みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。
こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!
今回のテーマは、なりすまし広告を防ぐべくメタなどSNS大手に広告審査基準の公表義務化です。
なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!
では、よろしくお願いいたします!
大手SNSのなりすまし広告問題について
ここしばらく話題になっています大手SNSのなりすまし広告の問題。
これについて日本政府がようやく動き出したというニュースがありましたので、紹介したいと思います。
参考としている記事はこちらです。「SNS大手に広告審査基準の公表義務化 なりすまし防ぐ」という日経の記事です。
リンクを貼っておきますので、よろしければ合わせてご覧いただければと思います。
記事の内容は、政府はインターネット上の偽情報対策として、広告掲載の事前審査に関する基準を公表するよう大手SNS事業者などに義務付ける検討に入るとしています。
これは、著名人を語るなりすまし広告の問題に対処するというものです。
その対象となるのは、InstagramやFacebookを運営するメタなどの大規模事業者であり、法整備も視野に入れていると伝えられています。
なりすまし広告とは
そもそも、なりすまし広告とはどのようなものなのか、ここからお伝えしていきます。
なりすまし広告というのは、有名人、たとえば堀江貴文さんや前澤友作さんなどの名前を無断で使用し、「お金が簡単に儲かる」などの虚偽の広告を掲載するものです。
その広告をクリックすると、LINE上のグループや個別のチャットに誘導され、そこで嘘の投資話などを持ちかけられ、多額の金銭を送金すると、その直後から連絡が取れなくなるというものです。
被害の現状
このSNSタイプの詐欺は、非常に被害が拡大していると言われています。
警察庁の集計では、2023年1年間に届けられた被害額は合計約278億円に上り、1件あたりの被害額は平均約1000万円ということです。
このSNS型投資詐欺被害の最初の接点で最も多かったのはInstagramで、次いでLINE、そして3番目がFacebookと報告されています。
つまり、メタが運営するInstagramとFacebookを合わせると、被害のうち42パーセントがこのサービスが起点となっているということです。
また、マッチングアプリも接点として多いようなので注意が必要です。
起点となっているSNSはこれらのサービスなんですが、最終的に送金へ誘導する連絡手段、これはLINEが9割近くを占めたこのように伝えられています。
二次被害について
さらに、不当に金銭を取られてしまう二次被害も発生していると伝えられています。
たとえば、「なりすまし広告」「投資詐欺」などのキーワードでGoogle検索をすると、検索結果の上位に「騙し取られたお金を取り戻す」といった弁護士法人を名乗る広告が表示されることがあります。
しかし、これらの広告も詐欺であるケースがあり、これに相談すると高額の着手金を要求され、その後一向に事件が解決に向かわないという相談が消費生活センターや弁護士会で増えています。
この問題に関して、弁護士会は「詐欺被害を法律相談したい場合には、広告経由ではなく弁護士会などの相談窓口に直接連絡してほしい」と伝えています。
そして、このような2次被害の入り口となってしまっている広告、これを検索結果の上位に表示し続けていて、そこから収益を得ているのがGoogleということになります。
各国の対応の違い
EUではこういった問題の対処が非常に迅速に行われており、昨年の夏からデジタルサービス法(DSA)が施行されています。そこで、大手プラットホーム事業者に情報などの有害コンテンツの削除、これを義務付けたわけです。
イギリスでもオンライン安全法が昨年秋に成立し、違法な情報の削除をプラットフォーム事業者に義務付けています。
日本の対応遅れ
日本では対応が遅れています。
たとえば、堀江さん曰く「メタ社に削除しろとを1年以上言いづけているんだが、なめた対応しかしない。」このようにおっしゃっていますし、前澤さんも、「プラットホーム規制してくださいとお願いし、本国のメタ社を提訴する準備もしている。」このようにおっしゃっています。
なりすまし被害にあわれている有名人たちが、SNSで発信したことで注目を集めました。
これを受けて、メタ社が4月16日に「著名人になりすました詐欺広告に対する取り組みについて」と題する声明を発表しましたが、その内容は「オンライン詐欺は社会全体の課題であり、産業界、専門家、関連機関との連携が必要」というもので、自分たちの責任を回避するような内容でした。
メタ社だけではなくて、GoogleやLINEヤフーも詐欺は犯罪で、社会全体の問題との論法で共通していると言われています。
このメタ社の声明を受けて、前澤さんはXでメタ社およびFacebook Japan社それぞれを本日提訴しましたと投稿して、東京地方裁判所に訴えを起こした。このようにも伝えられています。
日本政府の動き
このような動きを経て、日本政府もようやく動き出しました。30日に行われる総務省の有識者会議で、以下の内容が盛り込まれるとされています。
- 広告掲載に関する事前審査基準の策定、公表
- 日本語や日本の社会、文化、法令を理解する者の配置
- AIによる自動審査の実効性に関する説明の要請
- 掲載停止基準の策定、公表や運用状況の公開
これらの内容は、6月にまとめる経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)への反映を目指しています。また、有識者会議は法整備のあり方を議論し、この夏までに取りまとめる方針です。
なぜ大手IT企業は問題を放置しているのか
そもそも大手IT企業がこのような犯罪の片棒を担ぐようなことをしている理由は、広告の掲載基準やその運用を厳格化すればするほどビジネスに悪影響が及ぶためです。
審査のためのマンパワーや人的コストがかかり、広告掲載が遅れることで収益が減少するリスクがあるからです。
審査するマンパワーを割く必要がある。そのための人的コストがかかってしまいますよね。
しかも、せっかくお金を払うと言っているクライアントを場合によっては拒否をしないといけなくなります。
審査が通過したとしても、その審査の期間だけ掲載が遅くなりますから、収益が発生するのが遅れてしまいます。こういった形で、ダブル、トリプルで損する気持ちになってしまう。
なので、できれば責任逃れをして、そのままやり過ごしていたい。これがビッグテックの本音になります。
このように、明らかに公益性とビジネスが相反してしまっている。そして、彼らビックテックが何もするつもりがない。
やはりそういった部分に関しては、政府が規制を厳しくしてさびを打つ必要が出てきます。これに関してはどんどんやってほしいというのが個人的な思いです。
利用者としてはどうするのがよいのか
我々利用者としては、ネット広告に関しては無視する、クリックしない。広告経由でLINEグループに入らないという方針を取ることが重要です。
政府の動きによって広告掲載に関しては改善されることが期待できますが、詐欺師たちは次々と新しい手口を考え出します。
我々一人ひとりが情報をキャッチし、警戒して被害に遭わないようにすることが大切です。
今日は著名人のなりすまし広告の問題について、SNS大手に広告審査基準の公表義務化に関するニュースを紹介させていただきました。
まとめ
ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「なりすまし広告を防ぐべくメタなどSNS大手に広告審査基準の公表義務化へ」をお届けしました。
タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。
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では、また。