みなさん、こんにちは!
タカハシ(@ntakahashi0505)です。
「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」は、ノンプログラマーがプログラミングをはじめとするITスキルを学び合うコミュニティです。
先日の定例会のテーマは「コミュニティづくり」。
どのようにして安心安全な場をつくり、継続的に活動し、成長するコミュニティを運営しているのか、「祝160名突破!安心安全で熱量の高いコミュニティをつくる秘訣」というタイトルでお伝えしました。
このシリーズでは、数回の記事にわけてそのレポートをしております。
前回の記事はこちら。
学習するコミュニティとしての「ノンプロ研」の歩むについてお伝えしました。
今回は、実践コミュニティとは何か、またそれが組織の競争優位性の源泉となる理由についてお伝えしていきます。
ちなみに当日の様子は以下、Togetterのツイートまとめもご覧くださいませ。
では、行ってみましょう!
学習するコミュニティの定義
まず、「学習するコミュニティ」とは何なのかを整理していきましょう。
「実践コミュニティ」とは
以前にも紹介しました書籍「コミュニティ・オブ・プラクティス」では、学習するコミュニティを「実践コミュニティ(communities of practice)」と呼んでいます。
その定義はこうです。
あるテーマに関する関心や問題、熱意などを共有し、その分野の知識や技能を、持続的な相互交流を通じて深めていく人々の集団
「あるテーマに関する関心や問題」に加えて「熱意など」と、心理的な要素が定義に含まれているのが印象的ですね。
単なる学び合う集団以上の意味がありそうです。
実践コミュニティの構成要素
実践コミュニティの構成要素は、以下の3つと伝えられています。
- 領域: メンバーに共通する課題や問題
- コミュニティ: 影響を与え合いながら学習する集団
- 実践: 生み出す知識とその活動
ノンプロ研にたとえると、それぞれの要素は以下のように表現できます。
- 領域: 「ノンプログラマーのIT学習環境の乏しさ、難しさ、孤独」
- コミュニティ: メンバーの皆さん
- 実践: イベント、講座、会話、Slack、コード、ブログ、技術書、Twitterなどさまざまな活動の過程とその結果
「コミュニティ」は当然ですが、「領域」と「実践」については、意識しておきたいですね。
なぜ組織にとって実践コミュニティが重要なのか
本書では、組織にとって実践コミュニティがその競争優位性の源泉になると伝えています。
それはなぜなのか考えていきましょう、
知識には暗黙的なものも含まれる
本書によると知識には、形式知と暗黙知の2種類があります。
形式知というのは、文書やツール、プロセスといった目に見えるもので、静的かつ模倣が可能なものです。
一方で、暗黙知は、技能や理解、人間関係の中にある、動的で無意識的なものです。
形式知は簡単に模倣ができるのに対して、暗黙知は動的で無意識的ですから簡単に模倣ができません。
多くの人は、形式知に重きを置きがちですが、人の行動や会話、実践や、そもそも形式知を扱う際には、多くの暗黙知が前提となっているという事実があります。
暗黙知が組織の競争優位性の源泉
今はインターネットの時代ですから、コピーできる形式知はすぐさまネットを通じて伝搬されてしまいます。
したがって、いくら形式知を頑張ってしたためたとしても、それは競争優位性を生み出すことはできません。
しかし、暗黙知は別です。
簡単に模倣はできずに、形式知を本当の意味で取り扱う際の「鍵」のような役割を果たします。
ですから、暗黙知を含む知識を持つことが、組織の競争優位性の源泉になるというわけです。
実践コミュニティが知識を生み出し保管する
前述のとおり、暗黙知は人の技術や理解、または人間関係の間に存在します。
紙や電子媒体には存在することができません。
人の集団である、実践コミュニティは、形式知と暗黙知を結び合わせた知識をつくり出すことができ、それを保管するリポジトリ(貯蔵庫)として機能します。
これが、実践コミュニティが組織の競争優位性の源泉となりうる理由です。
まとめ
以上、実践コミュニティとは何か、またそれが組織の競争優位性の源泉となる理由についてお伝えしました。
みなさんの組織では、暗黙知も含めた知識がつくり出され、保管される機能が存在しているでしょうか?
ぜひ、周りを見渡してみてくださいね。
次回は、少し話題を変えて学習するコミュニティ「ノンプロ研」がどのようなKGI、KPIを設定して運営しているのかについてお伝えします。
どうぞお楽しみに!