みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。
こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!
今回のテーマは、今さら聞いてもいいIT用語 #21: 「GPU」 です。
なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!
では、よろしくお願いいたします!
今更聞いてもいいIT用語「GPU」
今更聞いてもいいIT用語シリーズ。今日紹介するキーワードは「GPU」になります。
ChatGPTを始め、生成AIのニュース、あちこちで見かけますが、それと共にちょくちょく見かけるようになったGPUという単語。
今日はこのIT用語について解説をしていきます。
CPUと何が違うのか、また、GPUで一躍脚光を浴びているNVIDIAという企業についても触れていきたいと思います。
GPUとは
まず、GPUという言葉についてなんですが、こちらはGraphics Processing Unitの頭文字を取った言葉となります。
主に画像描写を行う際に必要となる計算処理を行う半導体チップ、プロセッサーのことを言います。
こちらのGPUなんですが、みなさんがお使いのパソコンにも搭載されています。
パソコンを使うときには、当然モニターが必要ですよね。
そのモニターに、現在操作しているアプリケーションのウィンドウやそのウィンドウの中の表示、それらを画像描写して表示する、そういった機能が必要になるわけです。
その画像描写の処理を専門に扱うのがGPUということになります。
ExcelとかWordといったOffice系のソフトを使用するような事務処理用途のパソコンであれば、GPUの性能をそんなに気にする必要はありません。
しかし、3Dグラフィックスやデータ量の多い映像などをガンガン画面に映し出す時にはGPUの性能がかなり重要になってきます。
GPUとCPUの違い
さて、このGPUなんですが、CPUと何が違うのかというところ、気になりますよね。
GPUは先ほどお伝えした通り、画像処理を専門に担当するのに対して、CPUはCentral Processing Unit、中央演算処理装置などと言いますが、パソコン全体の処理を担当するものです。
たとえば、パソコンで画像を表示するというタスクに関して言うと、まずCPUが画像を表示するという命令と必要なデータの処理をします。
その後に、CPUが画像処理に関する仕事をGPUへ引き渡す、こういった流れで処理をしていきます。
つまり、CPUがパソコンを動かす正答のような役割を果たし、GPUは画像処理に関してはそのCPUから指示を受けて専門的に担当する、こういった流れになるわけです。
GPUと生成AI
GPUは大量のデータを処理することが得意
さて、グラフィックスを担当するGPU、これがなぜ生成AIのニュースで登場するのかという話です。
それは、GPUが比較的単純な処理を同時並行でたくさんするのが得意という、そういった特性によります。
CPUやGPUの内部に存在する処理ユニットのことをコアと言うんですが、このコアは1度に1つの計算を行うんです。
したがって、コアの数が多いほど同時に多くの計算を実行することができます。
このコアの数なんですが、CPUのコアは多くても数十個と言われていますが、GPUの場合、コアの数は数千にも及ぶと言われています。
つまり、GPUは大量のデータを並列処理することが得意なプロセッサーということになるわけです。
画像処理以外にも活用されるGPU
元々その特性を生かして、3Dグラフィックスなどの画像処理、ここに使われていたわけですが、画像処理以外の分野にも積極的に活用されるようになったわけです。
その1つがAIということになります。
AIのタスクは通常、大量のデータを処理して、複雑な数学的演算、特に行列演算というものをします。
このような演算に並列処理の特性を持ち、同時に多くの演算を行えるGPUがとても向いていたという話なんです。
GPUの圧倒的シェアを誇るNVIDIA
さて、そのGPUなんですが、世界で圧倒的シェアを誇っているのがNVIDIAという会社になります。
2022年OpenAIがChatGPTを発表してから、生成AIの一大ブームと言ってもいい流れが加速しました。
OpenAIはもちろん、GoogleやAnthropicなど各社がそれら生成AIのエンジンとも言える大規模言語モデルLLMの開発で凌ぎを削っているわけです。
OpenAIは最近GPT-4oこちらを発表しましたし、GoogleもGemini 1.5 ProやGemini 1.5 Flashを発表していますね。
そして、これらLLMの開発、運用で必須となるハードウェアがGPUということになります。
画像処理だけでなくAIの分野でも業界をリード
元々NVIDIAはグラフィックス処理のユニット、GPUの分野で業界をリードし続けましたが、GPUが画像処理だけではなくてAIの世界でも使えるということになった今、AIの分野でも業界をリードする立場になっているということなんです。
実際、生成AIの開発に使われるデータセンター向け半導体で言うと、NVIDIAが世界シェアの8から9割を握ると言われています。
そのような大きな波に乗って、NVIDIAの株価は過去1年間で200%以上も急騰し、この6月5日には同社の時価総額が初めて3兆ドルを超えたと、そしてAppleを上回った、このようにも報じられています。
LLMの開発・運用には大量のGPUが必要
なぜそこまで絶好調なのかという話ですが、これはGPUが慢性的に不足している、それが深刻化しているという背景があります。
というのも、LLMの開発、運用には大量のGPUが必要になると言われているんです。
たとえば、ChatGPTのLLMであるGPT-4の開発で言うと、NVIDIAのGPU「A100」という製品があるんですが、これが1万から2万5000個使用された可能性があると言われています。
また、OpenAIがGPT-5の商標登録を行ったという報道があったんですが、このGPT5の開発に必要なGPUの数、先ほどのA100よりも新しく性能の良い「H100」というモデルがあります。
モルガンスタンレーはこのH100が2万5000個必要だろうと、このように予想しているんです。
そして、これらGPUの価格ですが、いくらだと思われますか?
A100はなんと約240万円、H100は約500万円と言われています。
500万円のGPUが2万5000個。
計算すればわかりますが、ものすごい金額になりますよね。
これほど高い金額ではあるんですが、このGPUをたくさん持っているほど、より優秀なLLMを開発できますし、さらに高速に、スピーディに開発をして世に送り出すことができます。
ですから、AIを開発するビッグ・テックは、NVIDIAのGPUを手に入れようと競うわけです。
それによって、NVIDIAの売り上げは2倍、3倍と増加していったということになります。
LLMの開発はビッグ・テック各社が競っていますが、GPUに関して言うと、NVIDIAが独占的シェアを持っているので、競争が激化すればするほどNVIDIAが儲かる、こういった図式になっています。
生成AIをハード面で支えるGPU
ただ、この一強時代に関して言うと、これが永遠に続くかというと、そうではないという意見もあります。
インテルやAMDといった主要半導体チップメーカーも黙っていないだろうと言われていますし、アメリカの連邦規制当局が、NVIDIAがAI産業で果たす支配的な役割について、ハントラスト法、つまり独占禁止法なんですが、これの違反で調査を進める、そのような報道もあります。
いずれにしても、今大変に盛り上がっている生成AI、これをハード面で支える技術としてGPUがものすごく注目されているということなんです。
生成AI関連のニュースとともに、GPU関連のニュースにもぜひ目を向けていただければと思います。
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ノンプロ研講座へのリンク貼っておきますので、ぜひそちらをご覧いただき、お申し込みいただければと思います。
チャプターにノンプロ研講座のページのリンクを貼っておきますので、詳細のご確認とお申し込みはそちらからお願いいたします。
まとめ
ということで、今日は今更聞いてもいいIT用語シリーズ第21回。紹介したIT用語は「GPU」でした。
元々はグラフィックのためのプロセッサーですが、それがAIというテクノロジーの盛り上がりによって、本来ではない新しい分野でものすごく注目されるようになったということなんです。
このようにニュースでは時々見かけるんだけど、どういった言葉なのというところがあれば、スキルアップラジオ今更聞いてもIT用語シリーズで紹介したいと思います。
この言葉について教えてほしいという事があれば、ぜひコメントで教えていただければと思います。
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