みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。
こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!
今回のテーマは、成長・拡大を求めずに長く繁栄する商いをする魅力です。
なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!
では、よろしくお願いいたします!
【新哲学】時代に疲弊せず、長く繁栄する「商い」をする方法
今日はある会社の取材の記事を紹介したいなと思ってます。
NewsPicksの特集記事なんですけれども、そのタイトルは、「【新哲学】時代に疲弊せず、長く繁栄する「商い」をする方法」です。
NewsPicksの有料記事ではあるんですけれども、最近読んだ記事の中でピカイチで学びが多かったので、ぜひ紹介したいなと思います。読んでみたいと思う方は、ぜひ有料でご覧いただければと思います。
紹介されていたのが、京都の「開化堂」という会社になります。こちら明治8年の創業から茶筒を作り続けてきた、小さな工房だそうなんです。その6代目当主の八木隆裕さんの取材をされた記事になっています。
茶筒なんていうと、そもそもお茶を飲むことが少ないタカハシ的には、なかなか縁遠い存在ですし、わざわざ買うようなものなのだということも、今回の記事で初めて知ったくらいなんです。
ただ、このような伝統的な工芸品は、資本主義の荒波にもまれて、経済的に立ち行かなくなってしまって、廃業を余儀なくされる。そんな話をよく聞いたりします。ただ、開化堂の哲学は、そもそも成長を求めない。そうではなくて長く繁栄を続けること。これを目指すことに関して、非常に専念されているんです。
いくつも目から鱗ポイントがあったので、いくつか紹介していきたいなと思ってます。
自社にとって大事なことは、言語化できるものではないのでしていないということ
まず、「開化堂には家訓がない。あるとしたら、この茶筒です」と八木さんがおっしゃられてるんです。
ちょっと、なぞなぞっぽい感じがしますよね。通常、企業で言うと、ミッション、ビジョン、バリュー、会社が目指す姿みたいなのを言語化しようとするわけです。それを社員とか周りにお伝えすることで、同じ方向を向いてビジネスができるようにしていくわけなんです。
ただ、残念ながら多くの場合は、それ自体形骸化してしまっていて、あまり社員も覚えてないみたいな感じで、効果が上がらないことが多いんです。開化堂の場合は、そもそもその言語化のプロセスに、自社にとっては良くない側面があると考えてるんです。
どういうことかと言いますと、この茶筒を開けた瞬間に気持ちいいと思ってもらうことが大事とおっしゃられてます。
この気持ち良さを守り続けるってことを開化堂としはしたいわけなんです。ただし、それを言葉によって表現しようとしても、その気持ち良さは、茶筒の手触りとか、開けた時のポンという音とか、五感を使ってフルに感じるリッチな感覚であって、言語化もできないわけなんです。
なので、自社にとって大事なことは、言語化できるものではないので、していないということなんです。これ、すごい面白い話だなって思うんですけれども、色々なビジネスの中にも、その言語化できないけれども大事なことは結構あるんじゃないかなと思うんです。
ただ、多くのビジネスパーソンは、そこを意識してないかもしれないなと今回感じたわけです。たとえば、ホンダ三現主義、つまり、現場、現物、現実、これを自らの目で見て、体に感じて物事を捉えようみたいなことをおっしゃられてたのは、まさに言語化をして、伝言ゲームした中に、そぎ落とされてしまう大事な情報があるんじゃないか。そういったことを言いたいわけなんです。
数に制約をもたせる
生産数の制約
もう1つ、この記事で興味深かったのは、数に制約をもたせるというポイントなんです。
何かというと、通常であると、売れる見込みがあるのであれば、そこまで生産能力上げます。そこで、生産数を増やして売り上げを増やしていくと。これが商売の定石であり、ほとんどのビジネスで言うと当たり前にやっている行動なんです。
しかし、開化堂は作る上限をそもそも決めてしまっているんです。なぜそんなもったいないことをしているかというと、開化堂の強みというのは、もう圧倒的なクオリティなんです。
一方で、数が伸ばせそうだからっていうことで数を求め始めたところ、このクオリティとのトレードオフになってしまいます。なので、そもそも数追わない戦略を取ったんです。このことによって、いつもと違う発想が出てくるわけです。
というのも、もうちょっと余力ありそうだ。しかし、作れる数は決まってる。では、その余力をどこに使うかという発想になるわけなんです。
そもそも自社の強みはクオリティなので、そのクオリティをより高めるためには何ができるのか。ということで、自社の強みをさらに研ぎ澄まされていく、そちらの方向に発想が広がっていくわけなんです。
従業員の制約
さらに、作る上限が決まると、社員の上限も決まってしまうわけなんです。つまり、社員は20人までと決まっているそうです。
コミュニティや安定的な関係を維持できる人数として、ナンバー数という数字があるといわれていまして、これは150人ぐらいと言われてるんです。
ただ、この開化堂の場合は、社長と喋れる数として、20名ということを決めているそうです。
それより人数が増えると、社長と直接話ができない人が出てきたり、チームが出てきたりしてしまうわけです。そうすると社長はどうするかというと、全体を把握するために数値化せざるを得なくなります。
数値化をすることで、開化堂にとって大事な情報が削ぎ落とされてしまします。これはまさに言語化と同じようなよくないことが、開化堂にとっては起きてしまうと判断しているということなんです。
制約と自由の関係性
これに関して、最近、flier book laboの読書会で、まさに同じような話をしたなという記憶があります。というのも、制約と自由の関係性みたいな話題があったんです。
どんな話だったかというと、制約が全くないよりも、ある程度の制約があった方がより自由になりやすい。人の行動にはそういった側面もあるという話だったんです。たとえば、セミナー、勉強会なんかイベントがあったとします。最初に、この場はこういうことを目的にした場所なんで、こういうふうにしましょうと、こんなふうにグランドルールを共有しておくわけなんです。
そうすると、参加者の行動は一定の制約を受けて、自由度が減る。そのように見えるわけなんですけれども、実際にこのイベント自体の目的の方面で言うと、自由な発想とか発言が促されたりして、結果的に良くなるという話なんです。
これは、僕が主宰してるコミュニティノンプロ研でも、グラウンドルールを徹底していまして、これがないふわっとしたイベントよりは、やはりあった方が皆さんの活動はより一層アクティブになるなという印象です。
開化堂の例でも、消費の数っていう非常に分かりやすい制約なんですけれども、これを決めることで、拡大していく、成長していくという方面では制約を受けるんですけれども、一方で、自社の強みであるクオリティを高めていく方向でいうと、より一層発想が自由になっていく。そんなイメージなんだろうなと感じています。
中小企業は特に真剣に考えてみるべき項目
今回の開化堂さんの話は、本当に、中小企業は特に真剣に考えてみるといいんじゃないかなと思うんです。そもそも、弱者の戦い方として、拡大、成長方面は茨の道です。なので、そこを目指すのではなくて、自社の強みをしっかりと磨き続けて、長いこと繁栄する、これを目指すのもありなんじゃないかなと思うんです。
さらに、拡大、成長方面を目指さないのであれば、言語化とか、数値化とか、物事を抽象化せずとも、現場、現物、現実をありのままに捉えることができるようになるわけなんです。さらに、自社の強みを、確固たるポジションにするための大事な大事な何かが、そぎ落とされずに残っている。そんな可能性もあるという話なんです。
日本には多くの中小企業がありますので、ぜひ経営者の皆さん、その辺りの視点も、1度立ち止まって、取り入れてみるのもいいんじゃないかと思います。
まとめ
ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「成長・拡大を求めずに長く繁栄する商いをする魅力」をお届けしました。
タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。
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では、また。