名前づけの意義とバズワードに振り回されない方法

名前づけの意義とバズワードに振り回されない方法

みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。

こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!

今回のテーマは、名前づけの意義とバズワードに振り回されない方法です。

#58 名前づけの意義とバズワードに振り回されない方法 | タカハシノリアキ「『働く』の価値を上げるスキルアップラジオ」/ Voicy - 音声プラットフォーム
音声放送チャンネル「タカハシノリアキ」の「#58 名前づけの意義とバズワードに振り回されない方法(2022年8月4日放送)」。Voicy - 音声プラットフォーム

なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!

では、よろしくお願いいたします!

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言葉の力を理解しバズワードに振り回されない

今日は、言葉の力を理解しバズワードに振り回されないというテーマでお話します。

木曜日は質問回答の日なのですが、僕が講師を担当している、講師のための講座「インストラクション講座」でいただいた質問から「言葉の力」について考えていきたいなと思っています。

言葉を勝手に外してしまった反省

こういう質問をいただいたんです。
「転移ってなんですか?」という質問です。

「転移」ということばを検索していただくとわかるように、医療などでがんの転移にも使われる用例が出てきてしまうんですね。さらに「学習 転移」と検索すると、別の定義が出てきてしまうんです。

インストラクション講座では「転移」だけでなく「研修転移」と紹介しなければいけなかったんですね。

ただ、このインストラクション講座では研修だけでなく講座の講師を担当することを意図していたために、「研修」という言葉だけでは当てはまらないから勝手に外してしまっていたんですね。

そんなことをしてはいけなかったという反省です。

この「研修転移」ということばは、人材開発についてたくさんの研究をされている中原淳先生の「研修開発入門~研修転移の理論と実践」という書籍からお借りした言葉です。

「研修で学んだことが現場で実践される、成果が生み出されること」を表す言葉として紹介されていました。

学びの側面を解像度高く語る言葉

先日、中原先生のプレゼンを拝聴する機会があって、その中では、この20年の人材開発を総括されて、20年前は日本には人材開発を語る言葉が

  • OJT
  • Off-JT
  • 自己啓発

この3つしかなかったと。

それが20年を経て、様々なことばが生み出されました。

  • リフレクション
  • 経験学習
  • 越境学習
  • 研修転移

などなど、大人の学びのいろいろな側面を解像度高く語る言葉が生み出されてきたという話です。

その言葉が普及することで、その概念や理論が人材開発の現場にも普及していって、活用されるようになったということです。

どういうことかというと、名前をつけることはすごく効果的で、その奥にある意味とか概念とか理論とかそういうものを、名前の中に圧縮して伝えられるようになるということなんです。

実際、「越境学習」という言葉を生み出してくださったからこそ、僕らはそれらが何者なのか、どういったメカニズムで、どのような理論に裏付けされているのかというのを、その1ワードに込めることができ、その取り組みやそれによる事例を紹介することが劇的に容易になったわけです。

「名前をつける」ということはメイクセンスの手法

少し別の話ですが、先日チャンネルでも紹介した、社会実装のしかたを解説する書籍「未来を実装する」でも、社会実装を進める上で「名前をつける」ということはメイクセンスの手法として有効な手段として紹介されていたんですね。

例としてAirbnbやUberなどの取り組みを伝えるために「シェアリングエコノミー」という言葉をつくることで、その取り組みを明確に表現できるようになり、その取り組みに賛同する企業や人々が乗っかりやすくなっているんです。

このように、言葉を作るというのは概念とか理論とかいろんなものを乗せて伝播することに有効な手段です。

正しくパッケージングできていないのにバズワードになる

ただ、その観点でいうと、正しく意味とか理念を圧縮してパッケージングできていない例もあります。

その代表例が「DX」ですね。

人によって解釈が異なってしまい、結局何者なのか、どう取り組んだらいいのかがわからなくなってしまっているんです。

ただそのことば自体が広まっていてバズワードになってしまっているわけです。

これはITの世界ではよくある話で、少し前ではAIやRPAもだいぶ色々な解釈を含むワードとして使われていて、それなのにバズワードとしてものすごい拡散してしまうという現象があったんですね。これは定期的にあるものなのかなと思います。

中原先生によると、こういったバズワードは人材業界でも生まれやすいと、ブログの中でおっしゃられてました。

最近でいうと「リスキリング」とか「人的資本経営」とかがバズワードになっているそうです。

言葉の裏にある理論や背景を学ぼう

そして、こういうバズワードが生まれる裏には、ステークホルダーがうごめいていて、一儲けしようとしているものだというふうにもおっしゃっています。

そういうバズワードに踊らされずに、何をやるべきかブレずに思考するためには、人材開発の理論をしっかり学んでおきましょうねともおっしゃられてました。

まさにそうだよなぁと思います。

ここに関してIT業界も全く一緒で、とくにバズワードになっているほど、たくさんの企業が、うごめいている何かに無駄にお金を吸い取られているように思います。

それよりも本質的なところにちゃんとリソースを投じて、良い未来への投資にしていただいて確実に進んでいきたいものです。

そのためには言葉の裏にある理論とか背景とかをちゃんと学ぶ姿勢が必要です。

ITについても、人材開発についても先生方の素晴らしい研究を読みやすくまとめてくださってる書籍がたくさんありますので、ぜひ、そこから学んで行っていただきたいと思います。

まとめ

ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「名前づけの意義とバズワードに振り回されない方法」をお届けしました。

タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。

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では、また。

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