みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。
こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!
今回のテーマは、フォロワーシップとは?発揮をするために必要なこと です。
なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!
フォロワーシップとは
今日はハッシュタグ企画「フォロワーシップを身につける」について話をしていきたいと思います。
フォロワーシップという言葉、リスナーのあなたはどういった意味かご存じでしょうか。
僕も、聞いたことはあるんだが、ちゃんと説明できないなと思いましたので、今回、これを機に調べてみました。
リーダーシップを補完する概念
まず、フォロワーシップとは何かと言いますと、上司のリーダーシップという言葉ありますよね。
これを補完する概念として使われるようになった言葉です。
具体的には、部下が自主的な判断や行動により上司を支え、組織における成果の最大化を図ることを意味するそうです。
もう少し簡単に言うと、リーダーの指示とかアドバイスを待つだけではなくて、自ら考えて行動するようになることを指しています。
フォロワーシップという言葉のはじまり
フォロワーシップという言葉が生まれたのは、1990年代初めのアメリカと言われています。
これまではビジネスにおけるリーダーシップに関する研究が盛んに行われていたですが、組織というのはそもそもリーダー1人では成立しないものであり、リーダー以外、つまりフォロワーの力も含めた形でリーダーシップを理解する必要がある、こういった考え方が生まれたわけです。
具体的には、カーネギーメロン大学のロバート・ケリー教授が、著書「指導力革命リーダーシップからフォロワーシップへ」この書籍の中で、リーダーシップを補完する概念をフォロワーシップという言葉で初めて表現したというのが始まりと言われています。
さらに、ケリー教授による調査によると、組織が出す結果に対してリーダーが及ぼす影響力は10から20%程度なのに対し、メンバーが及ぼす影響力は80から90%に上るということが分かっているそうです。
確かに組織運営はリーダー1人でやるものではありませんし、たくさんのメンバーが現場で色々な視点で働いているわけですから、それを考えるとこのような調査結果も納得できるものだなと思います。
フォロワーシップに求められる能力
さて、ではそのフォロワーシップなんですが、実際にはどういった能力や行動のことを指しているのでしょうか。
そこでケリー教授はフォロワーシップに求められる能力を2つ挙げています。
貢献する力
1つ目は貢献する力です。
リーダーの指示に従い、組織のビジョンの実現や目標達成のために前進すること。
そういった貢献する力になります。
なんとなくフォロワーシップという言葉からは、この貢献力のイメージが想起されます。
実際、日本のビジネスパーソンの多くはこの貢献力を十分に発揮している方も多いんじゃないかなと思います。
批判する力
しかし、ケリー教授によると、フォロワーシップというのは、リーダーの指示に従順に従うだけでは十分ではないと伝えています。
それがもう1つの力である批判する力に関係してきます。
批判する力とは、リーダーの指示が正しいのか自分なりに考え、必要に応じてリーダーに提言をする、そういった力をいます。
近年、このフォロワーシップが再度注目されるようになってきた理由の1つとして、この批判する力があるそうです。
社会が複雑になってきており、変化も激しい現在において、上位かのシンプルなやり方ではなかなか競争優位を保てない。
リーダーとしての視野を広げ、リーダーシップを補完するためにも、部下からの批判力、つまりフォロワーシップが強く求められるようになってきたという背景があるわけです。
どうすればフォロワーシップを身につけることができるか
さて、今日のハッシュタグは「フォロワーシップを身につける」でしたね。
では、このフォロワーシップ、どうやれば身につけることができるのでしょうか。
リーダーの仕事を体験するフォロワーシップ研修の効果は
少し調べると、その1つとしてフォロワーシップ研修という方法が挙げられていました。
メンバーに対してフォロワーシップを発揮してくださいと言われても、具体的に何をどうすれば良いのかわからないというケースは確かに少なくありません。
そこで、そういったフォロワーがリーダーの仕事をシミュレーションできる研修を実施するというのがおすすめだそうなんです。
実際にリーダーの仕事を経験することで、自分がフォロワーとして行うべき行動、そういったことが見えてくるということなんです。
フォロワーシップ研修の効果はケースバイケース
しかし、僕はこれを見て、本当にフォロワーシップが身につくのかな。
と思ったんです。
たとえば、このようなフォロワーシップ研修を通して、フォロワーシップの能力が100点満点になったまそういった人材がいるとします。
では、その方が現場に戻って、いざ仕事の中でフォロワーシップを100点満点に発揮しようとしたところ、本当に100点満点の力を発揮できるのでしょうか。
おそらくその答えはケースバイケースとしか言いようがないのかなと思うんです。
たとえば、リーダーが一切フォロワーの批判的意見を聞かない、むしろそれに対して攻撃的な態度を示すような人物なら、なかなかフォロワーシップは発揮できませんよね。
そして、おそらくこの批判する力が注目されている背景には、それを発揮できる環境が少ないということもあるのではないかと思います。
心理的安全性、つまり、なんでも率直に提言をしたり発言をしたり、そういったことが元々多くの組織でできているのであれば、この批判する力、そこまで注目されなかったのではないでしょうか。
フォロワーシップもリーダーとフォロワーの間の関係性にある
さて、これに関連して神戸大学の金井壽宏教授はリーダーシップに関してこのようにおっしゃってました。
リーダーシップをリーダーとフォロワーの間にある現象だと捉え、リーダーの行動や資質だけに依存する考え方を超越するが、その中で効果的なリーダーシップが生起するため、フォロワーが能動的に行動することが重要だ。
この中で、金井教授は重要な指摘をしていると思うのですが、それは何かと言うと、リーダーシップというのがリーダーとフォロワーの間にあると指摘されているという点なんです。
つまり、リーダーシップというものがリーダー個人の能力として内在しているものではなくて、リーダーとフォロワーの間の関係性にあるものだと言っているわけです。
それで言うと、リーダーシップの逆の矢印として補完する概念であるフォロワーシップも同じことが言えるわけです。
リーダーとフォロワーの間にあるものであり、フォロワー個人の中に内在する力、能力、スキル、そういったものではないということなんです。
ですから、フォロワーシップをいくら個人の中の能力として磨いたところで、それで十分かというと、そうではないということが言えそうです。
フォロワーシップを発揮するために必要なこと
では、フォロワーシップが十分に発揮できるようにするためにはどうすればいいのでしょうか。
ナラティブ
これに関して、滋賀大学の小野善生教授はこのようにおっしゃっています。
フォロワー自身が能動的に行動してリーダーをフォローするということですが、よほど目的達成の意味や意義やフォロワーに浸透していないと、そういう行動はできません。
そのためにリーダーはナラティブに対する能力が必要です。
ナラティブとは、聞く人が参加している気持ちになる、聞く人を物語に巻き込む話法ですよね。
リーダーが語るナラティブを聞くことで、フォロワーは物語、つまり目標に向かうプロジェクトに参加したくなり、自分の役割を見出し、自主的に行動するようになります。
フォロワーシップを発揮するような、そういったチームにするためにナラティブという手法が挙げられています。
おそらくこれだけではなくて、フォロワーが貢献する力、批判する力を発揮できるように、リーダーとフォロワーの関係性を改善していく、そういった活動が必要になるんじゃないかなと思うわけです。
リーダーとフォロワーの関係性に注目
リーダーがフォロワーの批判的な提言を聞く力、そういったものも必要になるでしょうし、なんでも率先して発言できる心理的安全性の確保、そういったことも必要になるでしょう。
フォロワーシップ、そしてリーダーシップが発揮できるようになるためには、様々な角度でリーダーとフォロワーの関係性、ここに注目していく必要がありそうだなと思います。
まとめ
ということで、今日はハッシュタグ企画「フォロワーシップを身につける」について話をさせていただきました。
タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。
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