みなさん、こんにちは!
タカハシ(@ntakahashi0505)です。
初心者のためのPythonプログラミングシリーズ、フォルダ作成ツールを作るのを題材に基本中の基本についてお伝えしています。
前回の記事はコチラでした。
文字列から改などの空白文字を取り除く方法をお伝えしました。
さて、本ツールではテキストファイルに記載されたフォルダ一覧をもとに、フォルダを自動で作成します。
それでテキストファイルを開くんですが…
忘れちゃうんですよね…ファイルを閉じるの。
で、そんな忘れんぼさんのために、秘策があります!
ということで、Pythonでwith文を使って安全にファイルを開いて閉じる方法です。
では、行ってみましょう。
これまでのファイルの開き方と閉じ方とリスク
これまで本シリーズで紹介してきたテキストファイルの開き方と閉じ方は以下の通りでした。
f = open('area.txt')
# 処理
f.close()
open関数でファイルを開き、closeメソッドでファイルを閉じる。
ちゃんと書いたままにしておけばいいんですが、新しいスクリプトを書いてみたり、あれこれしているうちに忘れてしまうんですよ、closeメソッド。
ファイルをクローズしないと
- システムのリソースを食ったまま
- 他のプログラムがファイルにアクセスできなくなる
などのリスクがあります。
今回のようにローカルPCで、ファイル容量も少量で、他のアプリケーションから使わないようなファイルであればさほど問題でもないのですが、そうでもない場合にこの「忘れんぼ」がクセになっていると、よくないことが起きてしまいそうです。
ということで、転ばぬ先の杖。ファイルを自動で閉じてくれるwith文の使い方をさっさとマスターしてしまいましょう。
with文を使ってファイルを開く方法
公式ドキュメントによると、with文は
with 文は、ブロックの実行を、コンテキストマネージャによって定義されたメソッドでラップするために使われます。
とあります。んー、少し難しいですね。
ひとまず、ファイルのオープンの場合を前提とすると以下のように記述します。
# 処理
なんとこれだけで、以下と同様の処理になります。
# 処理
変数.close()
で、closeメソッドはどこ行っちゃったのだということなのですが、ご安心ください。
withブロックを抜けるときにcloseメソッドを勝手に呼び出して実行してくれるのです。
しかも、with文にはもう一つ大きなメリットがあります。公式ドキュメントにはこうも書いてあります。
with を使うと、処理中に例外が発生しても必ず最後にファイルを閉じることができます。
ということで、例外(つまりエラーですね)にも強くなるというメリットがあるわけですね。with文、使わない手はないです。
with文でファイルを開く
では、試してみましょう。
ファイルオブジェクトが開いているかどうかは、closed属性を使って確認できます。
Trueなら閉じている、Falseなら閉じていない、つまり開いているとなります。
例えば、以下プログラムでいうと、一つ目のclosedはFalse、二つ目はTrueとなります。
f = open('area.txt')
print(f.closed) #False
f.close()
print(f.closed) #True
では、with文を使ってファイルを開いた場合を見てみましょう。
with open('area.txt') as f:
print(f.closed) #Fasle
print(f.closed) #True
withブロック内ではclosed属性はFalseとなっていますが、ブロックを抜けたらTrueですね。ちゃんとクローズされているようです。
フォルダ作成ツールをwith文で書き直す
ということで、今までのフォルダ作成ツールのテキストファイルを開く処理について、with文で書き直してみます。
テキストファイルからreadメソッドを使って、テキストファイルをまとめて文字列として読み込むパターンはこうなりますね。
import os
with open('area.txt') as f:
areas = f.read().split()
for area in areas:
if os.path.exists(area):
print('フォルダ ' + area + ' は既に存在しています')
else:
os.mkdir(area)
一方で、テキストファイルからreadlinesメソッドを使って、一行ずつリストの要素として読み込むパターンはこちらです。
import os
with open('area.txt') as f:
areas = f.readlines()
for area in areas:
area = area.rstrip()
if os.path.exists(area):
print('フォルダ ' + area + ' は既に存在しています')
else:
os.mkdir(area)
これで、だいぶちゃんとしたツールっぽくなってきましたね。
まとめ
Pythonで安全かつスマートにファイルを開くwith文の使い方についてお伝えしました。
with文を使えばファイルのクローズを自動でしてくれるだけでなく、ブロック内で例外が起きた時も安心、そしてスッキリ書けるというメリットがあります。使わない手はありません。
精神衛生上にも良いですよね。
さて、次回は元データとしてcsvを使ってみたいと思います。
どうぞお楽しみに!
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