みなさん、こんにちは!
独立をしてから、ちょうど5か月が経ちましたタカハシ(@ntakahashi0505)です。
会社設立当初はビギナーズラックというか、皆様からの餞別というか、ありがたいことにいくつかのお仕事を頂くことができました。
比較的多かったのは、エクセルVBAなどを使った業務支援ツール開発のお仕事だったのですが、進めているといくつかの課題が出てきました。
さて、今回は独立してから数か月、業務支援ツールの開発を主な仕事とする中でどんな課題が出てきたのか、またその際に「納品のない受託開発」にヒントを得ましたので、それについて書いてみたいと思います。
例えばどんな業務支援ツールを作ったの?
まずどんなツールの開発をしたか?なのですが、いくつかオススメのものについてお伝えしておきますね。よろしければ、今の職場で検討頂けると嬉しいです。
集計自動化ツール
これは業種・部署問わずニーズが高いのですが、販売データやアンケートのデータなど、色々なデータを集計する際、その元データは
- Excelファイル
- csvファイル
- WEBページ
- Googleスプレッドシート
- Googleアナリティクス
など、まあ色々なところから、色々なフォーマットに散らばっていたりします。
これを収集・計算して特定のフォーマットに落とし込むのをできる限り自動化しようというものです。
さらに、出力先のエクセルファイルやスプレッドシートにピボットやグラフなどを仕込んでおくと、レポートの素材までを自動で作れちゃうというけっこうな気持ちよさを味わえます。
さらにさらにGoogle Apps Scriptを使うと、プログラムの再生自体を特定の時間に指定ができるので、毎日決まった時間に自動で集計&レポートといったことも可能です。
色々なパターンがあるので、それぞれに対応したルーチンを組んでいくのですが、一旦組んでしまえばPCが勝手に収集と計算をやってくれるので、かなりの生産時間を生み出すことができます。
この手の業務は毎週や毎月といった単位で必ず発生するので、期間でみるとかなりの生産性向上に寄与します。オススメです。
スクレイピングツール
もうInternet Explorerはこのためにしか使っていませんね…
Internet Explorerを自動で操作をして指定したWEBページ群から特定のデータや画像を収集する、といった作業を自動化します。
ランキング情報やデータベースなど特定のルールがあり、かつ大量にある場合は、それはもう絶大な効果を発揮します。
対象のページが100とか1,000の単位で存在している場合、人力でやろうとすると途方に暮れてしまいますが、プログラミングをしてしまえば、一服している間や退社した後に勝手にPCがやってくれます。
書類の自動作成ツール
BtoBの企業であれば確実に発生する業務として、請求書の作成があります。
作成に必要なデータが特定のテーブルにまとまっているのであれば、請求書の作成、PDF化までを完全自動化することができます。
今はMFクラウド請求書やKintoneなど、請求書を簡単に作って送付まで行ってくれるサービスも増えてきています。
しかし、その企業ならではのフォーマットで大量に作らなければいけない場合は、独自ツールが必要になります。
今までの受注開発の問題点
そんな素敵なツール群に関してお仕事ができたのですが、最初にお伝えした通り、いくつかの課題が出てきましたので、説明をしていきますね。
要望のヒアリングと仕様の策定に時間がかかる
通常の流れですと
- お客様からのニーズや現状のヒアリング
- そのニーズに応えるためのツールの設計
- ツールの実現性・実用性の確認
- 仕様書の作成
- 工数・納期の算定
- 見積の作成
という流れで見積をして、納期・内容・金額についてご承認頂いた時点で実作業開始となります。
なのですが…正直、見積の時点で半分以上プログラムが完成してしまっている場合が多いです。
というのも、お客様のニーズや状況に合わせて仕様を組むので、実現性・実用性の確認が必要な場合が多く、てことは仮にプログラムを組んでしまっていることがあるのです。
一応、この部分も工数としては入れさせて頂いているのですが、ここまでやって受注できなかったら辛いですよね…。
早くやればやるだけ報酬が下がってしまう
開発費の計算ですが、通例では「1日かかる作業はいくら」という単価×工数(日数)で算出します。
作業を開始する前は「何かあったとき用に…」という分もバッファで含んで工数を算出するのですが、お客様に納期のご希望は?などと伺いますと、当然のように「なるはや」とおっしゃるわけです。
「なるはや」のときはそのバッファを取り除きます。見積は特急料金的に高めに設定すればいいのですが、期間を減らしてできるならその分安くていいじゃん、的なプレッシャーに阻まれてしまうときもあります。
結果、だいたいは納期に納品できるのですが、バッファを減らした分「なるはや」のほうが報酬が安くなる、という残念な感じになってしまいます。
頭ではわかっているのですが、なんとなく適正な見積ってなんだろうなーと感じていたところです。
納品後の仕様変更がしづらい
業務支援ツールの場合、そんなに大規模なものは少ないので、納品後の保守費用などというものは発生させづらいものです。
当然、バグについてはすぐさま対応をさせて頂きますが、仕様を変えたいときに困ります。
なんせ、業務支援ツールですから、業務フローに変更があったらツールにも変更を加えないといけないわけです。
また、エクセルVBAの場合は、エクセルシートはお客様がいじれてしまいますので、それによってVBAが機能をしなくなってしまう、などといったことも起こり得ます。
都度見積をして発注して…というのは、お互いに面倒です。
お客様も気を利かせて何もおっしゃらないようになって、日が経つとそのツールを使わなくなり…などとなったらお互に不幸だな、などと思ったりします。
納品をしない受託開発
そんなとき、この書籍に出会いました。
開発会社である株式会社ソニックガーデンの代表倉貫さん執筆による『「納品」をなくせばうまくいく』です。
納品のない受託開発とは何か
「納品のない受託開発」という新しいタイプの開発の進め方について提唱されているのですが、それがどういったものかと言いますと
- 仕様書などのドキュメントは作らない
- 月額定額で開発と運用の両方をやる
- 派遣はしない
- 担当者が顧問として全ての工程を担当
- 働く時間ではなく成果を提供
- 納品ではなくビジネスの成長を目標とする
というものです。
一週間単位でクライアントと打ち合わせ(これも往訪はせずに、ビデオ会議か来訪頂くとのことです)にて、案件の進め方や仕様について都度判断を頂き、その方向で進めるという進め方です。
コンサルティングに近くなった感じですね。
この本を読んだとき、「これだ!」と思いました。
納品のない受託開発で解決できること・できないこと
この方法で進めた場合に、私が感じていた課題は解決できるのでしょうか?
要望のヒアリングと仕様の策定に時間がかかる
この課題は月額費用が発生している期間内ですから、仕様を詰めようが開発を進めようが、お客様と握った内容を進めればOKです。
キレイに解決できちゃいますね。
早くやればやるだけ報酬が下がってしまう
これも固定報酬ですから、早くやったところで報酬は変わりません。
「来週までに何を進めるか?」といった部分は都度話合いで決めるものと思いますので、そこでお互いが納得して進めれば良いという形でしょうか。
ただ、お客様は技術に詳しくないことを考えると、受注側がうまいこと楽ができるように進める、という可能性はないことはないです。
ですから「信頼」がすごく重要になってきますよね。
従来の受託開発の考え方ではなくて、リモートではあるが専門性がありある程度しか動けない社員を雇ったという感覚のほうがしっくりくるのかも知れません。
納品後の仕様変更がしづらい
月額費用が発生している期間であれば、なんぼでも対応は可能ですね。
問題は月額費用を発生させるほどの仕事がなくなってきたとき…契約が切れちゃった場合は同じ問題が発生してしまいます。
WEBサービスであれば閉鎖をしない限りは何らかの機能追加や運用対応が発生すると思いますが、業務支援の場合はどうなのでしょうか?
やれることはたくさんあると思うのですが、ここは各社の判断でどこまでを期待するかは変わってきそうですよね…やってみないとわからない部分はあります。
この件に関して、理想の解決法は次の節にてお話します。
納品のない業務支援の先にあるもの
私の理想としては、この記事で書いている通り
全てのエクセルに携わる人がVBAをマスターしたら良いと思っています。
日本で働くかなりの数の人材について生産性が上がりますから、個人、企業、市場、国、色々な単位で見てもメリットが非常に大きい。
ですから、ツール開発をすることがなくなったら、社員さんのスキルアップ支援などができたらいいのではないかと思ったりもしています。
そうすれば、私が納品したツールを、社内のスタッフだけでもカスタマイズ、運用ができるようになります。
社内でエクセルVBAマスターが育ったら、私はお役御免となってしまいます?
いえいえ、その時はWEBサイトとか他のシステムを提案させて頂きます。
WEBサイト制作についても社員さんにスキルアップ支援して、それも社内のスタッフだけでできるようになります。
スタッフも企業も社会も成長を続けていくような関係性、そんなお付き合いができたら本望です。
まとめ
まだ私も弊社プランノーツもひよっこなので、少しでも仕事が途切れたりすると大いに不安になったりします。
それでも、その期間にもがいて考えをめぐらせたりすることで、見えなかったものが見えてくるようになってくるものなのですね。
ぜひ、たくさんの企業様の生産性向上そして成長についてそのお手伝いをしたいと思っておりますので、この記事を読んで興味をお持ちになられましたら、お気軽に、お問い合わせ、Twitter、Facebookなどでお声がけ頂ければと思います。
お待ちしております!