みなさん、こんにちは!
人事部で働いたことは一切ないタカハシ(@ntakahashi0505)です。
今は一人で会社をやっていて採用の予定は全くないですし、もう一回言うと人事部で働いたことはありませんが書きたいと思います。
さて、皆さんの会社では、人材を採用するときに、その人のどこを見て採用をするか否かを決めますか?
実績ですか?スキルですか?人柄やコミュニケーション能力ですか?
先に断言しますが、採用の際に最も重視すべきは「成長性」です。
間違いありません。
私は過去に在籍していたいくつかの企業で人を評価する側、評価される側、両方を経験してきました。
いずれの企業でも人を評価するときに、過去の実績や今持っているスキルを見ます。私も会社が決めた通りの採用基準や評価制度を、何の疑問もなく受け入れていましたが、今となってはかなりもったいないことをしてきたなと思います。
今回は、採用や評価の局面において過去に盲信してきた基準ではなくて成長性を見るべきだったと思う理由について、反省も含めて書いていきたいと思います。
私が過去に活用していた採用基準
私が在籍してきた企業はいずれも中小企業ですので、新卒採用はほぼありませんでした。いくつかの企業で採用の書類審査や面接を担当しました。
中途採用でいうとその採用基準として以下のような点を重視していたと思います。
- スキルセット→採用予定ポジションで即戦力として活躍できるスキルやそれを証明する実績があるか?
- 年齢→35歳を超えていたらよほどスキルや実績が高くないとNG
- 論理的思考・言語力→話している内容のつじつまが合っているか、会話が不自然ではないか
- 人柄→発言がポジティブで明るい
- 体験→その人ならではの成功体験があるか、または失敗から学んだ体験があったか
だいたい上から順の優先順位でしたね。
さあ皆さん、どう思われますか?
ごく一般的で、ある程度の納得感はあるのではないかと思います。
ただ思い返してみると、この基準には良くない点がいくつかあります。
「和」を乱したくない
まず年齢、論理的思考・言語能力、人柄この3つの項目については、単なるリスク回避のための基準です。
どんなリスクを回避したいかというと、今の企業もしくはチームの「和」を乱すリスクです。
年齢に関してですが、年齢が高いと成長性や吸収能力が低いから、そういう基準を設けているのでは?というふうに思われるかも知れませんがそれは違います。40歳を超えてもガンガン新しいスキルを身に着けている方は山ほどいます。
成長性を図るためには、そのための質問をすれば良くて、わざわざ年齢から遠回りして精度の低い判断をしなくても良いはずです。
では何を気にしているかと言いますと、若いメンバー中心に部署にオジサンがいきなりポンと入ったらヘンな雰囲気になることや、若いマネージャーの下につけたときに指示系統がうまく機能しなくなることを心配しているのです。
実際、私も4年前に当時35歳のときに転職活動をしていた時期がありましたが、年齢と下手にマネージャー経験が多かったおかげでかなり苦戦しました。てか、そもそも応募すら適いません。年齢が高いと、その企業の現場部隊にすんなり入れないのではないかと思われています。
最近は少子高齢化のために、当時ほど年齢を見ないようになってきた雰囲気はありますが、企業によっては採用時に気にしているところもあるのではないでしょうか。
また、論理的思考・言語能力、人柄についても同様に「和」を乱す人材をはじくための基準です。マネージャーがその人材を扱いやすいか、チームが面倒な思いをしたりヘンな雰囲気にならないか、ということを見ています。
てか、ここまで書いてみて悲しくなりますが、どれだけチームの「和」が乱れるのを恐れているんだという話です。
スキルセットの質問に潜む落とし穴
さて、スキルセットについて見ていきます。
今来てもらったら、今想定しているポジションで活躍できるか、ということを見ていまして、想定している仕事があってそのための人材が不足しているから採用するわけですから、そこを見るのは当然ですよね。
ほとんどの企業で判断材料として優先していると思います。
さて、今のスキルで採用して今想定しているポジションに就いてもらったとします。
それが3か月後も同じく継続していますか?1年後、3年後はどうでしょうか?
そのポジションは同様に存在していて、その人材は同様に活躍できる絵が描けるでしょうか?
そうなんです。今の人材と今のポジションだけを見ていたら、時間が経つにつれてマッチングしなくなってくる可能性があります。このスピードの速いWEB業界では特にそうです。
未来の人材と未来のポジションについて、お互いが良いイメージを一致してできている必要があります。
私が採用した方がすぐに退職してしまった理由
例えば、私は過去とある事務職のポジションを募集しまして、明るく元気な女性を採用しました。スキルはエクセルやワードがある程度わかればOKで、業界経験もそれほど必要としていないポジションでしたので、人柄重視です。
その方はどうなったかというと半年も経たずに辞めてしまいました。
なぜ辞めてしまったのでしょうか…?
最初のうちは簡単なエクセルやワードの仕事だけでしたが、少し余裕がありそうだと判断して、営業アシスタント的な仕事を振り始めました。WEBの世界ですからPVやCPAなどといった専門的な用語が山ほど出てくるんですね。エクセルのスキルももう少し必要でした。
その方は私の期待に応えることが負担に感じてしまったんですね。
理由は単純ではなくて複合的なものだったと思うのですが、一つ重要な判断の過ちがあったとすると、採用面接にあったと思います。
実は、採用面接の際に、おいおい少しレベルの高い仕事にもチャレンジしてもらいたい旨は伝えていて、了解をもらっていたのです。しかし、そりゃ採用面接だったら「やります」と言いますよね。入りたいわけですから。
ではどうすれば良かったかというと、成長性を確認する質問をしておけば良かったと反省しています。
今持っているスキルは、どういうきっかけで、どのような方法で、どれくらいの期間をかけて身に着けたものなのか?
これから身に着けたいスキルは何か?またそれはどのように身に着けるのか?どれくらいの期間で、どのレベルまでいく予定なのか?
このような質問をすることで、その人材は「学び方を持っているか」という確認ができます。
ただ、この問いに良い回答ができる人材はそれはもう獲得競争が激しいんでしょうね。このような人材は、既にいくつかの有用なスキルを持っている可能性があるので市場の評価も高いでしょう。
そんな中でそういう人材の獲得ができるかどうか、また少し足りなかったとしても企業に入ってから十分に補完できるのか、というのが人事や広報の腕の見せ所なんだと思います。
過去の一瞬の輝きでは未来は予測できない
では体験についての質問について考えましょう。
おさらいしますと、「その人ならではの成功体験があるか、または失敗から学んだ体験があったか」ということを質問していました。これは実は私としてはお気に入りの質問でした。
この質問以外では、ほぼ回答が予想できるものばかりだったのですが、この質問だけはその人物ならではの部分が垣間見えるからです。
そういう面ではいい質問だと思います。
ただ、ここで気をつけなければいけない点があります。
この質問では、応募者はとっておきの体験を用意してきます。つまり、ベストパフォーマンスなんですね。
野球で言えば、あなたの野球人生でのベストホームランを教えて、というような質問です。優勝を決めた満塁サヨナラホームランで、場外まで打球が飛んでいったとるすると、それはインパクトに残ります。
ですが、それだけを聞いてそのバッターを採用できますか?最近の打率は低迷しているかも知れませんし、守備も下手くそなままかも知れません。
この質問で把握できるのは、その人の切り取った一瞬だけなのです。
採用時に知るべきは、今から未来にかけてのその人材と自社とのマッチ度なのですが、それを測定するための情報として一瞬の飛び抜けたエピソードはむしろ、未来の予想をブレさせるノイズとなってしまうかも知れません。
その人の未来を予想するためには、インパクトのある一瞬のデータではなくて、今現在から適正な過去までさかのぼって時系列に並ぶ連続的に構成された多数のデータです。データの数が多くあれば未来の直線も上向きなのか、平行なのかが推測しやすくなり、その精度も高まります。
ですから、過去の体験についての一瞬の答えをもとに、その人の未来を予想してはいけませんし、そもそもできません。
むしろ、そのための質問としては、前述の「成長性」についての質問が向いています。人が成長を遂げるためには、一瞬ではなくて、継続的な努力や工夫や意識が必要だからです。
成長性がスピードとフレキシビリティを生む
実はこの記事を書こうと思ったきっかけは、クラウド会計サービスを手掛けている「freee」のこちらの記事でした。
この中から一部抜粋させて頂きます。
スタートアップにはものすごくスピードが求められます。1分1秒を争う世界では、即戦力を採用しようとすると、スキルがある人を採用しようとなりがちです。freeeはそうではなくて、重視するのは、どれだけ成長スピードが速いか、そして、まっすぐ伸びるかというところで、それはタケノコなのかなと思ってるんです。
今スキルがないとしても十分な成長性さえあれば追いつき、追い抜くことができる。逆にスキルが高くても成長性がなければ、すぐにお荷物になってしまうということです。
成長性の高い人材で構成されている企業やチームは猛スピードで進むことができ、変化にもフレキシブルに対応できます。
私は独立して3か月になりますが、独立するとよくわかります。自分には独立して生き続けるためのスキルはまだまだ不足していて、急激に身に着けていかないといけないと感じています。そうしないと生き残れない。
きっと急成長を遂げているスタートアップは皆さん、そういう姿勢で取り組まれていて、だからこそそのために成長性を重視した採用をされているものと思います。
さて、少し前の話を思い出してみて下さい。
当時採用活動を行っていたいくつかの企業において、私とその在籍していた企業は「和」を乱すのを恐れていました。それって、自分やチームに変化をもたらす異分子を恐れていたということ…つまり、変えたくなかったということかも知れません。
成長をしたくなかったのかどうか…それは当時の記憶を探ってもわかりませんが、当時在籍していた何社かについていえば私もチームもあまり成長をしていなかった気がします。
てんで採用担当としてもマネージャーとしてもダメでしたね。反省しかありません。
まとめ
以上、過去人事担当をしたことがないにも関わらず、そして一人だけの会社に勤めているにも関わらず、企業の採用について書いてきました。
採用という視点で語ってきましたが、採用だけに関わらず仕事をして生きていくのであれば間違いなく成長が必要ですし、強い武器になります。
こちらの記事で書いた通り、重要なのは学ぶスキルです。毎日の積み重ねでかなりのことができるようになります。
今はその予定はありませんが、そのうち弊社でも仲間を増やすときはもちろん意識しますが、たまたまご覧になられた採用担当の方、就職活動をされている方、その他の全ての方、ぜひ一度「成長性」というテーマで自問自答していただければと思います。