでいるのでしょうか?

メンバーから信頼を得ることが重要。もちろん本人の実績も評価の対象になりますが、「売上成績がダントツだから」という理由だけで抜擢することはありません。あくまで、リーダーとしての資質があるかどうかをチェックします。

意外にも業績ではなくて、人格やメンバーからの信頼を見ているようです。

前述のC Channelの森川さんの著書から再度抜粋しますが

だから、僕の仕事は「決める人」を決めること。
そして、すべてをその人に任せて、口をはさまない。

とのこと。信頼に置けると信じた人材を、トップが抜擢して任せる。ということですね。

足りないものは学べばよい

ピーターの法則に逆らう方法がもう一つあります。

それはその人物の成長性です。

まず「働かないおじさん」もピーターの法則も、人の成長という概念を忘れています。

働かないおじさんもスキルを上げて仕事ができるようになって働けばよいのです。管理職として無能さを感じたら、マネジメントを学べばよいわけです。

逆に学ぶ能力がない人物が管理職につくと、努力しないで手に入れた権限という武器をその攻撃力が最も発揮される相手である部下達に振るい始めます。

…恐ろしいですが、そういう管理職を何人も見てきました。皆さん、権限の振るい方にはものすごい長けています。

学ぶことに欲があるのか、学ぶスキルがあるのか、そのあたりを判断して抜擢するのが効果的です。

経営者が無能であってはいけない

ピーターの法則にハマらないために絶対に抑えておくべき条件が一つあります。

それは経営者自身が無能ではない、ということです。

社長が学び続けて成長を続けている限り、おそらく抜擢する人材にミスをすることも少ないでしょうし、ミスをしても修正はできると思います。

ですが、社長の成長が止まり無能であるのであれば、その魂が組織に浸透していくのは容易に想像がつきます。

ですから、上司が無能だと嘆いている皆さんは経営者の成長性を見て下さい。

経営者が無能のまま停滞しているのであれば、先々は厳しいかも知れません。

自らの価値を十分に高めて準備を整えた上で、外の世界を見に行くのが良いと思います。

まとめ

「働かないおじさん」を生み出す仕組みであるピーターの法則について、またそれを避ける人材配置の方法についてお伝えしてきました。

うまい上司の扱い方などの平社員向けのテクニックも色々と紹介されていますが、私がいくつかの企業を渡り歩いてみて、そしてフリーになってみていくつかの企業と取引をさせて頂く中で見ている限り、組織の問題はやはり経営者に帰結している場合が多いと感じています。

私は一人チームなので好き勝手言ってますが、いざ組織になったときに無能な組織にならないようにこの記事を刻み込んでおきたいと思います。

そして、働かないおじさんが少しでも減ることを願っています。

最後に何度かご紹介した森川さんの著書「シンプルに考える」。紹介しておきますので、まだの方はぜひご一読を。


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