すべての高校生が学ぶことになった「情報Ⅰ」がすごい

すべての高校生が学ぶことになった「情報Ⅰ」がすごい
みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。

こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!

今回のテーマは、すべての高校生が学ぶことになった「情報Ⅰ」がすごいです。

#669 すべての高校生が学ぶことになった「情報Ⅰ」がすごい | タカハシノリアキ「『働く』の価値を上げるスキルアップラジオ」/ Voicy - 音声プラットフォーム
音声放送チャンネル「タカハシノリアキ」の「#669 すべての高校生が学ぶことになった「情報Ⅰ」がすごい(2024年4月6日放送)」。Voicy - 音声プラットフォーム

なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!

では、よろしくお願いいたします!

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きっかけは「あるコメント」から

先日、664回の放送で、あるコメントをいただいたのです。

今さら聞いてもいいIT用語 #13: 「シリアル値」のコメント返しで、「コンピュータの誤差、この話、高校とかでやったらいいのに」そんなことを僕がお話したのですが、それに対するコメントということで、大輝さんからこんなコメントをいただいたのです。

最近の高校の情報のカリキュラムはかなり充実していて文科省にある「教員研修用資料」に計算誤差の話が出てきているので、情報Ⅰで今は教えていると思います。

2進法の丸め誤差について「情報Ⅰ」の範囲として解説しているサイトもありました。

「高校の情報ではこんなことを今は教えているんだよ」という解説をいただけると面白いかなと思いました。

なんかタカハシ的には勉強不足で勝手なことを言って申し訳ないという気持ちが一方ではあったのですが、いただいたアイデアもすごく超ナイスだなと思ったのです。

大輝さん、素敵なコメントいただきまして、本当にありがとうございます。

それで早速、今の子供たちの情報教育はどうなっているのかというのを調べつつ、高校の情報Ⅰの教科書をいくつか購入してみました。

「どうなっているか」というのを調べてみましたので、みなさんにも共有したいなと思っています。

新たな学習指導要領での情報教育

まず、今の学習指導要領はどうなっているのかという話なのですが、2017年に小中学校、2018年に高校のものが公示されています。

それが情報関連で言うと、2020年から小学校、2021年から中学校、そして2022年から高校で実施が開始されているというところなのです。

小学校で教えること

小中高でどんな内容をしているかというのをお伝えしていきます。まず小学校です。

小学校においては、文字入力など基本的な操作を習得します。「新たにプログラミング的思考を育成する。」これが目標となっています。

また、プログラミングを体験するというのも入っていまして、たとえば「ビスケット」と呼ばれるプログラミング言語を使って体験をするみたいなこともされているそうです。

中学校で教えること

次に中学校ですが、技術家庭科において、「プログラミングや情報セキュリティに関する内容を充実させるように」とされています。

具体的には、「計測制御のプログラミング、ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミング」、こういったことも学ぶと書かれています。

中学生からかなり本格的になりつつあるなという感じはしますね。

高等学校で教えること

そして、高校なのですが、共通必修科目「情報Ⅰ」を新設して、全ての生徒がプログラミングのほか、ネットワークデータベースの基礎、情報セキュリティなどについて学習することとなっています。

さらに、情報Ⅰに加えて、選択科目「情報Ⅱ」を開設するということなのです。

以前は、「プログラミングを含む情報の科学」と「情報リテラシーを扱う社会の情報」、このどちらかを選択してくださいということになっていたのですが、「情報Ⅰが全員必修になった」というのが大きな変更かなと思います。

「情報Ⅰ」を深堀り

この情報Ⅰを、さらに深掘っていきたいと思います。

単位と学ぶ期間

この情報Ⅰの単位数は2単位とされていまして、1単位35コマなので、70コマとなっています。

この2単位全て1年間で学ぶことを推奨されています。

そして、多くの場合、1年生か2年生で学ぶと言われています。

この情報Ⅰの内容なのですが、教科書が12冊あるそうです。

そのうち人気の3冊を取り寄せてざっと眺めてみましたので、それも踏まえてどんな内容かお伝えしていきたいと思います。

4つのカテゴリー

情報Ⅰは、大きく4つのカテゴリーに分かれています。

情報社会の問題解決

まず1つ目が「情報社会の問題解決」というカテゴリーになっています。

ここでは「情報とは何か」というところから入って、情報社会、つまり情報やITが社会に与える影響にはどんなものがあるのか、それからそれに対する法制度、情報モラル、セキュリティ、こういったことについて学びます。

すでに高校生であれば、メディアやインターネット、SNSを通していろんな情報にはかなり触れていますし、情報技術にもかなり触れているわけです。

この辺りの話は中学生でも触れられているんじゃないかなって思うのですが、全ての高校生が網羅的に学ぶというのは非常にいいことかなと思います。

大人としてもここは必須科目かなと思っているので、学生時代学んでない人はぜひ学ぶ機会を持ってほしいなと思います。

コミュニケーションと情報デザイン

2つ目は、「コミュニケーションと情報デザイン」と呼ばれるカテゴリーになります。

みなさんご存知の通り、情報技術がどんどん発達しています。

メディアの種類もどんどん変わっていますし、コミュニケーションの仕方も変わってきているのです。

その変遷を確認しつつ、情報の伝え方、デザインについて考えるというところです。

さらにここでは、アナログからデジタルへ、たとえば文字とか音とか画像とか、そういったものがどうやってデジタルで扱われているかみたいなところも含まれています。

1つ目のパートと同じように、メディアとかコミュニケーションとか、全員が知っているべき話かなと思います。

ここは雑学としても面白い内容が結構含まれていそうだなと思いました。

コンピュータとプログラミング

さて、3つ目のカテゴリーなのですが、「コンピュータとプログラミング」になります。

ここがまさに「ザ・情報」という感じです。

コンピュータの仕組みからプログラミングまで、全体をババっと網羅する感じになっています。

プログラミングと言っても、アルゴリズムとか、データ構造とか、モデル化とか、場合によってはAPIみたいな話も入っていました。

教科書にもよるのですが、かなりモリモリだなという印象があります。1年間の4分の1でこれ詰め込めることは、「できるかな?」という感じは正直しましたね。

「なんとなく雰囲気を掴む」みたいなことはできるかなという感じです。

教科書によっていろんな言語を扱っていまして、Pythonの場合もあれば、Excel VBAの場合もあれば、JavaScriptの場合もありました。

大学入試とかどうなっちゃうんだろうって感じなのですが、これはちょっと分かり次第お伝えしたいなと思います。

情報通信ネットワークとデータの活用

そして最後、4番目のカテゴリーが「情報通信ネットワークとデータの活用」になります。

ネットワークの仕組みとデータベース、そしてデータの分析手法、こういったことを扱う部分になります。

ここで、一部の教科書では表計算ソフトなどについてちょっと触れていたりするのですが、やや触れる程度です。

「神Excelダメ」とか、「セル結合ダメ」とか、そういったことを書いておいてほしかったなと思うのですが、残念ながらなかったです。

大人も知るべき内容

ということで、全体として「かなりモリモリ感」はありつつも、有意義な内容だなと思いました。

高校生以上、全ての大人までが知ってほしい、必須と思われるような部分が半分ぐらいです。

残り半分は「知っておいた方が良い」という感じです。

範囲もとても広いですし、特にプログラミングとかデータ分析のところは、教科書によってはちょっと深すぎるかなって思われるところもあったのです。

本職のプログラマーを目指す人であれば学べば良いのでは、というところもありました。

とはいえこのカリキュラムを、すべての高校生が受けられて、そして今後、社会人として上がってくるって考えると、かなり良いことのような気がします。

全員がしっかりマスターできて社会人になるとは限らないのですが。

では、彼らが社会に出てきた時に、じゃあ大人達は、これらの情報に関する知識、リテラシーがちゃんと整っているかというと、そんなこともないかなって思うのです。

そして、職場としても、まだまだ受け入れ体制として不十分なことも多いと思います。

子供たちだけではなくて、やはり大人も、同じ内容をきちんと学んでおかないといけないなと思うのです。

新シリーズ「耳から学ぶ大人のための情報Ⅰ」はじめます

そのために、1つアイデアを考えました。

この情報Ⅰの内容を大人のみなさんが学んでいただくために、このスキルアップラジオで情報Ⅰの内容をレクチャーしたいなと思ったのです。

そのための新シリーズということで、「耳から学ぶ大人のための情報Ⅰ」これを、新たにスタートしたいと思います。

このシリーズでは、情報Ⅰの中から、プログラマーのビジネスパーソンのみなさん、誰もが役に立つなと思ってもらえる内容や、面白いなと感じてもらえるような内容、これらについてピックアップしてお伝えしていく、そんなシリーズにしていきたいと思います。

情報Ⅰの教科書は大体200ページぐらいあり、非常にモリモリとなっています。

「これシリーズいつまで続くんだ?」という感じではあるのですが、大人のビジネスパーソンのみなさんにも、本当に有益な情報がたくさんあるんじゃないかなと思います。

来週以降から、早速スタートしたいと思いますので、ぜひ楽しみにお待ちいただければと思います。

「耳から学ぶ大人のための情報Ⅰ」、どうぞよろしくお願いいたします。

まとめ

ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から『すべての高校生が学ぶことになった「情報Ⅰ」がすごい』をお届けしました。

タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。

チャンネルのフォロー、コメント、SNSでのシェアなどなど、楽しみにお待ちしております。

では、また。

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