書籍の学びを最大化する! ノンプロ研流『輪読会』のススメ

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みなさん、こんにちは!
タカハシ(@ntakahashi0505)です。

「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」は、ノンプログラマーがプログラミングをはじめとするITスキルを学び合うコミュニティです。

先日の定例会のテーマは一冊の書籍をグループで学び合う「輪読会」。

ノンプロ研でも輪読会はたいへん人気ですね~

それで今回は、「リーダブルコード」「オブジェクト指向でなぜつくるのか」といった大盛況の輪読会を主宰されているHassyさん「書籍の学びを最大化する! ノンプロ研流『輪読会』のススメ」と題して輪読会とその魅力についてたっぷりお話いただきました!

ちなみに当日の様子は以下、Togetterのツイートまとめもご覧くださいませ。

ノンプロ研定例会Vol.61「書籍の学びを最大化する! ノンプロ研流『輪読会』のススメ」
「リーダブルコード」「オブジェクト指向でなぜつくるのか」といった大盛況の輪読会を主宰されているHassyさんに輪読会とその魅力についてたっぷりお話いただきます!

では、行ってみましょう!

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輪読会に参加してみて

冒頭は、Hassyさんと読書の関係についてのお話。

読書のときに頭の中で音読をすることを「サブボーカライゼーション」というのだそうです。

Hassyさんはそのせいで、本を読むスピードが遅い、つまり「遅読だ」というコンプレックスをお持ちだったそう。

そんな中、たまたまノンプロ研で主催をすることになった「リーダブルコード輪読会」。

不安もありながら開催してみると、こんな効果がありました。

  • 大勢のメンバーに賛同してもらった
  • 書籍の内容がめっちゃ頭に入っている
  • 忘れても登壇者の資料を見れば思い出せる

つまり、輪読会は速く効率よく書籍を理解できるんですね。

「みんなで本を読むこと」に関するキーワードの整理

「みんなで本を読む」という読書のスタイルは、輪読会以外にも色々と種類があるらしく、キーワードを整理していただきました。

会読とは

会読(かいどく)とは

複数の人が(自発的に)集まって、1つのテキストを討論しながら共同で読み合う読書・学習方法のこと

輪読会と似ていますね。ただ、参加者が「同じパートについて」討論するという点が違うところな感じです。

後ほど紹介されますが、ヨーロッパや日本でも人気の読書法だったようですよ。

輪講とは

輪講(りんこう)とは

参加者が順番にテキストの内容を発表する講義の一形態。他の参加者はその発表に質問し、意見をする。リーダーがいて意見対立や解決できなかったときに判定を下す

こちらも輪読会に似ていますが、リーダーがいるというのが異なるポイントです。

大学のゼミなどでよく行われているそうです。

ブッククラブとは

ブッククラブとは

特定の本をメンバーが事前に読んできて、面白いと思ったところや考えたこと、そして疑問に思ったことなどについて話し合う読書会のこと

こちらは本の内容理解よりも、楽しさやコミュニケーションを目的としています。

ビブリオバトルとは

ビブリオバトルとは

参加者同士で自分の気に入った本を持ち寄り、その本の魅力を紹介し合う本の紹介ゲーム

ビブリオバトルは、ノンプロ研の読書部でも定期的に開催されていますね。

輪読会とは

輪読会とは

1冊の書籍を各章ごとに分担して、そこに書かれている内容に関連する情報をまとめた要約をつくり、プレゼンテーションをしていく読書・学習法

協力して1冊の本を理解することが目的で、参加者どうしの関係がフラットというのが特徴です。

会読の全盛と終焉

これら「みんなで本を読むこと」のうち、会読についてのヨーロッパと日本の歴史について紹介いただきました。

これが、なんとも「深い」のです。

ヨーロッパでの会読史

ヨーロッパでは16世紀から19世紀のあいだ、フランスの「サロン」、イギリスの「コーヒーハウス」など、集まって本を読むというのが普通の行為だったとされています。

これらの場には、以下のような3つの共通点がありました。

  1. 階級などの社会的地位を抜きにすること
  2. これまでの通念や制度を問題にすること
  3. 討論から商品に転化して公衆を形成すること

ただ知識を得るというだけ以上に、身分を超えて文芸をたしなむ場であったり、政治や経済をつくる発信地であったり、大きな役割を担っていたのですね。

日本での会読史

日本でも、江戸時代にはすでに、声を出して読む「素読」、一斉授業形式の「講釈」とともに、会読が行われていたそう。

それを一気にバズらせたのが、福沢諭吉。

門閥制度にしばられず、実力で勝負できる場であったことから、熱心に参加。

その経験から、創立した慶應義塾のカリキュラムに会読を大きく組み込みました。

その後、明治初期には会読が全盛となり、文明開化の象徴的なパフォーマンスとしてとらえられるようになっていきました。

会読文化の終焉

ただ、今の世の中をみる限り、会読なんてほとんど誰もしていませんよね…?

会読が終焉してしまった原因は、学問が立身出世に直結してしまったことにあります。

序列の上位に行くことが優先されるようになり、学問の持つ遊戯性が失われてしまったことから、「みんなで読む」よりも、「ひそかに読む」ようになってしまったと…

なんとも寂しい話です。

この部分、以前読んだ「学習する組織」で、物理学者デヴィッド・ボームが提言したコミュニケーション手法「ダイアログ」について言及している、以下のパートを思い出しました。

ダイアログの目的は、一人の人間の理解を超えることだ。「ダイアログでは勝とうとする者はいない。ダイアログがうまくいっているなら全員が勝者だ」。

輪読会の意義

輪読会の意義として、Hassyさんから以下8つ挙げていただきました。

  1. インプット&アウトプット+議論により学習が加速する
  2. 良質な本に出会い、そのエッセンスを短時間に知れる
  3. コミュニケーションの場づくり
  4. 内容理解の曖昧さの解消
  5. 独りではできないレベルまでの深堀り
  6. 共通言語の醸成
  7. 積読の消化
  8. モチベーション維持

まず、読書による学習の効率が上がり、深まり、定着しやすくなる、というだけでも素晴らしい効果なのですが、それだけではないのがわかります。

共通言語の醸成、場づくりといった、集団として見たときのメリットもあります。

会社などでの組織学習にも、とても活かせる学習形態なのではないかと思いますよ。

輪読会開催のポイント

最後に、輪読会の主催をする場合の開催準備の方法とポイントについて詳しく教えていただきました。

個人的にとくに目からウロコだったのはこちらですね。

  • 目次から全体のボリューム感、スケジュールを捉える
  • 事前に趣旨をお知らせしておく
  • 質問を用意しておく
  • 正解は出さなくてもいい

まず、事前準備が大切ということですね。譜割(=パート分け)をするにも、当日の進行するにも、とてもいきてきます。

また、心理的安全性を確保しつつ、意見や質問が出やすい雰囲気をつくる…これは全体の学びの効果を高めることにつながりますね。

主催はたいへんですが、それだけ学びも多く、書籍から得られる学び以外の能力も高められそうです。

ぜひ、多くの方に輪読会を開催いただきたいですね!

まとめ

以上、書籍の学びを最大化する! ノンプロ研流『輪読会』のススメについてのレポートをお伝えしました。

輪読会の学びは大きいと思っていたのですが、こうして言語化していただくと、「どうしてみんなもっとやらないんだ!?」という感じですね。

ノンプロ研でもよりたくさんの輪読会が開催されればいいなと思いますし、みなさんが所属する組織でもぜひ取り入れてみてくださいね。

「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」について

コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」では、毎月の定例会や勉強会、Slackでのやり取りを通して、皆さんのプログラミング学習の質やモチベーションを高めるための活動をしています。 過去の活動については、以下のページをご覧ください。
  1. コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の活動レポートまとめ(2017-2018)
  2. コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の活動レポートまとめ(2019)
  3. コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の活動レポートまとめ(2020)
  4. コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の活動レポートまとめ(2021)
  5. コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の活動レポートまとめ(2022)
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