みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。
こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!
今回のテーマは、今さら聞いてもいいIT用語 #8: 「マスタ」です。
なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!
では、よろしくお願いいたします!
IT用語シリーズ第8回のテーマは「マスタ」
今さら聞いてもいいIT用語シリーズ第8回をお送りしたいと思います。今さら人に聞けない、でも知っておいた方が良い気がする、そんなIT用語を耳からこっそり学べるシリーズとなっています。
今日紹介するキーワードは「マスタ」なんですが、皆さん、これ聞いたことありますでしょうか。あんまり耳慣れないなって方もいらっしゃるかもしれませんね。
このマスタというのはマスターデータの略で、データの一種なんです。
なんだ、データベースの話か。ちょっとややこしそうだし関係ないやと思われるかもしれないんですが、そんなことは全然ないんです。
というのも、皆さんの会社でもマスターデータは絶対にあった方がいいものだったりします。
ただ、このマスターデータの重要性みたいなところが理解されておらず、うまく活用されていないケースも少なくないかと思うんです。
マスタとはどんなデータか
では、マスターデータ、マスタとはどんなデータかという話なんですが、基本的なデータ、大元のデータ、このような役割を果たすデータのことをマスターデータもしくはマスタと言います。
英語のMasterという単語なんですが、これはいろんな意味がありまして、雇い主とか上司とか達人とか指導者とか、そういった意味があるんですが、ここでマスターデータで使う意味は、原本とか、オリジナルとか、大元とかの意味で活用されているマスタとなります。
ちなみに、片仮名表記をした時なんですが、マスターデータという時には、マスタの後に伸ばし棒がつくんですが、データをつけずにマスタという時には、慣例的に伸ばし棒をつけないことが多いかなというところなので、ちょっと覚えておいていただければと思います。
おすすめは社員マスタ
さて、皆さんの会社で必ずあった方がいいと言っていますが、たとえば、社員に関する基本データをマスタとして整備しておくのはおすすめです。これを社員マスタなんて言ったりしますね。
ExcelとかGoogleスプレットシートの表をイメージしていただきたいんですが、列ごとに、名前、部署、役職、生年月日、入社日などのデータが、社員1人1人に対して1行ずつになっているデータを整理しておく感じです。
そして、1番左の列を社員IDにしておくのがおすすめです。
非常に重要な要素「ID」
IDというのは、データ1つ1つを一意に識別するための番号または文字列のことで、第591回の今さら聞いてもいいIT用語#3:「ID」でも紹介していますので、ご覧いただければと思います。
このIDがないと、たとえば同姓同名の社員がいた場合に区別がつきづらくなってしまうとか、何らかの理由で名字が変わる社員がいた場合に、その前後で同じ人物であると認識できなくなったりとか、いろんな厄介な問題があるんです。
個別で識別できるIDが必要になりますので、社員マスタにも社員IDが付与されているのが望ましいということになります。
マスタがない場合~重複する社員情報
では、このマスタなんですが、どんな役割を果たすんでしょうか。1つ例を持って解説していきたいと思います。
たとえば、社内で人事担当の人がいます。労務のお仕事として、Excelなどを使って出退勤の管理をしています。
どの社員がいつ出勤をしているか、もしくは欠勤しているか、勤務時間は何時間だったか、有給はあとどれだけ残っているか、そういったことを集計したり管理したりしているわけです。
つまり、その出退勤の管理表に関しては、各社員の部署、名前、役職などがデータとして使われているわけです。
一方で、その隣の席に座っている経理担当の方がいるとします。
こちらの方もExcelを使っているんですが、やっていることは、たとえば経費生産だったりするわけです。
毎月、各社員に経費精算書を書いてもらって、それを集めて取りまとめ、皆さんが使った経費に関して管理したり集計したりしているわけです。
その経費生産を管理しているExcel表にも、社員の名前、部署などの情報が記載されています。
これ、社員マスタがない状態だとどうなってしまうかという話なんですが、人事担当者の出退勤の管理表、そして、経理担当者の経費清算管理表、このいずれにも社員の情報が必要になります。
なので、社員の名前、部署、役職などを、それぞれの担当者が、それぞれの自分のExcelファイルに入力をしなければいけなくなるということになります。
同じ情報なのに、それぞれが入力するということで、全体で見ると2度手間になってしまっているわけです。
さらに、もし部署が変わったり名前が変わったりしたら、それぞれの担当者がその情報更新を忘れることなくしなくてはならなくなります。
その場合も2人分手間がかかりますし、もしどちらかが変更し忘れたりすると、整合が取れなくなっちゃったりするわけです。どっちが正しい情報なのか分かりづらくなってしまう、こんな問題が出てきます。
1つの社員マスタを参照する
ここで社員マスタの登場なんです。
社員マスタを使うことで、これらの2度手間だったりとか不整合だったりとかを防ぐことができます。
勤怠管理表や経費清算管理表とは別に、社員マスタというマスターデータを別に用意するわけです。社員に関するデータはその社員マスタだけにしか書かないようにします。
人事担当者、経理担当者のそれぞれの管理表で、必要な社員のデータはどうするかという話なんですが、その社員マスタから参照して、引っ張ってくるようにするわけです。
その時、社員IDを使うと、一意に参照することができますので、より確実になります。
そうすれば、社員のデータに関しては、社員マスタに1回入力さえしてしまえば、あと、全ての参照しているファイルにも反映されますので、2度手間にはならないということになります。
さらに、ある社員の情報が変わる、たとえば、部署とか名前などに変更があったとしたら、その社員マスタの情報さえ更新すれば、それを参照しているすべての管理表に関しても反映される。
つまり、常に整合性も保たれる状態になるということなんです。
DRY原則~同じデータをあちこちで持たない
このように、同じ種類のデータをあちこちで持たないようにするという考え方がマスターデータの考え方の基本になります。
これに関連して、プログラミングの世界でよく使われる原則でDRY原則というのがあります。
これは、「Don’t Repeat Yourself」の各単語の頭文字を取ったもので、DRY原則と言います。つまり、同じことを繰り返すなってことなんです。
同じことを繰り返して書くこと自体が2度手間になりますし、2つ、3つと複数同じものが存在しているのであれば、管理対象がそれだけ増えてしまうということなんです。
その他のマスターデータ
マスターデータに適しているデータは、社員データ以外にもたくさんありますね。
例えば、商品データをまとめた商品マスタ、それから取引先をまとめた取引先マスタ、そういったものが挙げられるかなと思います。
ぜひ、皆さんの職場でこれらのマスタが存在しているか確認してみてください。
もしかすると、同じデータがあちこちで重複して入力、管理、更新がされている、そんな可能性もありますよね。
その場合は、できる限りマスタにまとめていく、そういったデータ管理を推進していくのをおすすめしたいなと思います。
ということで、今日は、今さら聞いてもいいIT用語「マスタ」について紹介をさせていただきました。
まとめ
ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「今さら聞いてもいいIT用語 #8: 「マスタ」」をお届けしました。
タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。
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では、また。