みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。
こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!
今回のテーマは、成果を出せていなかった研修はどのように生まれ変わったかです。
なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!
では、よろしくお願いいたします!
ハッシュタグ企画「悔しかった仕事」
さて、今日は、ハッシュタグ企画が悔しかった仕事ということで、悔しかった仕事たくさんあります。
その中で1番最初にぱっと思いついたもので、今の仕事にも繋がっている、そういった内容について話をしたいなと思っています。
知っている人であれば、あそこのあれはこういう風に始まったのかとか、そういう風に感じていただけるでしょう。
そして、もし知らない方であっても、仕事を良くしていく、そういったプロセスとか、教える、学ぶ、そういった場作りとか、そういった面でお役に立ているんじゃないかなと思います。
では、行ってみましょう。
よろしくお願いいたします。
悔しかった企業研修
さて、今日のハッシュタグ企画ですが、悔しかった仕事というテーマなんです。
悔しかった仕事これを考えた時にぱっと用いたのは、企業向けのプログラミング研修についてです。
起業してから2年くらい経ってから新規事業としてスタートしたんですが、これが最初の方はなかなか良い成果を出せていなかったんです。
どんな状態だったのか、もしくはそれを通じてどんなことを学んだのか、そういったことについて話をしていきたいと思います。
企業研修最初の事例
VBAで手作業を自動化できるツールを作る
さて、そのプログラミング研修の事業なんですが、1番最初のクライアントになってくださったのが、あるそこそこ有名な企業さんだったんです。
というのも、その部署の部長さんが、僕の最初に書いた書籍「ExcelVBAを実務で使い倒す技術」これにえらく感銘を受けたとおっしゃってくださってまして、ぜひタカハシにVBAの講習をお願いしたいということでご依頼いただいたんです。
最初は6人ぐらいの方に教えるという感じだったと思います。
みなさんExcelを使って結構ややこしい仕事を手作業でされていたので、それを自動化できるような簡単なツールを作りたい。
これを目指して、確か8回ぐらいの回数だったと思うんですけど、毎週オフィスにお邪魔して研修を行いました。
みなさん熱心に参加してくださってまして、実際に実務で活用できるツールを作るぐらいまで、ほとんどの方がスキルを獲得することができました。
一度聞いて動かせるとわかったつもりになる
しかし、うち1人の方が、その方はずっと楽しいと言って取り組んでくださっていたんですが、最後の講義で「あれ?全然わかんない。全部忘れてしまいました」みたいな感じの反応されていたんです。
一度聞いてうまく動かせると、それでわかった。という気持ちになってしまい、それが毎回継続すると全部わかっているつもりになります。
人は悲しいかな忘れるという特性があるので、定期的に思い出す、そして記憶を定着させる、こういった活動が必要なんです。
実際にその方は宿題をあまりやってなかったんです。
宿題をチェックするステップを入れる
なので、講義を受けるだけではなくて、宿題を使って習慣的に学習をしていただく。
そのために、まずは宿題をチェックするという機能を搭載しました。
チャットを使えるならチャットを使えますし、そうでない時はメールでやり取りをする。
そういったステップを入れるようにしたんです。
講義形式のものを事前課題に切り替える
また、最初の1回目なんですが、講義形式にしていたんですが、それを事前課題に切り替えました。
2週間程度の宿題、これを事前に取り組んでいただく。
それによって、いざ講義が始まってから学習習慣がすでにできている、そういった状態を作ろうということで、そのように改善をしました。
別の支店でのVBA研修事例
さて、その会社さんなんですが、ありがたいことにリピートいただきまして、別の支店でもVBAの研修をしていただきたい、そういったことになったんです。
30人受講したが完走はごくわずか
ありがたいことに、30人ほどの方がやってみたいということで手上げしてくださいまして、受講されました。
しかし、1回目、6人の方に提供していたプログラムと全く同じだったんですが、完走できたのが、すごく少ない人数だったんです。
おそらく、大きな声では言えないんですが、5人くらいいらっしゃればよかったんじゃないかなぐらいの感じでした。
実際に、宿題を全然やってこない方もいらっしゃいましたし、普通にその講義の最中に寝ている人もいたりしたんです。
人数が多いことで起こる社会的怠惰
これはどういったことだろうということで考えたんですが、人数が多いことによって社会的怠惰という現象が起きてしまうということに気がついたんです。
社会的怠惰というのは、リンゲルマン効果などとも言われるんですが、集団で作業を行うと、個人で作業する時よりも1人当たりの生産性が低下する現象、これを社会的怠惰と言います。
会社としては、講師を呼んで研修をしてもらうのであれば、希望者全員に受けてほしい、こういう風に思います。
しかし、人数が多ければ多いほど社会的怠惰が起きやすくなってしまう。
ですから、それ以降は、きちんと学習の習慣を作れる人、そういった方を優先して、大体8人くらいまでにしましょうという提案をするようにしました。
これは2枚のピザ理論と言いまして、理想のチームのメンバー数、これは2枚のピザをちょうど分け合えるぐらいの人数だと言われていますので、その人数までということにさせていただくことにしました。
うまくいった研修の理由
さて、次の会社は、悔しかった仕事では全然なくて、むしろうまくいったケースなんですが、ExcelVBAとPython、この両方連続で受講していただきまして、めちゃくちゃ強いのプログラマーのチームが完成したという事例です。
参加した全ての方と言っていいんじゃないかなって思うんですが、きちんとマスターして実務に活用できるようにスキルを獲得されてました。
で、これは、2つ理由があったかなって思うんです。
研修担当の方が初心者のサポートを行った
1つは、この研修の担当されてた方が、そもそも独学でかなり勉強されている方で、初心者であるみなさんの学習、これをサポートしてくださっていたんです。
講師だと、なんでも聞いていいですよって言ったとしても、ちょっと距離感があるので、ちょっとしたお願い事、質問はしづらいと。
しかし、その方であれば、同じチームのメンバーなので、気軽に相談できるし、相談しやすいという感じだったんです。
これは、今、ノンプロ研の講座でも採用しているティーチングアシスタント、つまり講師のサポートする係が必ず運営メンバーに入るんですが、そのアイデアに繋がるものとなりました。
明確な目標をもって学習し実務に使う事ができた
あと、その会社さんのもう1つの成功のポイントは、みなさん本来の業務でスクレイピングをめちゃくちゃするお仕事だったんです。
スクレイピングというのは、ウェブサイトから情報をかき集めてくる、こういった業務なんですが、手作業だとものすごく単調ですし、なかなかしんどい業務なんです。
特にPythonはこのスクレイピング得意中の得意としていますので、みなさんバリバリに使って、実務で活用して感動していらっしゃいました。
これはまさに実務で明確な目標を持って、それに向けて学習をし、そして学んだことを実務で使うことの大切さ、これを示す事例だなと思います。
事前のPRの大切さ
その後もいくつも企業向けの研修提供させていただきました。
うまくいく場合、そうでない場合あったんですが、その明暗を分けたのは事前のPRなんです。
誰でも参加していいよ。そして人数もなるべく多く参加させたい。
そういった時の方がうまくいかないなと思います。
やはり実務で使う明確な目標がなかったりとか、学習習慣をきちんと取るその心構えがなかったりすると、アクティブさも下がりますし、宿題の提出率も下がってしまう。
そしてさらに厄介なことに、学びの場というのは相互に影響し合ってしまうんです。
なので、そういった落ちこぼれてしまう人がどんどん増えていくと、他の人も引きずられてしまうという傾向がありました。
講義の最終回に卒業発表会をする
そしてもう1つ、事前PRとして考えたアイデアが卒業LTというものです。
これは、LTというのはライトニングトークです。
講義の最終回は卒業発表会にするということです。
受講された方が学びの成果を発表するんですが、この機会を設けることがすごく効果的でした。
みなさん、最後に発表する前提で研修を受けることになりますので、身の入り方がやはり変わってくるわけです。
そして、最も大きな効果としては、事前PRの時点でフィルターをかけられるということです。
卒業発表がしたくない人、自信がない人は参加せずに済むということなんです。
色々な失敗を繰り返し改善してきたプログラミング講座
このようにして、企業向けのプログラミング研修、色々な失敗を繰り返してきましたが、しかしそこを改善しようとして様々なアイデア設計の変更をしてきています。
それによって、その成功率は上がってきているかなと思いますし、その集大成となっているのが、今ノンプロ研で提供しているプログラミング講座になっているかなと思うんです。
今で言うと、7、8割の方はみなさん最後まで完走して何らかの卒業発表をきちんとしています。
ですので、最初の方に提供した企業さんにちょっと申し訳ない気持ちもあるんですが、おかげさまで良い学びの場を提供させていただいているんじゃないかなって思います。
ノンプロ研インストラクション講座
そして今日、本編でお伝えしました、これまでの経験の蓄積が詰まった講座です。
コミュニティノンプロ研の中で、いくつかのコースを提供していますので、ぜひみなさんそれを体験していただければ嬉しいなと思います。
また、実はこの教える場を作るための講座、インストラクション講座という講座もノンプロ研の中で開催しています。
どうやって教える版を作るのか、研修や講座を提供するのか、そしてその講座や研修、どうやって作るのか。
そういったことを全5回にわたってぎゅっと詰めている、かなり価値の高い講座だと思います。
ぜひ、社内で勉強会やられる方とか、実際に講師として教える立場になりそうな方、チェックいただければと思います。
チャプターにURLのリンクを貼っておきますので、その中からインストラクション講座ぜひご覧いただければと思います。
まとめ
今日は悔しかった仕事ということで、今までやってきた企業向けのプログラミング研修、色々と悔しい思いをしてきました。
そういった経験のおかげで、今は成果の出る教える場、学ぶ場、それが展開できているかなと思います。
これまでお付き合いいただいたみなさんには感謝だなと思います。
そして、みなさんも職場で色々な研修受けられたんじゃないかなと思います。
研修のこんなところが良かったとか、研修はちょっとこんなところがいまいちだったとか、そういったことはあると思いますので、ぜひコメントなどで教えていただければと思います。
ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「成果を出せていなかった研修はどのように生まれ変わったか」をお届けしました。
非ITの人たちからすると結構遠い存在に見えるんですが、実はあちこちで活用されている、そして身近な技術ということを知っていただければ嬉しく思います。
タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。
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では、また。