地域経済分析システム「RESAS2.0」勉強会に参加してきた

地域経済分析システムRESAS

みなさん、こんにちは!
最近はスッカリ地域活動の人っぽくなってますタカハシ(@ntakahashi0505)です。

皆さん、「RESAS」って知っていますか?

この度、縁あってこのRESASについての勉強に参加することができましたので、そのレポートをお伝えしたいと思います。

しかし、なぜこの勉強会参加したかというと、先日書いたこの記事。
http://tonari-it.com/the-third-field/

2015ブロガーズフェスティバルで活動範囲を広げて行こう!と、『オレガジェット』のオカベさん(@OREGADGET)にコンタクトをとりまして、いくつかのイベントのご招待を頂きました。

その経緯と、三鷹の街に繰り出したときの様子はこちらで紹介しています。

丸1日密着!第3のフィールドを求めて三鷹の街に繰り出してみた
仕事・ブログとは別の第3のフィールドを見出すべく、ヒントを得る機会を得ました。オレガジェのオカベさんのはからいで三鷹の地域活動に丸一日密着できましたので、発見したこと、得たことをご報告します。
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RESASとは何か?

勉強会レポートの前にRESASについてご説明します。「Regional Economy and Society Analyzing System」の略で「りーさす」と呼びます。

RESASとは内閣官房(まち・ひと・しごと創生本部)が一般公開しているビッグテータ解析ツールです。

企業間取引、人の流れ、人口動態などなど地域経済に係わる様々なビッグデータを国が収集して、その集計結果をマッピングやグラフなどのグラフィカルな出力またはCSVなどの形でネット上で閲覧・取得することができます。

以下リンクから誰でも今すぐにもちろん無料で利用可能です(ブラウザはGoogle Chrome限定)。

RESAS -地域経済分析システム-

2015年4月21日から提供が開始されていて、この9月11日に特許、農業、外国人観光客などの機能が追加されて、バージョン2.0のリリースとなりました。

RESAS2.0勉強会

先日10/28に行われた勉強会は、RESAS2.0の機能追加に合わせて三鷹市の地域活動団体「好齢ビジネスパートナーズ」主催、そして内閣府地方創生担当大臣補佐官室の協力のもと、衆議院第二議員会館の会議室で行われたものです。

議員会館ということで、空港にあるようなボディチェックや荷物チェックがありました

…いやー、なんか偉いとこに参加してしまいました。

私はカメラを持参していなかったので、オカベさんのツイートを拝借しますね。

こんな様子です。

伊藤達也地方創生大臣補佐官のお話、また、まち・ひと・しごと創生本部早田豪企画官によるRESAS2.0のご説明を頂きました。

実際にご活躍をされている方々のお話を直接聴ける機会などなかなかないものですから、本当に貴重な体験でした。

以下、その趣旨と機能について頑張ってお伝えします。

最大の狙いは見える化

今後の地域経済でいうと決して楽観できないという状況は明白で、そのためには各地域の現状や実態を正確に把握することが重要になってきます。

しかしながら、各地方自治体がそれぞれで民間のビッグデータを購入したり、それらを分析するシステムを構築するといったことを考えると、予算がいくらあっても足りず現実的ではありません。

そこで国としてそのようなビッグデータとそれを分析するシステムを開発して、それを各自治体に提供していくことでサポートをしていこうと。それがRESASというわけです。

自治体や各地域でいうと、使わない手はありませんよね…。

かつ、全体として同じデータ、同じシステムで取り扱うわけですから、自治体・地域間の情報共有や比較もできるという優れものです。

稼ぐ力分析

早田企画官のご説明を元に、具体的にRESASの機能をいくつか抜粋しまして簡単な紹介をできればと思います。

まず、「稼ぐ力分析」という機能です。

これは、その他の通り、各自治体の稼ぐ力を分析する機能なのですが、例えば我らが板橋区の例で、とある散布図を見てみます。

RESAS付加価値額と労働生産性の特化係数

この散布図にポイントされている「点」の一つ一つは、「製造業」「卸売業・小売業」などの各産業の大カテゴリです。

横軸が「付加価値額の特化係数」、縦軸が「労働生産性の特化係数」となっています。特化係数というのは、全国の自治体平均と比べた際の指標で、大きければ大きいほどその地域がその産業のその指標において特化しているということになります。

ざっくり言っちゃうと散布図でいえば点が右にあればあるほど儲かってる、上にあればあるほど従業員一人あたりで儲かってる産業と言えるということです。

ですから板橋区の場合は、教育・学習支援業がかなり飛び抜けて優秀な産業、全国平均よりもやや良いというところに「医療・福祉」「卸売業・小売業」「製造業」などがあるということです。

この稼ぐ力分析については、より細分化したカテゴリを見ることができます。例えば、製造業の配下にあるカテゴリを見てみますと

RESAS産業別特化係数-製造業

石油商品、化学工業、業務用機械、…などが付加価値額の特化係数が高いですね。住んでおきながら、全く知らない…。

労働生産性は、全体的に1より小さいですね…。もっとミクロで見て行かないと何とも言えないですが、カテゴリに横断して全体的にその傾向が見えますから、地域としての一つの課題としては発見になると思います。

次に、卸売業・小売業を見てみますと

RESAS産業別特化係数-卸売業、小売業

卸売業がダントツですね。カテゴリ全体としては全国平均より下回っています。早田企画官は、できれば集中して絞って手を売っていくのが良いとおっしゃっていました。

実際に目に見えるミクロでの地域の状況や情報を見ながら、どのカテゴリをどう対策していくのか?といった判断を自治体や地域でしていくことになるんでしょうね。

特許分布図

特許って、気にしたことありますか?

あんまり普段は目にすることがないかも知れませんが、それもこのRESASの特許分布図で見ることができます。

板橋区の特許について、その分野別比率を見てみます。

RESAS特許分野別比較

全国や東京都と比べて、化学・冶金の比率が高いですよね。先ほどの産業別特化係数でも、石油製品や化学工業関連の産業が優秀でしたから、その関係もあるのかもしれません。

では、その分野内で各自治体が持っている特許数をマップで見てみますと

RESAS特許分布図

…普通でした。

港区、千代田区が圧勝で、それぞれ20万件以上の化学・冶金関連の特許を持っていました。

早田企画官のお話では、特許というのは特定の地域に集中する傾向があるそうです。当然、近隣に関連企業が集まりやすいでしょうし、ノミニケーションでの異業種交流で特許を生み出す切っ掛けになったりもするということなんだそうです。

実際に特許の一覧をRESASで見ることができますから、具体的にどのエリアまたは企業や研究機関にアプローチしていくか、などの参考にすることができます。

まとめ

以上、RESASの機能の2つをご紹介しましたが、ほんの一部です。

他にも農林水産業マップ、観光マップ、人口マップ、自治体比較マップなどたっぷりとご紹介頂きました。

今までは、まずどのようなデータが取得できるのもわかりづらかったですし、欲しい情報を探すのが大変だったのですが、これからはこのRESASにアクセスすれば同じフォーマットで全国の情報が手に入ります。

本当に様々なジャンルのデータが集まっているので、地域活動やお仕事以外にも、就職や進学、移住、場合によってはレジャーなどにも使えるものと思います。

ぜひ一度、ご自身のお住まいの地域についてご覧になられてみてはいかがでしょうか。

このRESASですが、2016年3月まで機能追加が順次行われまして、注目は「地域経済循環」で各自治体間のお金の流れを可視化するという、超素敵機能です(特別メニューでなければ良いのですが)。

楽しみに待ちたいと思います。

また、本勉強会には第二部として、地域を盛り上げる活動をされている皆さんからのプレゼンテーションもありました。知恵を出されて積極的に活動されている方々はたくさんいらっしゃるんですね…外に出るまでは知りませんでした。

皆さんの活動についても、折を見てレポートできればと思います。

最後に、本イベントにご招待頂きましたオカベさん、このような画期的な勉強会を準備くださった「好齢ビジネスパートナーズ」の皆さん、ありがとうございました!

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